
数週間前、投資家グループが資金をかき集めてSkypeをeBayから買い上げる交渉に乗り出したとき、これでやっと、Skypeの法律問題も解消するかと思われた。でも、その思いは間違っていたようだ。今回の新しい訴訟で、Skypeが抱える深刻な状況がわれわれ一般大衆にもやっとよく分かるようになった。
確かに、Skypeはその中核的なP2P技術を所有していないし、ファウンダのJanus FriisとNiklas ZennstromはそのIPをSkypeのサービス本体から引きはがそうとしている。でもそれはすべて、何か月も前からの古いニュースだ。今度の新しい投資家たちだって、IPの権利を持ってない会社の65%を取得するために$1.9B(19億ドル)も投じたりしないだろう。…と誰でも思うが…。
投資家たちに近い筋によれば、買収交渉の際、彼らとNiklasやJanusとの関係はeBayとの関係よりもむしろ良好であり、話はすぐにまとまると思われた。たぶん、二人がSkypeの株主になり、おそらく取締役にもなり、訴訟を取り下げる、というシナリオだったのではないかと思われた。
しかし、そうではなかったようだ。知的財産(intellectual property, IP)をめぐる今度の新しい訴訟は、相手がJoostの元CEO Mike Volpiと、彼が投資家メンバーの一人であるベンチャーキャピタル企業Index Ventures〔今回のSkype買い手グループの一員〕だが、それはJoostとは何の関係もない。問題はあくまでもSkypeの経営権と所有権であり、しかも、解決までの道がさらに遠くなったことをうかがわせるのだ。
この訴訟のいちばん興味深い部分は、告訴状の最初のほうに書かれている開示事項だ。Skypeはサービスの中核機能であるP2P技術を所有していないだけでなく、そのソースコードを見る権利もないのだ(以下、強調は本誌による):
GI SoftwareのソフトウェアバージョンはJoltidからJoostにライセンスされており、それによりJoostは、ピアツーピアネットワークの上でテレビなどのビデオコンテンツをリアルタイムで送り届けることに成功する最初の企業となる。GI Softwareの実行専用オブジェクトコードはJoltidからSkypeにライセンスされた。後者はインターネットの上で無料または低額で世界中に電話サービスを提供している著名なインターネット企業である。SkypeはGI Softwareのソースコードのライセンスを取得しなかったが、しかし同社が取得したライセンスはライセンス合意に対するSkypeの違反行為により終了された。
このたった一つの小さな情報から、ここ数年のSkypeをめぐるいわく因縁のすべてが分かる。なぜデベロッパに有意義なAPIを公開しなかったのか? できないからだ。それをするためにソースコードをいじることすらできない。Skypeはこのことを開示しなかったが、彼ら自身にとっても、ものすごいフラストレーションだったにちがいない。
そのフラストレーションは、先週行ったインタビューにも現れている。彼らはきわめてはっきりと、今後はデベロッパに対する公開性を高めたいと言った。しかしそれは、この訴訟が解決してSkypeがソースコードにアクセスできるようになるまでは、あり得ないことなのだ。
この新しい訴訟(vs Volpi & Index Ventures)が、買収をぶっ壊すかもしれない。その条件等を大幅に変えるかもしれない。あるいはNiklasとJanusが新しいSkypeの重役になるという大団円の可能性もある。しかしいずれにせよ、それはMike VolpiとIndex Venturesには何の関係もない。ここではっきりしている事実は、Skypeは自分自身のイノベーションができない、なぜなら、自分のIPを自分で所有していないから、ということだけである。彼らは、中核的なIPを見ることすらできないのだ。
〔訳注: この記事をよく理解するためには、原文のコメントを読むべき。〕
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))
