昨年私はTechCrunchの新しいポリシーを発表した ― エンバーゴ(報道協定)を守るのをやめたのである。いや、実際はもう少し複雑で、目的は広報の世界での秩序に混乱を起こすことだった。われわれは、あらゆるエンバーゴを守らないと宣言しただけでなく、独占情報および少数の選ばれた企業、特にMicrosoftとGoogleに関しては、信頼できることが保証されているので、エンバーゴを尊重すると言った。要するにわれわれは、事を複雑にすることを意図したのであり、実際そうしてきた。
エンバーゴについてご存じない方のために説明しておこう。企業が新製品発売や新たな資金調達などのニュースを発表する際に、多くの報道関係者に対して、公開してもよい日時を指定してニュースを発表する。報道はそれ以前に記事にしないことに同意する。しかし、ソフトウェアのタイムスタンプの問題などともっともらしい理由をつけて出し抜いてしまう者が出てくるのが常であり、その後全員が挙ってそのニュースを送り出す。一般に、最初に出し抜いたところが、他よりも注目を集めるので、間違ってしまうインセンティブは大きい。違反者を罰する者がいないのだからなおさらだ。
多くの人たちが、われわれの新ポリシーはTechCrunchの死に繋がると言った。それ以来われわれは、読者数もページビューも2倍以上に増やしたので、後出しではあるが、私はその意見に同意しない。しかし興味深いのは、あの記事以来、テク系ニュースの世界でのエンバーゴ文化が、事実上崩壊したことだ。今やカオスが支配し、かつての偉大なるMicrosoftとGoogleも落城した。
これは読者にとって望ましいことだ。
今年にはWall Street Journalも、独占取材を除きエンバーゴを行わない方針を打ち出しわれわれと同じ立場を取った。みんなが動揺した。そして6月、Microsoft Hohmのエンバーゴが早々に破られた(これをやったVentureBeatはすばらしき再犯者であり、昨年にはエンバーゴを1週間早く破り、夏時間のためであるなどと言っていたこともある)。
その結果Googleは、報道に対してエンバーゴを強いる力のある唯一の会社となった。ところが今日(米国時間9/23)午前、GoogleもSidewikiの件でつまずいた。PaidContentという、不幸にもエンバーゴに固執するブログネットワークが、製品発表のはるか数時間前に先走ってしまった。私は昨晩、このサービスのテストと記事を書くために3時間も費していたので、このニュース界にカオスが起きた喜びも、自分の記事の公開を待たされた不満によって、少々ケチがついてしまったことをわかっていただけるだろう。こんなことなら寝る前の2:30amに公開しておけばよかった。
GoogleとMicrosoftがエンバーゴを維持できなくなった今、もはやこの慣習自体をやめるしかないだろう。少なくとも私は、そのことを喜んでいる。
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(翻訳:Nob Takahashi)




