ボロボロのウェブミュージック系スタートアップの申し子といえば、Project Playlistをおいて他にない。この会社はと言えば、レコード会社から訴えられ、未だにレコード会社とのライセンス契約は交渉中で、前CEOのOwen van NattaにはMySpaceに逃げられ、CFO Mike Sheridanも去り、さらにはオーディエンスにも逃げられている様子だ。これ以上悪いことは起こりそうにない。
ちなみに、この自称「音楽検索エンジン」、実は主要レーベルのアーティストのMP3を、Limelightなどのコンテンツ配信ネットワーク(CDN)を通じてホスティングしているらしい。例えば、Britney Spearsの曲を検索してみると、結果の2番目に「(You Drive Me) Crazy」が出てくる。この曲のMP3が元々置かれていたhttp://www.sarzamin.org/というサイトは、既に存在しない。でも心配ご無用、Project Playlistが、同社のCDNである、Limelight Networksに曲をキャッシュしているからだ。本誌の読者で、Project Playlistを利用して自前の音楽サイトを作ろうとしている開発者のKhalid Shaikhが、このしくみを発見して、上のスクリーンキャストを送ってくれた。
ビデオの中で、Shaikhがこのキャッシュ方法の合法性に疑問を呈しているが、Project Playlistとレーベルとのライセンス契約条件がわからないことには何とも言えない。Project Playlistは、少なくともSonyとはライセンス契約を結んでおり、Britneyの所属するZomba LabelはSONYが所有している。とはいえ、奇妙な楽曲カタログの作り方であることは間違いない。しかも、他にも山ほど同じような例があり、例えばAlanis MorissetteのいるWarner Musicは、Project Playlistに対する訴訟を未だに取り下げていない主要レーベルの1社だ。
Project Playlistは自らを、みんながプレイリストを共有するための音楽検索エンジンであると称しており、プレイリストにある曲だけを共有するためではないと言う。同サービスのAboutページには、サービス内容がこう説明されている。
Playlist.comは、Google®やYahoo!®と同じ情報検索ツールで、ただし音楽の世界に特化しています。私たちの目的は、みなさんがウェブ中から合法的に音楽を見つけて、楽しむのをお手伝いすることです。他の検索エンジンが、ウェブページや画像その他のメディアを探すのを手伝うのと同じことです。
さらに、、、
Playlist.comでは、みなさんにこの無料の音楽を合法的に見つけていただけます。なぜなら当社では、著作権保有者の権利を尊重しており、みなさんにもそうしていただきたいからです。もし、アーティストから、違法に掲載されている楽曲に当社の検索エンジンがリンクしているという報告があれば、直ちにその音楽ファイルへのリンクを削除いたします。
このサイトでは、他のサイトで理由はともかく削除された楽曲をキャッシュすることに関しては、何も言っていない。しかし、ここで興味深い疑問が持ちあがる。Project Playlistは、ウェブ上で自由に利用できる楽曲をインデックスするだけの音楽検索エンジンから一線を踏み越えて、(コンテンツ配信ネットワーク経由ではあるが)音楽ホスティングサービスへと転身したのだろうか。それともProject Playlistは、Googleなどの検索エンジンと同じく、人気の高いコンテンツをインデックスにキャッシュしているだけなのだろうか。
同社のプログラミングとコンテンツ担当VPのJosh Brooksに尋ねたところ、どうやら本気で驚いたらしく、こんなことが起きているのを見たのは初めてだと言っていた。スクリーンキャストを見せられた後、Brooksはこう語った。
「悩ましいものを見てしまいました。恐らくどんな形であれデジタル音楽に関わる人なら誰でもそう思うでしょう。これは改善が必要な問題です。必要なので修正をいたしますと言うしかありません。」
同氏は、Project Playlistが現在レコードレーベルと、楽曲を直接ストリームするためのライセンス交渉をしているところだとも言っていた。
「Playlist.comのテクノロジーによって、ウェブでの音楽検索結果をきちんと集約し、曲がホストされているサイトからストリームするよう、ユーザーを誘導します。ごく近い将来、当社が主催する音楽サービスがリンク先のストリームを探して、当社がライセンスした広範囲にわたる音楽ライブラリーで置き換える予定です。そうなれば、ユーザーは楽曲をPlaylist.comで聞いたり共有したりすることに加えて、サイト外の埋め込み型プレーヤーを通じても利用できるようになります。リンク先のサービスは数十ヵ所あります。Playlistでは、コンテンツ所有者のみなさんの協力のもと、当社がライセンスした楽曲に関する適切な報告と支払いが行われるよう、鋭意努力してまいります。」
言い換えれば、Projedt Playlistは、もはや音楽検索エンジンでは居たくないということだ。すでに、曲をキャッシュすることで、その方向へ進み始めているが、レーベル各社に真剣にとりあって欲しいのなら、もっとストレートなやり方で曲をホストする必要があるだろう。


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(翻訳:Nob Takahashi)




