先日発表されたTwitterの「リスト」機能は、種々のTwitter関連アプリケーションに対して爆弾を投じるようなものと感じた人もいるかもしれない。フィルタリングの観点のみからしても、「リスト」の機能自体、Twitterがとっくに実装していても良かったものだとは言える。しかしTwitterが実装しないことをうけて、TweepMLやWefollowなどのサービスが勃興してきた。今回の「リスト」機能の発表を受け、同種のサービスを展開していた各社は慌てふためくことになると考えた人もいるかもしれない。しかし実際はそうではないようだ。Twitterによって実装されるサービスと、API経由で連携していくことで、むしろ各社のサービスを広める役に立つと考えているようだ。
たとえばウェブ上のTwitterクライアントであるBrizzlyを提供するThing Labsは、真っ先にTwitterの「リスト」機能の発表を歓迎した。Brizzlyのセールスポイントのひとつは、フォローしている人々をグループ毎に分類できることにあった。そのBrizllyは、Twitterの「リスト」機能をサポートしていく予定だとTwitter上で表明している。Brizzlyので作成したグループをTwitterの「リスト」に変換する機能を提供する様子で、これはすばらしいことと思う。
一方、Diggの創設者であるKevin Roseは、最近Wefollowというプロジェクトを発表している。これはさまざまな分野におけるフォローすべきTwitter上の有名人を一覧にするサービスだ。こちらもTwitterの「リスト」機能で同様のとりまとめができるようになるわけで、Kevin Rose氏がさぞやご立腹ではと考えた人もいるかもしれないが、これも違う。氏はTwitterの公式ブログでの発表から数時間後に、記事にリンクしつつ「Twitterの「リスト」機能と連携していくのはクールだね
」という投稿を行っている。
これら両者の反応も興味深いものだが、「リスト」機能とまさに競合することになるTweepMLの反応がもっとも面白いものだった。TweepMLについては最近記事にもしているが、Twitterでフォローすべき人のリストを作成して、それを誰かに送ったり共有することのできるサービスだ。表面的に見れば、まさにこれはTwitterの「リスト」と同じようなサービスであるように思える。しかし既に「リスト」を試用している創立者のMarcelo Calbucciによると、TweepMLは「リスト」と共存していけるものだとのことだ。
また「リスト」とTweepMLにおける10の相違点をブログに投稿している。許可をもらったのでこちらにも転載しておく。
- #1 自分自身を含む「リスト」を作成できない:Twitterの「リスト」は、フォローしている人をリストにまとめるものだ。自分自身をフォローすることはできないので、作成する「リスト」にも自分を含めることができない。したがって「シアトルのアントレプレナー」というリストを作成した場合、私がこのリストに入ることはできない。
- #2 フォローしている人しか「リスト」に入れられない:上に述べたのと同根だが、私がフォローしていない人を含む「リスト」を作成することができない。たとえばシアトルのアントレプレナーの「リスト」を作成しようと思えば300人以上をフォローしなくてはならないことになる。
- #3 「リスト」に追加する際の困難さ:Twitterの「リスト」に追加するには、その相手のページに飛んでひとりひとり追加する必要がある。
- #4 「リスト」を使って個々人を直接フォローする方法がない:たとえば25名の写真家からなる「リスト」をフォローしているとしよう。そして「リスト」作成者が無用の人を追加して、あなたが気に入っている人を削除してしまうような場合を考えてみて欲しい。そうなると気に入った写真家を直接フォローしたくなるだろうが、そのようなUIが今のところ用意されていない。
- #5 フォローされた側は、フォローされたことがわからない:「リスト」をフォローした場合、その「リスト」上の人には誰がフォローし始めたのかが通知されない。これでは相手からフォローバックしてもらう機会を失うことになる。
- #6 「発言しすぎる人を排除」する機能がない:「リスト」をフォローする場合はオールオアナッシング方式となる。うるさく感じる特定の人を排除する機能はない。
- #7 「リスト」のインポート/エクスポートができない:Twitterの「リスト」はTweepMLのフォーマットをサポートしていない。サーバー同士でやりとりするAPIは用意されているものの、エンドユーザから利用する術がない。25名を登録した「リスト」がある場合、それを簡単にインポートすることができない。またスプレッドシートやテキストにエクスポートすることもできない。
- #8 「ブロック」との整合性がない:Twitterの「ブロック」機能は最初から穴だらけの機能と言える。ブロックしたところで、アカウントが公開されている限り、ホームページに行けばいつでも発言を見ることができてしまうのだ。さらに、「リスト」にアカウントが加えられると、ブロックされている人もその「リスト」経由で発言を自由に見ることができるようになる。
- #9 統計情報や分析情報の不備:現在のところ、Twitterは「リスト」についての情報を与えてくれるようになっていない。おそらく将来的には「リスト」をフォローしている人の人数などは確認できるようになるだろう。しかし情報はそれだけで、「リスト」の内容を確認した人だとか、何人がフォローを開始して、何人がフォローをやめたかなどの情報は提供されないことになるだろう。平均的な利用者にとってはこれでも良いかもしれないが、パワーユーザやビジネスユーザにとっては、そうした情報も非常に重要なものとなるはずだ。
- #10 動的リスト管理:最後に、Twitterは動的な「リスト」作成をサポートしていない。つまり、TweepSearchを使ってシアトルのセキュリティコンサルタント全員からなる「リスト」を作成する場合、いちいち手作業で「リスト」に加えなくてはならない。
Twitterの「リスト」を既に使った人からの、非常に興味深い情報だと言えよう。
新サービスを公開前に本記事に挙げたような競合社にも試用して貰うというTwitterの姿勢には共感が持てる。各競合各社も、Twitterの新機能を恫喝的なものと捕らえることなく、程度の差こそあれ歓迎の姿勢を見せている。また、サービスの開始と時期を同じくしてAPIを用意するのもすばらしい。それによりサードパーティーは上に転載したような相違点に基づいて補完的なサービスを提供できることとなる。
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(翻訳:Maeda, H)

