
新たなリアルタイム検索エンジンであるWowdが、本日(米国時間10/20)にサンフランシスコで開催されるWeb 2.0 Summitにて一般公開される。創立者兼CTOのBoris Agapievは、7月に行われたRealtime Stream Crunchupにて、最初のデモを披露している(文末にその際のビデオを貼ってある)。
Wowdのアプローチは非常に野心的で、peer-to-peerで検索エンジンを構築しようとするものだ。利用に当たってはpeer-to-peerのクライアントをダウンロードし、また検索に用いるインデックスも中心となるサーバ群にのみならず、利用者のPCにも存在することになる。以前にも垂直型のVastという検索エンジンを考案したAgapievは、スケーリング問題に対処する新手法として、このP2P式アプローチにたどり着いたとのことだ。
Wowdはリアルタイム検索エンジンと紹介されているが、それはWowdコミュニティのメンバーが、どれだけサイトを訪問したのかによってサイトのランクを決定していることによる。Wowdを利用する際、いわばマウスクリックで、サイトへの投票を行っているとも言えるわけだ。
利用者の訪問数だけでなく、一般的なランキングアルゴリズムも利用してはいるが、利用者にダウンロードしてもらうP2Pクライアントから収集されるリアルタイムのクリックデータこそが、Wowdの存在をユニークなものとしている。クリックデータを収集することにより、利用者がデータを送信する設定にしておけば、利用者がどのようなことに興味をもったのかというデータを全て受け取ることができる。これにはWowdを使わずに訪問したサイトのデータも含まれる(この面では、Googleツールバーでウェブ・ヒストリーの機能をオンにしている場合と同じだ)。
このように利用者情報を収集する仕組みにて広く採用されているように、Wowdでも各種のプライバシー設定を行って、送信するデータを設定できるようになっている。また、送られるデータはすべて匿名で送られる仕組みとなっており、IPアドレスも送信対象とはなっていない。プログラムを利用すると、これまでに検索したヒストリーをすべて表示させることができる。一ヶ月前に見て記憶が曖昧になっている家具サイトを再度見てみたい場合などに便利な機能だ。ただ、知名度もない生まれたてのサービスに訪問サイト情報を送ることに抵抗を感じる利用者も多いはずだ。これがサービス普及への大きな障害となることも考えられる。単にクライアントをダウンロードさせることだけでも、利用者にそっぽを向かれてしまう可能性もあるのだ。
ただ、そのバリアを乗り越えて使ってもらうことさえできれば、このWowdは従来と全く異なるサーチ体験を利用者に提供することができる。サイトはWowd利用者たちが訪問した回数によりランク付けされ、直近に訪問されたサイトが、他サイトよりも強調されることになる。また検索結果を新着順に表示させることもできるようになっている。Wowdを利用する人々が発見し訪問するサイトによって検索の品質が決まってくるわけで、良いサイトをボタンクリック等で積極的に評価する必要もない。
またWowdの仕組みは、他の検索エンジンに広まっているようなSEOスパムの影響を受けにくいということも考えられる。ただしWowdがメジャーになってくれば、スパマーたちは人海戦術でWowdをダウンロードして、宣伝対象のサイトを何度も訪問するという行動を起こすかもしれない。Wowdは対応策としてそのような行為をモニタリングし、検索結果に不正なクリック結果を反映させないようにもしている。
こちらではWowdを数ヶ月間利用してみている。数千人に公開されているベータ版段階であるのに、検索結果はまずまず評価できるものとなっている。本日よりWowdは一般公開となり、真のテストがいよいよ始まるわけだ。リアルタイム検索は、現在非常に注目を集めている。この分野に参入をめざすスタートアップは多数あり(Collecta、OneRiot、Topsy)、Twitter、Facebook、およびGoogleなどの大企業も虎視眈々とチャンスを狙っている。
以下に6月に行ったCrunchupにおいてCTOのBoris Agapievが行ったデモのビデオを掲載しておく。4番目のマーク、だいたい29分くらいのところからデモが始まっている。
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(翻訳:Maeda, H)




