
ふだんBen HuhはSeattleにあるPet Holdings Incの本社にいる。I Can Has Cheezburger?やFAIL Blogなど、人を毎日5分間笑わせるためのサイトを30近く運営している会社だ。でも今週の彼はベイエリアに足を伸ばして3冊の本の宣伝に奔走した: “How to Take over the World: A LOLCat Guide 2 Winning”〔LOLCatsはいかにして成功したか〕、“Graph out Loud”(GraphJamの本)、そして“FAIL Nation: A Visual Romp through the World of Epic Fails”〔FAIL Blogの本〕だ。今夜(米国時間10/28)、盛大な出版記念パーティが行われる。
困ったことに、Huhが今週は〔TechCrunchのある〕サンフランシスコにいるというのに、彼のインタビューの予定がめちゃめちゃ多い。でも昨日なんとか彼をつかまえて、いくつかの秘密情報を聞き出すことに成功した。
まず、Huhに関する一言: 彼にインタビューするほとんどの人が、猫を飼っているかとか、彼自身もいつも人を笑わせるような人かといった質問をするが、でもそれは、彼が本当に好きな仕事とは関係がない。Huhはビジネスマンなのだ。多くのメディア起業家たちと違って、彼は会社が大きくなればなるほど仕事が楽しい、社員数もサイトも運営上の心配事も、大きければ大きいほどいい、と言っている。
まず思い出すべきなのは、彼はI Can Has Cheezburger?やFAIL Blogを自分で作ったのではなく買収したことだ(買収価格などについてはのちほど)。それ以降彼は何ダースものユーモアサイトを開いてきたが、その半分は失敗し、しかし一部は急速に成長した。そして、彼がLOLCatsの一発屋ではないことと、インターネット上の口コミ的な情報伝播の中で“売れる笑い”を正しく見抜く能力を持っていることが証明された。今では、彼のスプレッドシートの上には、今手がけているアイデアが150もあり、それらをライターのチームに磨かせている。ライター一人が5つのブログを担当している。
簡単に言うとHuhは、シリアスに受け取ることが困難なものからシリアスな会社を作った。彼はいつも言う: うまくいくはずのないものがうまくいった。
以下は、昨日彼にコーヒーとサンドウィッチの朝食をおごった見返りに入手した、内幕情報のいくつかだ:
1. I Can Has Cheezburger?の買収価額をTime紙など(“など”ってどこのこと?)は$2M(200万ドル)と報じたが、実際はどうやらそれより安かったらしい。Huhは金額を聞かれても動じることなく黙っていたが、彼ほどの敏腕ビジネスマンがそんなに払うはずがない…すでに利益が出ていて急速に成長しているサイトであっても。しかも、お役所に提出した文書によると、このブログを買って会社を作るために調達したエンジェル資金はわずかに$2.25M(225万ドル)だ。なぜその全額を一回の買収に投じたのかと尋ねたら、彼はしぐさでも言葉でも何も答えなかったが、その顔は“ぼくがそんな馬鹿じゃないはずと思ってくれてありがとう”と語っていた。でも結局、何もコメントは得られなかったけど。
2. Huhは自分がユーモアについて研究した結果の一端を語った: 男性向けサイトと女性向けサイトでは成長のパターンがまったく違う。男は、自分がおもしろいと思ったものをすぐに友だちなどに触れ回るから、男性向けサイトは成長も早いがしかしユーザがさめるのもはやい。女性は、信頼できる人やサイトを相手にしたいと思っているから、リンクやサイトの共有も男性ほど頻繁ではないが、ファンとして定着しやすい。女性向けサイトの成長は遅いが、オーディエンスは長持ちする。
初期のWeb 2.0が圧倒的に男性支配だったことを考えると、こういう点に気がつくことのできるHuhはさすがにエライ。きっとHuhはHawtness(ややNSFW(職場禁))とLovelyListingのトラフィックパターンの違いを見たのだろう(クイズ:どっちが男性向けか?)。
参考までに、I Can Has Cheezburger?は男女半々だが、ほとんど全員が猫好きのギークたちで、男女ともに大きな、そして衰えない成長を支えている。Huhの説明によると、犬人種は公園へ行き、猫人種は家でコンピュータの前に座っているそうだ。
3. そしてそのトラフィックは–。Pet Holdingsのネットワークは月間1200万のユニークビジターと4か月で10億のページビューを誇っている。この数字は、軽薄さを売り物にする社員26名のUGC(user generated content, ユーザ作成コンテンツ)企業としては驚異的だ。
Cheezburgerは誰もが知っている。ここは先月のページビューが10億を超えた。しかしFAIL blogはゼロから1000万ページビューにわずか90日で到達し、最近立ち上げたThereIFixedIt.comもそれぐらいのペースで成長している。
とはいえ、Huh自身は成長の速さをそれほど重視していない。成長してればそれでいい、と。彼のサイトの中には、急成長のあとに急降下して閉鎖に追い込まれたものもある。
彼の最新のサイトNotVeryTalented.comは金曜日(米国時間10/30)に立ち上がる。
4. 売上。Huhはこの厳しい業界でしっかりと儲けている。非力なブログが圧倒的に多い中で、彼のサイトは30%の粗利を会社に提供している。CPMは15セントから8ドルのあいだに分布している。いちばん成績が悪いのは明らかにHawtnessだが、やばいサイトでもあるのでここでは広告をあまり積極的に売っていない。“ここはちょっとしたおまけみたいなサイトだ”とHuhは言う。
意外な点は: 同社は本の出版からも30%の粗利を上げており、印税やその前払いは同社の売上の1/3近くを占める(“数百万ドル程度”だそうだ)。もっと意外なのは、出版社が彼と複数の本の契約をなかなかしないこと。最初のLOLcats本はNew York Timesのベストセラーリストに13週間も載っていたのに、このざまだ。ほんとに彼らはニューヨークの出版社なの?
Huhは来年用として6冊の本を企画している–【ネタバレ】3冊目のLOLCats本は、子猫特集だ。
5. Huhはソーシャルネットワークも持っている。ここまで書いてきたことを全部知ってた読者でも、これだけは意外だろう。Huh自身にとっても意外だったのだから。かなり前からのことだが、Pet Holdingsのサイトに頻繁に画像を投稿する人はログイン会員になり、プロフィールを提供される。そしてお互いがフレンドになる機能が自動的に与えられる。その結果、どうなったか? ユーザ数130万人のニッチなソーシャルネットワークだ。Huhは、これをどう扱うか決めかねているが、なんとかしようと考えているようだ。ブログと本の売り上げは比較的順調にいっているが、会社が今後本格的にスケールするためには、コンテンツの大膨張に依存しない、もっと巧妙で成長性の良い収益源を彼は欲しいはずだ。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))




