なぜSkypeはオープンソース化をためらうのか–ダムパイプ化が怖いのか?
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by ゲスト ライター on 2009年11月3日 append.gif この記事をBuzzurlにブックマークする

筆者 :Markus Goebel, TechCrunch Europe
Skype

SkypeのLinuxバージョンがもうすぐオープンソースになる…そしてOSとしてLinuxを使っているスマートフォン、テレビ用セットトップボックス、あるいはそのほかの装置製品の上で使えるようになるだろう。それは、PidginやeBuddy、Meeboなどのようにマルチプロトコルなメッセンジャーになるかもしれない。あるフランス人ユーザがSkypeのカスタマサポートから次のような返事をもらったから、そんな希望が湧いても当然だった。.

そのフランス人Olivier Fauraxは、Mandriva Linux*用のSkypeはいつ提供されるかと尋ねて、こう言われた: 〔*: Mandrivaはフランスでトップ人気のLinuxディストリビューション。〕

現在、Mandrivaバージョンがないことで、多くの方にご迷惑をおかけしております。Skypeが今後オープンソースコミュニティの一員になるとご報告できますことは、欣快至極でございます。したがいましてLinuxデベロッパは、Linux用のSkypeクライアントの開発に関与できることになります。そのため今後は、各ディストリビューション専用のバージョンも作られるものと思われます。

なかなか良いことを言っているが、Fauraxが尋ねているリリースの日付については一言もない。彼がもらったのは、“SkypeのLinuxバージョンは近い将来オープンソースになる”という言葉だ。それがSkypeのソースコードの全部なら、驚きだ。OSとしてLinuxを使っているデバイスはコンピュータだけでなくいろいろあるが、それらがすべてSkypeによる送信と受信をできるようになるのだから。

たとえばドイツでDSLユーザに無料で提供されているVoIP対応のWiFiルータFritz!Boxは、ユーザが数百万いる。このルータはLinuxを使っているだけでなく、メーカーのAVMはファームウェアのアップデートのたびに新しい強力な機能を加えたりしている。最近では、プリントサーバ、留守電機能、音楽ストリーミング機能などが加わった。このデバイスはアナログ電話アダプタでもあるので、コンピュータなしでふつうの電話からVoIPに電話できる。

ぼくは10社ものVoIPプロバイダと契約しているから、一つの同じ電話からドイツ、イギリス、合衆国、それにペルーにまで電話をかけられる。その10の中にSkypeはないから、あまり使う機会もない。最近のSkypeのブログへの投稿を見るかぎり、その状態が今後も続きそうだ。Olivierの一件がSlash Dotに載ってから、苦情や問い合わせが殺到したらしく、Skypeは次のような公式声明を発表した:

たしかにオープンソースバージョンのLinux用クライアントを目下開発中です。それはもっと大きな提供物の一部ですが、それについて現時点では詳しくお話しできません。オープンソースのUIがあれば、Linuxの数多いディストリビューションの“多文化環境”やさまざまなプラットホームによる採用が進むものと期待しています。詳細をお話しできる時期になったら、あらためて発表いたします。

これはもはや、それほど希望を抱かせる発表ではないね。オープンソースにするのはクライアントのユーザインタフェイスの部分と言っており、Skypeのソースコード全体ではない。たとえばファイアウォール越しに音声を伝送するためのプロトコルなど、重要な部分はオープンにならないらしい。デベロッパが自分のソフトウェアやデバイスの中にサービスとしてのSkypeを組み込むためには、“ユーザインタフェイスをオープンソースにする”だけでは不十分なはずだ。Skypeはたぶん、ぼくが前にブログで書いたような、“究極のダムパイプ(dumb pipe)*”になることを避けたいのだろう。〔*: dumb pipe, データを単純にそのまま右から左へ通すだけの、完全に透明な通信サービス…たとえば今のインターネットプロバイダの多く(中国を除く、と言うべきか?!)。〕

いろんなソフトがSkypeサービス機能を持つようになると、ふつうの電話でもなんでも、Skypeの受信ができ、そして無料のSkype同士の通話ができるようになる。有料の起呼は、Skypeよりも安い競合他社を使ってできるだろう。SipgateVoipbusterなどは、つねにこの点を広告で強調している。たとえば8月にぼくがもらったメールには:

Skypeはソフトウェアのライセンスがもうすぐ切れますから、まもなく利用できなくなることは火を見るよりも明らかです。今こそ、VoipBusterに切り換えるべきです。[中略] Skypeよりも低料金でVoice Over IPをご利用いただくために、Voipbusterはデスティネーションの負荷を下げました。

Sipgateもこれと同じことを8月のプレスリリースで言っている。誰も彼も、Skypeのランチを横取りしたい。だからこそSkypeは、オープンソース化に慎重なのだ。

[原文へ]

(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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