ウォールストリートジャーナルがGoogleを拒絶したらWSJ.comはトラフィックの3割近くを失うことになるが…
by Erick Schonfeld on 2009年11月10日

Rupert Murdochは故郷のオーストラリアに帰るといつも、相当リラックスして合衆国では言わないようなことをマスコミ(==たいていは彼が所有している会社)に言う。もちろん合衆国のほとんどのメディアがその発言を報道するので、それはビッグニュースになってしまう。今日(米国時間11/9)のMurdochは彼のSky Newsを相手に、Googleなどの検索エンジンからWall Street JournalのWebサイトWSJ.comにアクセスできないようにしたい、と言った。Googleからのトラフィックはすごく多いのでは?と聞かれMurdochは“うちのWebサイトには金を払って見にくる限られた人たちだけが来ればよい”と答えた。

Murdochが、WSJ.comなど彼のニュースサイトに来る人は今より少なくてよいと考えているなら、Googleによるそれらのサイトのインデクシングを禁じればその目的は簡単に達成される。Hitwiseの推計によれば、WSJ.comへのトラフィックの15%はGoogleの検索から、そして約12%はGoogle Newsからなので、合わせて3割近くになる。

WSJ.comのビジターの約44%がこのサイトを初めて訪れる人たちだから、GoogleはWSJの読者増に貢献している。しかしMurdochが求めているのは検索エンジンから来る読者ではなく、WSJというブランドに価値と信頼を見いだしている読者だ。彼は、そこに固執している。人びとがコンテンツに金を払うためには、まず、そのコンテンツを見つけなければならないはずだが、彼の頭にはこの“見つける”の部分が抜け落ちている。

一方WSJ.comとGoogleの今の契約では、検索エンジンはペイウォール(paywall,有料サイト〜有料ページ)をバイパスして、読者がリンクをクリックスルーしたときには記事の全文を見せてよいことになっている。だからたぶんWSJは、中途半端はありえないことを学びつつあるのだ。コンテンツは、それを全員に対して有料にするか、または全員に対して無料にする。その中間はありえない。バックドアを作ったとしても、それはすぐに見つかってしまう。Googleとのこの奇妙な契約で何が起きているかというと、人びとはますます、直接WSJへ行かずに、まずGoogle Newsで記事を検索してからWSJへ行くのだ。おっと、話が脱線してしまった。

以下が、Murdochのインタビューのビデオだ:

[原文へ]

(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

  • http://www.kots.jp/blog/archives/2047 Google からのトラフィックを拒絶って… | kots blog

    [...] http://www.youtube.com/watch?v=M7GkJqRv3BI&hl=ja&fs=1 via: ウォールストリートジャーナルがGoogleを拒絶したらWSJ.comはトラフィックの… [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20091113murdoch-google-bing-mexicanstandoff/ メディア王MurdochがGoogleをやっつけてネット上の権力を検索から奪い取る方法

    [...] Rupert Murdochが彼のニュースサイト〔複数〕に対してGoogleが行うインデクシングを禁ずる云々という話に対しては、一貫して傍観者の立場をとってきた。なによりもまず、彼は単純に無知な男だと思うからだ(大量のトラフィックを失うことが分かってない)。それに今日(米国時間11/13)は、Erick Schonfeldがこんな記事*を本誌に書いた〔*: Google拒否はニュースメディアの自殺行為だから誰もNews Corp./Murdochの煽動には乗らないだろう、という考察〕。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20091113microsoft-woos-newspapers-by-funding-their-stick-to-bing-google-with/ Microsoftは新聞社に対Google戦争の軍用金を支援してBingの味方にするつもり

    [...] その会合はまさに、Rupoert Murdochが、大量のトラフィックを犠牲にしてまで、彼の巨大な新聞帝国をGoogleのインデクスから撤退させると言ったその翌日に行われた。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20091201google-news-concession-first-clicks-free/ Google News、ニュースメディアの泣き言に譲歩―無料を1ユーザー1日5クリックまでに

    [...] しかし今日、Googleはニュースメディアに対して一つ譲歩をした。ニュースメディアはGoogle Newsが有料購読ページに「裏口」を作っていると非難していた。たとえば、ユーザーがGoogleNewsで検索した結果をクリックした場合にはWSJ.comの有料記事を無料で読むことができる。Wall Street Journalの親会社、News Corpはもちろんこのことを十分承知の上で許可している。許可しなければGoogleはサイトを索引化して検索結果に表示してくれないからだ。そうなるとWall Street Journalは25%のトラフィックを失うことになる。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20091223google-news-cnn/ 世界ではCNNよりGoogleニュースの方が訪問者が多い(1位はYahooニュース)

    [...] 上記の数字にはYahooやGoogleの一般検索のトラフィックは入っていない。たとえばWSJ.comの場合、トラフィックの4分の1はGoogleの一般検索から来ている。元BusinessWeek.comの編集長、John ByrneはGoogle検索のBW.comのトラフィックへの寄与は2006年には20%だったのが、現在では45%にも上ることを明らかにしている。 [...]

  • http://blog.goo.ne.jp/hsato/e/6d3747617f74057d58362aa66eb4c7f3 天気晴れのITトレンド

    タイムライン戦争勃発 #buzz #twitter #gmail…

    Google Buzzが始まった。その意味するところは。…

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20100312newsosaurs-extinction/ 新聞恐竜たちが近未来の絶滅を避ける行動を起こさない光景は, 正視に耐えないね

    [...] 時代が変わったことが誰の目にも明らかなのに、過去という名の氷山の中に、凍結されたような人や業界をときどき見かける。彼らは絶滅寸前のカモノハシ恐竜のように、まだ自分のまわりに豊富にある植物を、幸せそうにむしゃむしゃ食べている。隕石が落ちてくるときも、彼らの足元にいた小さな毛むくじゃらの哺乳類たちのようにすぐに隠れることをせず、依然としてお食事に熱中している。印刷媒体としての新聞業界は、今まさに、そんなカモノハシ恐竜のようだ。誰もかれもがWebに対する防壁を築き、今や落ち目の広告収入にしがみついている。 [...]