今(11月11日)私は日本の宮崎市で行われているInfinity Ventures Summit(IVS)の会場にいる。これはアジアでもっとも有名なWeb産業イベントのひとつで、主催者であるVC企業のInfinity Venture Partnersは、このイベントの数時間にわたるプログラムの中で、日本の12社のスタートアップにプレゼンテーションの機会を与え、各社は審査員たちと世界中から集まった300名あまりの参加者の前で自分たちのサービスを披露した。
音声認識と書き起こしサービスMoji Moji TVが、今回のIVS Fall 2009 Launch Padの”Best Startup”に選ばれた(そのローンチパッドが今終わったばかりだ)。以下は、このイベントでデモをしたすべてのサービスの簡単なプロフィールだ。まだ英語のホームページのない会社もあるが、逆にすでにサービスをグローバルに提供しているところもある。
優勝(1社)と準優勝(5社):
Moji Moji TV, 開発企業: Catalog(株式会社カタログ)(優勝)
優勝したMoji Moji TVは、ビデオ用のとても強力な音声認識と書き起こしサービスのようで、先月非公開アルファで立ち上げられた。対応言語は日本語のみだが、英語用と中国語用も目下開発中だ。Moji Mojiは、ビデオ(自作のムービー、YouTubeのクリップなど)から音声を取り出し、それを自動的にテキストに変換して表示する。そのテキストは、ムービーのタグや字幕として使えるし、検索の対象にもできる。Shabetter というiPhoneアプリケーションは、iPhoneのマイクに向かって喋った言葉を自動的に書き起こしてTwitterに投稿する。Moji Moji TVに関する英語の説明がここにある。
このビデオ(英語)はMoji Moji TVのデモを見せてくれる:
V-Sido, 作者: Wataru Yoshizaki(準優勝)
エンタテイメントや研究開発などにロボットが広く利用されているが、どれにも共通の問題がある: 動きが遅い、動きが機械的である、動きがぎくしゃくしている…。ロボットマニアのWataru Yamazakiが作ったV-Sidoは、ヒューマノイドをリアルタイムでコントロールして、なめらかな動きをさせるソフトだ。
Spysee, 開発企業: Ohma(オーマ株式会社)(三位)
Spyseeは人間を探す検索エンジンで、英語版は今年のTechCrunch50で紹介された(SpyseeはTC50のデモピットに参加した)。今、中国語バージョンを開発中だ。このサービスは人物に関する情報やメディアをWebから取り出し、それらをその人用のページ(たとえば: Barack Obama)に表示する。日本語バージョンは昨年暮れに一般公開され、その後何度かアップグレードされている。たとえば収益化の方法は今では、ユーザが、目標達成のために資金を必要としている人物に寄付をするという形(Cheering Spysee(チアスパ))になっている。Spyseeは寄付の一部をいただく。
m-police, 開発企業: milog(株式会社ミログ)(四位)
m-policeはWeb上にきたない言葉や“法的に問題のある”文を見つけて、それらを16種類のカテゴリーに分類する。同社によると、日本語のブログ上の全記事/コメントの約5%はm-policeによって‘検挙’されるようなたぐいで、さらにその22%は潜在的に危険である。日本のソーシャルネットワークの一部は最大で300名もの‘監視要員’を雇ってサイトの掃除に努めている。しかしm-policeを使えば、一つの記事の人手による監視コスト約6円を3円に半減できる。
AEGISGUARD, 開発企業: KLab(KLab株式会社)(五位)
AEGISGUARDはウィルス撃退ソフトで、無料でダウンロードできるだけでなく、最初から英語版も用意されている〔日本語版〕。このソフトはユーザの重要なファイルやフォルダを…今では500万種類以上あると言われる…ウィルスやマルウェアから守り、ユーザがホワイトリストで指定したプログラムにのみアクセスを許す。AEGISGUARDを開発したデベロッパのKLabによれば、このやり方なら未知のウィルスや新型ウィルスも防げる。従来からある、ブラックリスト方式のウィルス撃退ソフトと併用してもよい。
Symphonic Motion, 開発企業: AITIA(アイティア株式会社)(同点五位)
Symphonic Motionは拡張現実(augmented reality, AR)を利用するエンタテイメントエンジンで、ケータイ用ではなく大画面(〜幅数メートル)用である。同社の技術は“肉体的な(フィジカルな)”ARと呼ばれ、たとえば、人間がカメラの前で手を動かすと画面のCGが動く。これを制作したAITIA(アイティア株式会社)は、こういった体(からだ)で楽しめる対話性を、企業、各種展示会、イベント会社などに売り込みたいと考えている。デモのムービーがここにある。
そのほかの6社:
OpenSocial Host, 開発企業: HeartRails(株式会社ハートレイルズ)
OpenSocial Hostは、OpenSocialのアプリケーション…例としてMySpace、hi5、9月にAPIを公開した日本最大のSNS Mixiなど用…を開発・配布・管理するための総合的なプラットホームだ。OpenSocial Hostはモバイルのアプリケーションもサポートし、有料と無料の両サービスを提供するが、ただし日本語のみ。
Location Amplifier , 開発企業: Koozyt(クウジット株式会社)
Location Amplifierはその名のとおり、位置対応のリッチなコンテンツ…位置対応型ゲームやガイドなど…を携帯電話上にプッシュすることによって現実世界を増幅する。デベロッパのKoozytが会場で行ったデモでは、人の動きを建物の中(GPSが使えない)でも追跡する。あるいは博物館などでは、来館者の移動に伴って今彼/彼女が見ている物の解説をケータイに表示するといった使い方もある(デモのムービー)。この技術は、Wi-Fi使ってGPSがなくても位置を推定するサービスPlaceEngine(日本語ページ)を利用している。
Zeke CMS Social Game Kit, 開発企業: Ubiquitous Entertainment(株式会社ユビキタスエンターテインメント)
Ubiquitous EntertainmentのCEO Ryo Shimizu(清水 亮)がデモしたZeke CMS Social Game Kitは、Facebook、日本最大のSNSであるMixiなど、ソーシャルネットワーク内で展開するゲームを開発するためのプラットホームだ(日本語版のみ)。このシステムを使って作られた.”Tokyo Treasure”は、iPhoneのカメラを使って現実世界と拡張現実(AR)を結びつける借り物競走ゲームだ(ユーザがタッチされたらゲームオーバーになる)。〔訳注: ユビキタス社のiPhoneゲームについては: この記事参照。〕
Droidget AR, 開発企業GClue(株式会社GClue(ジークルー))
Droidget ARは、Androidの上で拡張現実サービスを提供するための、世界初のウィジェットフレームワークだと説明された。ウィジェットの起動方式は、通常の手動、QRコード、位置対応と3種類あり、位置対応型では誰かがそのウィジェットを置いた場所に来たら、ユーザがWebアクセスなどをしなくてもすぐに同じウィジェットが使える状態になる。たとえば: レストランの中でAndroid機のカメラをドアに向けてARタグをクリックすると、メニューウィジェットが表示されるなど。ここから、3種類の起動方式のデモビデオへ行ける。
Jitsu Kuukan Toushi Keitai, 開発企業: KDDI au one Labs(KDDI au oneラボ)
日本で二番目に大きい通信企業であるKDDIが、特定機種向けに6月に立ち上げた拡張現実アプリケーションをプレゼンした。そのJitsu Kuukan Toushi Keitai(実空間透視ケータイ)アプリケーション(現実の空間を透視するケータイ)は、ケータイ上の拡張現実アプリとしてはごくふつうに見える。GPSと電話機上のカメラと6軸センサーと画面を使って、ユーザの位置を判定し、タグでその後の行き先などを示す。しかしカメラが壁や人間のほうを向くと、それらを透視してその背後のタグを表示する。
このビデオで、“透視ケータイ”の機能を見ることができる:
Odette Solution , 開発企業: ORSO(株式会社ORSO(オルソ))
Odette Solutionを使ってモバイルのFlashサイトを作れる(日本のケータイのほとんどがFlash Liteをインストールしている)。この、日本語のみのクラウド方式のASPサービスは多様なテンプレートを提供しているので、それをドラッグ&ドロップなどして適当にエディットできる。また、いろんな要素を組み合わせてモバイル用のWebページを作ることもできる。Odette Solutionの立ち上げは来春である。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))











