編集者注記: このゲスト記事を書いたJon Steinbergは、つい先日、PublicEarthに投資しているPolaris Venture Partnersの常勤取締役になったばかりだ。PublicEarthは、位置関連の製品およびコンセプトとしてなかなかおもしろいもので、しかも位置は、今週金曜日(米国時間11/20)に行われる本誌主催のリアルタイムクランチアップ(Realtime CrunchUp)のテーマの一つだ。類似のアイデアとしてはGeoAPIや、やや趣の違うSimpleGeoがある。これまでSteinbergは、Googleの中小企業担当部門で戦略的パートナーの開拓に関わるマネージャだった。

最近は、おもしろいWebサービスがかなり短期間で開発される。それは、デベロッパたちが既存のサービスを構築部材として利用できるからだ。提供されているAPIなどを利用して既存のWebサービスやその部分的な機能を呼び出せるから、デベロッパは既存の素材を組み合わせるだけで新しい高度なサービスを作れる。そしてそういう,
層の上に層を重ねるような開発方式にクラウドソーシング(crowd-sourcing, ユーザの参加貢献)が結びつくと、この層を重ねる工程に燃料が注ぎ込まれる。さらに、あと一つだけ必要な成分が、多数の人が参加するクラウドソーシングに秩序と構造性と意味を持たせるための概念分類だ。
PublicEarthは今日(米国時間11/17)立ち上げられるPolarisのポートフォリオ企業だが、上に述べた1)APIの層的利用、2)クラウドソーシング、そして3)適切な概念分類をベースとする、地図アプリケーションを提供する。PublicEarthは自称「場所のwiki」として、従来のデータベースのほとんどが捨てているきわめて“ロングテールな”(ものすごく末梢的で具体的な)場所情報をもっぱら集める。
地図という分野は、重要であるわりにはまだまだ未開発な部分が大きいと私は感じている。とくに、これからの成長分野であるモバイル、ソーシャル、そしてローカルというプラットホームにおいては、地図関連の必要サービスが十分に満たされていない。この三分野を手がけている人たちは異口同音に、今後のサービスの強化のためにはもっときめ細かいローカルなデータが必要だし、しかも、そんな細かい粒度でデータの最新性を維持するためにはオープンなクラウド(crowd, ‘cloud’ではない!)的手法が不可欠だと言う。

PublicEarthはGoogle Mapsの地図を取り込んで、そこに独自のカテゴリー分類とデータ項目を適用する。たとえば、私が通った高校のあるマンハッタンのCollegiate Schoolを探すと、上の図のような情報が表示される。どのデータも形式を統一すれば、単純な“リビュー”が可能だが、PublicEarthでは、学校のデータには校色(colors)、対象学年(grade levels)、マスコット(mascot)、サイズ(size)(児童生徒数)といった、“独自のカテゴリー分類とデータ項目”がある。
下の図はドッグパーク(犬を遊ばせることのできる公園)を探した例だが、ここにはベンチの有無、犬のウンチを拾うための袋の提供の有無、小型犬専用スペースの有無といったデータ項目がある。このように、PublicEarthが提供する場所のカテゴリーやデータ項目はほとんど無限に多様で、それはまさに“世界のwiki”だといえる。それに、右側のPage Historyという欄には、ユーザたちによる編集履歴が記される。つまり、サイトはオープンで民主的だ。ユーザが自由に編集したりカスタマイズできるのである。

さらに、このように高度にカスタマイズされた場所情報をグループにまとめてWeb上で共有できる。たとえば、私の知人やその家族が通学したり、あるいは教えていた学校(小学校から各種専門学校まで)をまとめてウィジェット化することもできる。PublicEarthは概念分類がとても細かいので、たとえば料理学校というカテゴリーもある。
APIを利用する既存サービスの層的利用という点では、PublicEarthは単にそれの利用者にとどまらず自分自身も詳細なAPIを提供している。このAPIを呼び出して、PublicEarthからコンテンツを取り出したり、逆にプッシュすることもできる。とくに重要なのは、コンテンツをPublicEarthにプッシュできることだろう。PublicEarthという中心的なwikiふうのリポジトリに、いろんな利害関心の持ち主たちが、個々に、あるいはバルクで、ローカルな地図情報を放り込めるのだ。
PublicEarthはすでに、CitySearch、Sam’s Club、SpaFinderなど数十ものプロバイダからのフィードを取り入れており、今後はもっと増やしたいと考えている。いろんな場所の情報や、自然景観、学校、企業などの情報をアップデートしたい人は、PublicEarthのフロントエンドを使っていただきたい。あるいはもっと大量の位置情報をバルクで提供したい人は、PublicEarthのコンテンツパートナーになっていただくか、または単純にAPIを利用してプッシュしていただきたい。
今回のベータの期間中にAPIを使ってみたいかたは、PublicEarthのチームや私にメールをくださるか、またはこの記事のコメントで言っていただければ、便宜をお図りしたい。最後にPublicEarthのチームに、大きな声でおめでとうと言いたい。PublicEarthは重要なサイトだと私は思うし、Mike Hirshland が言ったように、“Web上のユーティリティ群の上に価値の高い発見ためのの層をかぶせることが、このPolarisのポートフォリオ企業のテーマ”なのだ。TwitterにBrizzlyがあるように、Google MapsにはPublicEarthがある。PublicEarth上の私のプロフィールと貢献寄与は、ここにその情報がある。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))
