Google対Baidu: 戦いの舞台は中国ではない, 世界だ
by Sarah Lacy on 2010年1月14日

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本誌を含む多くのサイトが昨日(きのう)、Googleは中国からの撤退によって$600M(6億ドル)の売上を失うことと引き換えに、あの、英語を使った公開の焦土作戦により少なくとも、企業イメージの面では大きな得点を稼いだ、と指摘した。今のGoogleがまるで神様のように見えるらしいシリコンバレーの論客たちは、公開営利企業が倫理的動機だけで行動するはずがないという見方に対して、拒否反応を示している*。

中国でもこのニュースは知れ渡ったらしく、今日(米国時間1/13)は中国人たちがGoogle Chinaの北京本社前で献花献灯をして、公然と哀悼の意を表している(この写真を撮ったのはJunyu Wangだ)。このことは、二つの点で印象的だ。まず、中国政府の検閲姿勢に、かなりのゆるみが見られること。そして第二に、Googleの道義的な抗議の姿勢が中国においてもある程度効果を上げていることだ。

しかし、このほかに、(もっと重要と思われる)第三の視点がある。それは、今回の動きがGoogleの市場地位に与える長期的な影響だ。12月14日にeMarketerが発表した世界の検索シェアのデータを見ると、Baiduは中国でGoogleに大差を付けているだけでなく、戦いは急速にグローバル化している。もう、中国なんかどうでもいい。今Baiduは、世界で第三位の検索サイトであり、もうすぐYahooを抜いて第二位になるだろう。2009年7月の検索件数はYahooの89億に対し、Baiduは80億だった。第四位のMicrosoftは、ぐっと落ちて33億だ。なお、Googleは767億だから、圧倒的な首位だが、これでBaiduはGoogleにとって脅威ではないとは、必ずしも言えないのだ。〔参考ページ。〕

中国はインターネットに関しては世界の田舎であり、彼らがやってることはすべて人真似だ、と思いがちだが、それは間違っている。中国の技術者は能力が高いし、ベンチャー資本も豊富、インターネット人口も世界最大だ。またゲームやソーシャルメディアなどを筆頭に、収益化の方法も優れている。

Googleの撤退により中国の検索がほとんど一社独占になるか、または合衆国のGoogleのライバル企業のチャンスになる、という説がある。しかしそういう説を唱える人たちは、今の中国の起業家たちの猛烈な勢いを知らない。中国にないものは、中国人が自分で作ってうめる。Googleの撤退は、だから、合衆国企業というよりむしろ彼らにとってのチャンスであり、すでにVCたちと抜け目ない起業家たちとの話し合いが各所で始まっているだろう。

検索の成長と広義のインターネットは、グローバルに進展するが、それでもGoogleの最大の敵はほかならぬ中国から次々と出てくるだろう。Googleが世界の民主主義勢力と反中国勢力に向けて今週送った強力なメッセージは、こう述べている: Baiduは中国政府の言いなりだが、うちは違うと。

昨日(米国時間1/12)指摘したように、今後の企業買収では、中国の力によるグローバル化という色彩がさらに濃くなる。今中国では、多くのインターネット企業が豊富なキャッシュと価値の高い公開株を抱えている。そういう企業が、Googleの向こうを張ってシリコンバレーと全世界の両方で積極的な企業買収を開始することもありえる。Googleは、これまでの突進的な一連の買収行為によって合衆国の対抗勢力を蹴散らしてしまった(YahooとAOLはGoogleに競り負けて重傷を負ったし、Facebookにはまだ公開株がない)。しかし、資本力と技術力で次の時代に合衆国と世界の両方を買収合戦で席巻するのは、中国のインターネット企業かもしれない。

それが今回のGoogleの撤退の理由だと言うつもりはないし、またGoogleの経営陣が中国の未来に脅威を感じているかどうかも分からない。しかし中国のインターネット企業が合衆国の優秀なインターネット企業を買いに出てきたときには、今週起きたできごとが合衆国政府にとって、それを阻止する大きな理由になりえるだろう。かつてアラブの企業が合衆国の港湾管理企業や金融企業を買おうとしたときも、そうだった。インターネットをめぐるグローバルな戦いは、次の10年でいよいよ過熱していく。そんなとき、検索巨人の今回の行動は、そういう意味で〔==政府に介入の口実を与える〕、実に巧妙で有利な副作用を、同社自身にもたらすだろう。

〔*: Paul Carrのこの記事(未訳)から、おもしろい部分を引用しておこう:

Googleの今回の行動は、とくに称賛するに値しない。4年間妻を虐待し続けていた夫が、最近虐待をやめる決心をしたことが、称賛に値しないのと一緒だ。称賛に値するのは、最初からまったく妻を虐待しなかった夫だ。TwitterやFacebookは、中国政府の意向に従うことを拒否したために、昨年の7月に閉め出しを食らったではないか。

[原文へ]
[米TechCrunch最新記事サムネイル集]

(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

  • jeejeebutt
  • http://rawwell.seesaa.net/article/138244893.html プロシューマ・ニュース

    天安門事件の「戦車の男」、中国で閲覧可能に グーグルの検閲中止受け…

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  • http://toruhisatomi.jp/mcsr/ Toru

    むしろ最近シェアが上がっていたという情報もありますね。
    http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Research/20100114/343216/

  • iwatani

    そうですね。2009もQ1とQ2を比較して見ると…。