Jason Calacanis、comScoreに宣戦布告―私はcomScoreに理があるとおもう
by Michael Arrington on 2010年1月25日

Jason Calacanisとは長年TechCrunch50カンファレンスを共同主催してきた仲だが、昨日(米国時間1/23)、ウェブトラフィック分析を提供するcomScoreに対してとびきり強烈は攻撃を加えた。Jasonによれば、comScoreは長年にわたってトラフィックを大幅に少な目に見積もってきたが、今回、トラフィックをピクセル・トラッキング法でより正確に計測する(その結果、トラフィックの数値は一般に増加する)サービスを年間$10,000の料金でサイト運営者に提供することにした。これはゆすり行為を制度化するものだ、というのだ。

Jasonの記事の全文はCalacanis.comに掲載されている。記事は一切手加減なしに(「イジメっ子にイジメられないようにするには即座に相手の鼻の頭に思い切りパンチをお見舞いすることだった」とブルックリンの下町で育った子供時代の思い出を書いている)、「サイト運営者はこんなサービスに金を払うべきではない。投資家はcomScoreの株を先物で売れ」と主張している。

comScoreに投資しているベンチャーキャピタリストのFred WilsonはPosterousに再掲された記事に反論のコメント寄せて、その中でどういうわけか私を巻き込んで非難している(Wilsonが投資しているZyngaのインチキを暴いたのを根にもっているらしい)。

〔略〕

そしてJasonの記事を読んだKarlという読者がWilsonを批判したのに答えて―

おい、Karl、われわれがコーヒーかビールでも飲みながら30分でも話しをしたらきみの意見は変わると思う。きみはJasonやその仲間のMikeArringtonの意見を信じているのだろうが、嘘っぱちだ。連中は私や私の投資先に泥をなすりつけるのが好きだ。私は奴らとオンラインで泥仕合を始めるつもりはない。しかしきみが間違った情報を信じているのは残念だ。きみがどこに住んでいるのか分からないが、もし近所にいるのだったら、30分だけ説明の時間をくれたまえ。きみの意見は必ず変わるはずだ。

comScoreの最高マーケティング責任者のLinda AbrahamもPosterousに反論をアップした。

Jason、
事実をちゃんと見てもらいたい。

1) まず第1に、私たちは人間としてのユニーク訪問者を数えているのであり、単にユニーク・クッキーの発行数を数えているのではない。多くのトラフィック分析サービスは単にユニーク・クッキーを数えているに過ぎないのに、ユニーク訪問者を数えているという誤った主張をしている。サーバー側トラフィック計測システムで、クッキーやマシンの数を数えるのではなく現実の人間の数を計測できるシステムが一つでもあるなら教えてもらいたい。サーバー側計測がいかに馬鹿げた結果を生むか、例えば、AOLは月間2億5900万のユニーク・クッキーを発行しているが、これは対象となるインターネット・ユーザーに対して125%のリーチに相当する。しかし実際のリーチは54%に過ぎない。この水増しはユーザー側でのクッキーの削除、同じユーザーが複数のマシンやブラウザを使用することなどによって起きる。大手サイトの場合は、サーバー側統計が(AOLの場合で明らかなように)信頼できないものであるのを知っているので、comScoreのデータに対して異議を唱えないのであり、「comScoreが数字をいじっている」からではない。小規模サイトの場合には、リーチが100%を超えることなどないので、自分たちのサーバ側統計がいかに水増しされたものであるかを知らず(そのために不満を抱くことがある)。

2)われわれのハイブリッド・トラック方式は、Jasonが主張するような単なるピクセル・トラック方式ではない。われわれのパネル(ユーザー・モニター)調査によって人間とクッキーを識別することができる。クッキーだけに頼るサーバ側データ収集による水増しを補正するためにこの機能が中心的な役割を果たしている。

3) Jasonは私たちの料金体系についても不正確な主張をしている。

〔略〕

4) Jasonは私たちがトラフィックデータのレポートを有料で提供することに腹を立てているらしい。私たちはレポートを有料で販売することに何ら恥ずべき点はないと信じている。私たちが経費をまかなうにはこの方法しかない。Jasonは「マフィアなみの暴利」というが、私たちの事業の税引き前の利益率はわずか9%以下だ。GoogleとQuantcastはなるほど「無料」でデータを提供している。なぜなら両社は広告モデルの事業を行っているからで、こうした無料のデータ提供は広告販売のためのマーケティングの一環だ。comScoreが広告モデルを採用しなかったのは、オンライン広告を販売するクライアント企業と競合しないためであり、また広告の販売とトラフィック統計の収集というサービスは利害が対立するおそれがあるからだ。私たちは中立の立場から正確なトラフィック・データの提供を行うサードパーティーの必要性があるものと信じている。

〔略〕

私はAbrahamの主張が正しいと思う。comScoreはダントツに優れたトラフィック統計サービスだ。Alexa、Compete。Hitwiseにはそれぞれ深刻な問題がある(私はこの点について将来もっと詳しい記事を書きたいと思っている)。Quantcastには、われわれも直接経験があるが、不正に利用されるという問題がある。comScoreはユーザー・モニタ(パネル)と統計分析を併用することで、トラフィックの推計を行っている。今回発表されたサービスは、サイト運営者のサーバから直接計測を行うもので、ほぼ100%正確な統計が期待できる。

Abrahamが上で述べたように、ユーザーから料金を徴収する以外、この事業は成立しないだろう。もしライバルがこうしたサービスをもっと安く(あるいは無料で)提供してくれるのであれば大歓迎だ。私はどこまでも支持するだろう。しかしそういうライバルが出現するまでは、市場はcomScoreのサービスに金を払うのもやむを得ないのではないと考えるだろうと思う。

TechCrunchではcomScoreのデータが入手できる場合はこれを最初に掲出する方針を今後も継続する。こちらはcomsCoreのデータが役に立つ例だ。

そういうわけで、今回は残念ながらJasonには同意できない。Fred WilsonにはJasonとの戦争に私を巻き込まないでもらいたいと思う。

〔日本版注:原文のコメント欄には関係者全員がコメントを書き込み論争が続いている。Jason Calacanisは改めて「1. 数千ドルの金を払えばcomsScoreは正確なトラフィック・データを公表する。 2.金を払わなければ、comScoreは不正確な(通常、より低い)トラフィックを引き続き公表する。私の考えではこれはゆすりに等しい」と論点を強調した。〕

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦/namekawa01

  • Takahashi

    TechCrunch50の方針に関して、JasonとMikeが言い争っていたのが一件落着した(らしい)と思ったら、またまた衝突か。
    Jasonの主張だけを読んでいると「そうかぁ」と思ってしまいますが、これを読むとcomScoreとMikeに分があるように感じますね。

  • http://twitter.com/namekawa01 namekawa

    マイクは「正確な統計をとってくれるなら多少金を払ってもいいじゃないか」という。私がサイト運営者で金があればやっぱりたぶん払う。しかしジェイソンは大金持ちですが、「金を払ったらトラフィックの数字が上がるという商売は許せない」と怒る。それにも一理あるわけで難しいです。

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20100526comscore-is-now-free-for-startups/ comScoreがスタートアップ向け無料サービスを開始

    [...] comScoreは収益も増加傾向、買収も盛んだが、かつてはスタートアップフレンドリでないと疑問視されていた。トラフィック数が比較的少ないスタートアップのための今回の無料化には、ほかのメリットもある。comScoreは、小さなサイトのデータ収集が比較的弱かったのだ。そこで無料化によってそういうデータを取り込むことができ、しかも彼らが将来大きくなったら、有料顧客にできる(かも)というわけだ。 CrunchBase Information comScore Information provided by CrunchBase [...]