Amazon、MacmillanのKindleでの値上げ要求に降伏―消費者の判断は?
by Leena Rao on 2010年2月2日


Amazon対Macmillanの泥試合に進展があった。さきほどの発表によると、AmazonはKindleで自由に値付けをさせろというMacmillanの要求に降伏するようだ。

AmazonはKindleでのeブックの価格の上限を$9.99に設定しているが、Macmillanはこれを不満として、$15で販売させるようAmazonに求めていた。MacmillanのCEO、John Sargentは「Amazonが新たにeブックの価格を$15に設定しないかぎり、Amazonに今後新刊を供給しない」と述べた。これに対抗して金曜日にAmazonはMacmillanの本を紙版、電子版両方ともAmazon市場から締め出した。Macmillanはこれに対してPublishersMarketplace誌に意見広告を掲載してAmazonが不当であると訴えた。

ここにきてAmazonはMacmillanの要求に降伏することを決めたようだ。これはMacmillanが教科書など重要な分野で事実上市場を独占しているからだろう。しかし、Amazonはただ引き下がったわけではない。Macmillanの要求を認めるとする告知の中で、「eブックに$14.99を支払うのを合理的と思うかどうかは最終的に読者が決めることになろう。他の出版社にとっては価格競争をしかけるよいチャンスだ」とMacmillanを牽制した。

AppleのCEO、Steve Jobsは先週「出版社はAmazonのeブックの価格制限に不満をもっている」と述べ、こうした出版社の反乱が起きる可能性を示唆していた。Jobsは、出版社は「Amazonの価格に不満があるため、出版社は多くの本でKindle版を保留している」とも述べている。JobsはAppleの新しいデバイス、iPadにおけるeブックの価格はAmazonと同額にすることを明らかにした。

以下はAmazonの発表::

読者の皆さん

アメリカの6大出版社の一つ、Macmillanは、われわれの考えに真っ向から反対し、電子書籍の販売をエージェンシー・モデルに変更し、ベストセラーのすべてと大部分のハードカバーのeブック価格を$12.99から$14.99にすると通告してきました。

われわれはこれに強く反対し、これを強調するためにMacmillanのすべての書籍の販売を一時的に中止しました。しかし、われわれはここにMacmillanの要求に降伏してし、その条件を受け入れることに決めたことをお知らせします。Macmillanは独占的な書籍を多数発行しているので、たとえeブックとしては不必要に高い価格であってもAmazonの顧客にそれらを届けないわけにはいかないと考えました。ただし、ベストセラーのeブック版を$14.99という価格でも購入するかどうかを決めるのはあくまで読者の皆さんです。われわれは主要な出版社がすべてMacmillanに追随するとは考えていません。同時に、多数のインディー出版社や個人の著作家は魅力的な価格のeブックで市場を拡大するチャンスとして生かすだろうと予想しています。

AmazonにとってKindleは単なるビジネスではありせん。Kindleの普及はわれわれの使命です。したがって〔このような〕多くの困難を乗り越えねばならないことは予想していたところです!

Thank you for being a customer.

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦/namekawa01

  • うし

    あれ、Amazonはすでに「Macmillanの要求に降伏してし、その条件を受け入れることに決めた」んでしたっけ?

    記事の煽りタイトルとしては良いんじゃないかと思うんですが(TCの味みたいなもんですし)、引用文の雰囲気がなんかちょっと違っている気が…

    個人的には出版社が独占権を持っているのは当然ですし、紙の本の価値を知っている出版社としては物理版と電子版での価値のバランスをとろうとするのも当然だと思います。

    新刊の値段が$9.99 が高いかどうかはおいておいて、値段にバリエーションのあった本の世界で創造的コンテンツの価格の上限をAmazonが強制するやり方に強い違和感を感じます。ましてやその価格をKindleのウリにしてきたわけですから。Amazonが身銭を切ってほとんどの新刊のKindle Storeでの上限$9.99を維持しようとしていることも知っていますが、そこにはより早く電子出版での主導権を握りたい、ひいては出版社・読者へのより強い強制力を持ちたい、という意思が透けて見えるような気がします。将来まさに現在行うのと同様な形でユーザに対しても恫喝が行われる可能性が見えた、というのが私の印象です。
    少なくとも、McMillanの物理本をAmazonで買えない現時点では、Amazon以外のオンラインストアがまだ存在する状態で良かった、と思っています。Amazonの通販での独占がこれ以上進んでいた場合、出版社からの利益の吸い上げや無料配送の中止(Premiumの値上げ)などが行われても選択肢が狭められていく状況になりかねません。

    とてもじゃないけれど、ユーザのための処置とは見えません。それならば中古でユーザ間で譲渡出来る仕組みを作り、アフターマーケットでの価格は市場に任せる方がユーザのためでしょう。新刊は高いけれども、新刊のうちなら高く売れるし、待てば安い中古やペーパーバックが買えるわけですし。

  • http://www.ebook2forum.com/2010/02/amazon-versus-macmillan-1/ アマゾン vs.マクミラン (1):E-Bookの価格問題 : EBook2.0 Forum

    [...] 「Amazon、MacmillanのKindleでの値上げ要求に降伏―消費者の判断は?」 by Leena Rao, TechCrunch, 2/2/2010 [...]