
法廷で長期にわたって対立したMicrosoftとEUの反トラスト当局は、最近の合意により、いわゆる“候補者画面”を実装することになった、この画面からヨーロッパのWindowsユーザは、Internet Explorerに代わるブラウザとしてChrome、Safari、Firefox、Operaのどれかを選んでダウンロード〜インストールできるのである(上のスクリーンショットまたはここを見て)。
両者の合意によりMicrosoftがヨーロッパで来週から提供を開始する“候補者画面”には、同社のブラウザの手強い敵たち…競合製品…をユーザがダウンロードできるためのリンクがある。このページにおけるブラウザの並び順は、ユーザが訪れるたびにランダムに決まる。このように、“ページ上の並び順をランダム”にすることにより、EU当局は、IEの代替ブラウザとしての選択が、特定の製品に偏らないようになると考えたのである。
でも、この並び順がランダムな候補者リストは、実際にどれぐらいランダムだろうか?
スロバキアのテクニュースサイトDSL.skのマジメな人たちが、まさにこの疑問に答えるべく、ページの現在の実装とwww.browserchoice.euにあるコードを調べた。そしてその結果、リストの並び順は期待したほどランダムではないことを発見した。といっても、Microsoftが自社製品をえこひいきしているわけではなく、むしろ、GoogleのChromeブラウザがやや有利、という調査結果になった。
どうやってそれを調べたのか、Google Translateでスロバキア語を翻訳してみたり、またDSL.skの記者の一人にSkypeで話を聞いてみた。
www.browserchoice.euのページは静的で、JavaScriptのコードがあるだけだ。DSL.skの連中はこのページを自動的に数万回ロードして、ブラウザの並び順の統計をとった。また、ランダムな並び順を生成しているJavaScriptuのコードも、単独でテストした。
テストはWindows 7の上でInternet Explorer 8を使って行われた。なぜならこの候補者画面は、Windows Updateをインストールしていて、Microsoftのブラウザをデフォルトのブラウザに指定しているユーザの画面に現れるからだ。
だいたい4回に1回以上(25%以上)は、Google Chromeが左端に表示され、Internet Explorerが左端に現れたのは13.8%で、ほかの4つのブラウザよりも低かった。しかも全回数の50%以上は、Internet Explorerがページの右端に表示された。
以下が、結果の統計表だ…カラムのタイトルはスロバキア語だが、ブラウザの並び位置と、相対位置(値が5.0に近いほど右端が多い)を示している。〔ヨーロッパの多くの国では小数点が’.'でなく’,'である。〕

いちばん目立つ結果は、Google Chromeが、左端、その次、さらにその次(まん中)という3つのベスト位置でいずれもトップであることだ。そしてInternet Explorerだけずば抜けて右端が多いこと。ただし、これは人為的な操作等の結果ではなくて、数万回のページロードが十分な回数ではなかった、ということだろう。あるいは、もっとほかの原因があるのかもしれない。ただしDSLによれば、ページロードの回数をどれだけ増やしても、この傾向は変わらなかったそうだ。
また、“左端がいちばん有利”という説も、100%正しいわけではない。人によっては、まん中を選んだり、右端を選ぶ場合があるはずだ。
実際のページロードをせずに、JavaScriptのコードだけをテストしたときには、上のような偏った結果になるためにはコードを2箇所ほど書き換える必要があったそうだ。ということは、実際に非常に多くのユーザがページをロードした結果としては、偏りのないよりランダムな表示結果になるのかもしれない。
それに、ブラウザを変えると結果も変わった。IE6、IE7、IE8の3者では大きな違いはなかったが、Firefoxでは完全に違う結果になった。ブラウザによって分布が異なるということは、やはり、どこかに偏りの原因があると言うべきか。
これは果たして、全体としてはランダムだった、という結果になるのだろうか。それとも、もっと徹底的にテストしても、やはり特定の偏ったパターンになるのだろうか。どっちだろう?
(情報をありがとう、Patrik Hornik)
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))
