ヨーロッパ人のためのランダムなブラウザ選択画面–その‘ランダム性’を検証してみた
by Robin Wauters on 2010年2月23日

法廷で長期にわたって対立したMicrosoftとEUの反トラスト当局は、最近の合意により、いわゆる“候補者画面”を実装することになった、この画面からヨーロッパのWindowsユーザは、Internet Explorerに代わるブラウザとしてChrome、Safari、Firefox、Operaのどれかを選んでダウンロード〜インストールできるのである(上のスクリーンショットまたはここを見て)。

両者の合意によりMicrosoftがヨーロッパで来週から提供を開始する“候補者画面”には、同社のブラウザの手強い敵たち…競合製品…をユーザがダウンロードできるためのリンクがある。このページにおけるブラウザの並び順は、ユーザが訪れるたびにランダムに決まる。このように、“ページ上の並び順をランダム”にすることにより、EU当局は、IEの代替ブラウザとしての選択が、特定の製品に偏らないようになると考えたのである。

でも、この並び順がランダムな候補者リストは、実際にどれぐらいランダムだろうか?

スロバキアのテクニュースサイトDSL.skのマジメな人たちが、まさにこの疑問に答えるべく、ページの現在の実装とwww.browserchoice.euにあるコードを調べた。そしてその結果、リストの並び順は期待したほどランダムではないことを発見した。といっても、Microsoftが自社製品をえこひいきしているわけではなく、むしろ、GoogleのChromeブラウザがやや有利、という調査結果になった。

どうやってそれを調べたのか、Google Translateでスロバキア語を翻訳してみたり、またDSL.skの記者の一人にSkypeで話を聞いてみた。

www.browserchoice.euのページは静的で、JavaScriptのコードがあるだけだ。DSL.skの連中はこのページを自動的に数万回ロードして、ブラウザの並び順の統計をとった。また、ランダムな並び順を生成しているJavaScriptuのコードも、単独でテストした。

テストはWindows 7の上でInternet Explorer 8を使って行われた。なぜならこの候補者画面は、Windows Updateをインストールしていて、Microsoftのブラウザをデフォルトのブラウザに指定しているユーザの画面に現れるからだ。

だいたい4回に1回以上(25%以上)は、Google Chromeが左端に表示され、Internet Explorerが左端に現れたのは13.8%で、ほかの4つのブラウザよりも低かった。しかも全回数の50%以上は、Internet Explorerがページの右端に表示された。

以下が、結果の統計表だ…カラムのタイトルはスロバキア語だが、ブラウザの並び位置と、相対位置(値が5.0に近いほど右端が多い)を示している。〔ヨーロッパの多くの国では小数点が’.'でなく’,'である。〕

いちばん目立つ結果は、Google Chromeが、左端、その次、さらにその次(まん中)という3つのベスト位置でいずれもトップであることだ。そしてInternet Explorerだけずば抜けて右端が多いこと。ただし、これは人為的な操作等の結果ではなくて、数万回のページロードが十分な回数ではなかった、ということだろう。あるいは、もっとほかの原因があるのかもしれない。ただしDSLによれば、ページロードの回数をどれだけ増やしても、この傾向は変わらなかったそうだ。

また、“左端がいちばん有利”という説も、100%正しいわけではない。人によっては、まん中を選んだり、右端を選ぶ場合があるはずだ。

実際のページロードをせずに、JavaScriptのコードだけをテストしたときには、上のような偏った結果になるためにはコードを2箇所ほど書き換える必要があったそうだ。ということは、実際に非常に多くのユーザがページをロードした結果としては、偏りのないよりランダムな表示結果になるのかもしれない。

それに、ブラウザを変えると結果も変わった。IE6、IE7、IE8の3者では大きな違いはなかったが、Firefoxでは完全に違う結果になった。ブラウザによって分布が異なるということは、やはり、どこかに偏りの原因があると言うべきか。

これは果たして、全体としてはランダムだった、という結果になるのだろうか。それとも、もっと徹底的にテストしても、やはり特定の偏ったパターンになるのだろうか。どっちだろう?

(情報をありがとう、Patrik Hornik)

[原文へ]
[米TechCrunch最新記事サムネイル集]

(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

  • http://midoriuka.blog33.fc2.com/blog-entry-5515.html みどりうかブログ

    Windowsのブラウザの選択画面はChromeが有利?…

    ヨーロッパ人のためのランダムなブラウザ選択画面–その‘ランダム性’を検証してみた マイクロソフトは他のブラウザも紹介しろヤ(@皿%…

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20100223eu-antitrust-google-microsoft/ ヨーロッパにおけるGoogle独禁法訴訟はMicrosoftの指紋まみれ

    [...] そもそもMicrosoft自身がすでに10年以上反トラスト嫌疑でヨーロッパで調べられている(もちろんその前には合衆国でも)ことは、有名な話だから、これはなかなかおもしろい。まさしく最近のブラウザ候補選び画面の話も、MicrosoftにフェアプレイをさせようとするEUのこのところの努力の一環なのだ。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20100302opera-10-50-lands-on-windows-mac-and-linux-version-coming-soon/ Windows版Opera 10.50がリリース。Mac版およびLinux版は「Coming Soon」

    [...] Operaは無料で、ちょうどマイクロソフトが欧州のWindowsユーザに対してブラウザ選択画面を表示することに同意した時期に登場した。この選択画面ではどのブラウザを利用するかを選ぶ画面(ランダムに表示されるという話だが、先日の記事にも掲載したようにnot in reality完全にランダムではないようだ)が表示される。 [...]