筆者: Markus Goebel(TechCrunch Europe)

今や誰もかれもが、その人の飼い犬さえも、予約したiPadが届くのを待ちこがれているというのに、ドイツ人の中にはあくまでもわが道を行く連中がいて、昨日(米国時間3/18)、うーむ、iPadよりも良さそうなスレートを発表した*。〔*: スレート=slate=石版(紙のノート以前の標準文具)、このタイプのコンピュータを、タブレットともスレートとも呼ぶようだ。〕
NeofonieのwePadは*、本誌Crunchgearの編集長が夢にまで見た美人に形も機能も似ているが、しかしこのドイツ製のAndroid機はマルチタッチの画面がやや大きいし、CPUもiPadより速い。それに、Flashは動くし、USBポートはあるし、カードリーダー内蔵、メモリは増設可能だ。しかも完全なマルチタスクができるし、カメラもある。無敵だね。〔*: 公式商標は’WePad’〕

NeofonieのCEO Helmut Hoffer von Ankershoffenによれば、wePadはiPadよりも早い時期に、iPadより相当安いお値段で発売される。wePadのFacebookサイトで彼は、予約受付と発送は来月から、エイプリルフールのジョークじゃないよ、と言い張っている。ぼくはむしろ、早すぎるエイプリルフールジョークだと初めは思った。スペックが豪華すぎるし、それにOSの仕様がヘンだ: Linuxの派生系とその上のAndroidなんて、Linuxの中にLinuxがあるということ?* アプリケーションはAndroid Marketからインストールできるものと、Neofonie独自のAdobe AIRソフトを動かせる。〔*: AndroidのベースOSがLinuxである、という(ふつうの)意味でしょう。〕
| wePad | iPad | |
| ディスプレイ | 11.6インチ(1366 x 768ピクセル) | 9.7インチ(1024 x 768ピクセル) |
| プロセッサ | 1.66 GHz Intel Atom N450 Pineview-M | 1.0 GHz Apple A4 |
| メモリ | 16Gb NANDフラッシュ(オプションで内蔵32Gb + 32Gb SDカード) | 16 / 32 / 64Gb |
| Webcam | 1.3メガピクセル | なし |
| ポート | USBポート2, カードリーダー, オーディオ出力, SIMカードスロット, マルチピンコネクタ | カメラやカードリーダー用のApple独自コネクタ |
| Flash / Adobe AIR | Yes / Yes | No / No |
| アプリケーションストア | wePad AppStore + Google Android Marketplace | iTunes App Store |
| マルチタスク | Yes | Appleのアプリケーションのみ |
| 電池寿命 | 6時間 | 10時間 |
| eBookの形式 | すべてのオープンスタンダード | Apple iBooksの独自規格 |
| ワイヤレス接続 | Bluetooth 2.1, WiFi N, オプションで3G | Bluetooth 2.1 + EDR, WiFi N, オプションで3G |
| ケース | マグネシウム-アルミニウム | アルミニウム |
| サイズ | 288 x 190 x 13 mm | 242.8 x 189.7 x 13.4 mm |
| 重さ | 800グラム(3G機は850グラム) | 680グラム |
この会社はベルリンにあり、無名だが新興企業ではない。今年で12歳のNeofonie GmbHはソフトウェア企業で、WeFindという検索エンジンを提供しているほか、電子出版のためのプラットホームWeMagazineを売っている。それは、新聞や雑誌をコンピュータやスマートフォンの上で読みやすくするソフトで、今回タブレット機を発売するねらいも、そこにある。
WePadは、新聞や雑誌の中心的な読者層である年配層、すなわちPCをあまり使い慣れていない人たちに、彼らの子どもたちや孫たちが楽しんでいるデジタルの世界への、簡単でまごつかないアクセスを与える。
出版社にとっては、WePadで得られた読者が直接的で長期的な購読者となり、有料コンテンツの基盤として、また顧客情報および顧客との新しいコミュニケーション形式の源泉として、経営に貢献する。Apple iTunesやAmazon Kindleのようなプラットホームが出版社を単なるコンテンツ供給者として遇するのに対し、WePadでは出版社がオーディエンスに関する生きた知識を得ることができる。
つまりwePadはAppleのiPadだけでなくAmazon Kindleとも戦うつもりだ。同社の最近のファクトシートはそう述べている。相当な、ドンキホーテだ。出版社がこの製品を自社ブランドで売って、“印刷媒体の読者をデジタルの世界に確実に移行させ、同時に印刷物のブランドをオンラインのブランドに変換する。それにより出版社は、Google、Amazon、Appleなど既存のインターネット企業との接触を最小化できる”というわけだ。
この記事の最初のコメントでも言われているように、wePadとドイツ最大の出版社Springerとの関係がありそうだ。写真で見るwePadの画面に、Springerが発行しているHamburger Abendblattが映っていることが多いのは、そのためだろう。
Springerはヨーロッパでもっとも強硬な有料コンテンツの支持者だ。昨年11月以降同社は、iPhoneやAndroid機のブラウザでは同社の新聞のサイトが見れないようにした。ヨーロッパ最大の日刊紙BILDや、SpringerのB.Z.を読みたい人は、専用ソフトを買わなければならない。つまりこれはたぶん、ドイツの新聞用タブレットの誕生だ。実動プロトタイプが2週間前に、世界最大のコンピュータ展示会CeBITで紹介されていた。
〔訳注: 日本でもキャリア〜プロバイダ有料契約付きのケータイやネットブックが超安いような、そういう意味での、有料コンテンツ契約付き安値、の製品になるのでしょう。たぶん。〕
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))
