多くの企業がTwitterやFacebookのアカウントを取得する巧技を会得した今、次のステップはソーシャルメディアのツールを活用し、自社のブランドにそして利益にインパクトを与えることだ。さまざまな程度に成功を収めたところもあるが、大多数は悲惨な結果に終っている。
そんな欠乏状態によって光を当てられたのが、5月12日にサンフランシスコのインターコンチネンタルホテルで行われたSmash Summitだった。そこではTwitter、Facebook、Salesforce、Googleらの担当者から、ビジネスにおけるソーシャルメディア戦術が伝授された(TechCrunchはメディアパートナーである)。基調講演の壇上に立ったAltimeter GroupパートナーのJeremiah Owyangが、ソーシャルビジネスにおける4法則を提示した。ハンマーを溺愛するな(特定のツールに固執せず、幅広いマーケティング計画を考えろ)、80%ルール(会社をソーシャルメディア対応にせよ、それが「80%の成功」だ)、顧客にとってあなたの所属部門など関係ない、リアルタイムでも速さは十分ではない。OwyangのプレゼンテーションおよびSmash Summitの全プレゼンテーションはここで見ることができる。
ソーシャルメディアへの取り組みとして完璧にはほど遠いながらも、Virgin America、Comcast、Ciscoの各社はOwyangのルールを部分的に守っている。彼らはブログやTwitter、Facebookに関して(相対的に)早くから動いていた会社でもある。例えば、Comcastの国内顧客運用シニアディレクター、Frank EliasonがTwitterを使い始めたのは2008年の初めで、顧客の不満を見つけだし不機嫌なユーザーたちと対話した。本誌はEliasonと、Virgin AmericaのBowen Payson(オンラインおよびデジタルマーケティング担当マネージャー)、CiscoのLaSandra Brill(グローバルソーシャルメディア担当シニアマネージャー)の3人に、彼らの「ブランドと企業の物語:誰がチャンネルを変えるのか」に関するパネルの後にインタビューを行った。もちろんそれぞれ大きく異なる分野を代表しているのだが、いくつかの共通項がみられた(上のビデオ参照)。
1.拡大
これらの企業ではソーシャルメディア専任従業員の数を増やしている。CiscoのBrillは現在7名からなるチームの責任者だが、2011年には20~30名になると予測している。ComcastのEliasonは、現在10名いるスタッフを今年中にあと2名増員すると言っていた。もちろんこうした要員の増加は、会社のオンライン戦略の成長を反映している ― Ciscoはすでに25のブログと、100以上のTwitterアカウントを持つ(過ぎたるは及ばざるが如し、ということも時にはある)。
2. アイデンティティー
企業の中では、ソーシャルメディアが縦割りを破壊している。ソーシャルメディア向けの専門チームを作っている企業の多くが、他の従業員に対してもソーシャルCRMツールを使って能動的な渉外担当者になることを推奨している。ここ数年間、本誌では企業がいかに自社コンテンツを前面に出して市場と対話するべきかに焦点を当ててきた。ソーシャルメディアの一見明らかでない力は、それがビジネス構造を崩壊させることである。企業を完全に再編成し、組識を平板化し、職場を民主的にするだけの潜在能力があるとEliasonは言う、「われわれは企業のきわめた大きな変化を経験するだろう。従業員が外部に向かって話すにせよ、内部に向かって話すにせよ、従来より少々大きな力を持つための新しい方法になりつつある」。だから企業は全く新しい作戦を立て、文化を変革される必要に迫られるだろう・・・企業は小さな場所になっていく。Eliasonの上司であるComcastのCEO Brian RobertsもTwitterの力を認めて、2009年の終りに[twitterが]「わが社の文化を変えた」と言っている。
ソーシャルメディアの拡大は、企業の心臓部ともいえるブランド・アイデンティティー見直す力も持っている。。Brillによると、Ciscoのソーシャルメディア戦略によって、同社のイメージはソフトになり、フォーマルさが減り人間性が増したという(同社の「ヒューマンネットワーク」キャンペーンと見事に合致している)。「私たちは基本的に、物ごとのやり方、コミュニケーションの取り方を学び直す必要がある。今やそれは磨きぬかれた宣伝パンフレットでも、洗練されたウェブサイトでもない ― 対話が始まっているのだ」とBrillは言う。もちろん、このパワーにはリスクが伴う ― 対話やブランド大使の増加により、企業のメッセージに対する制御は減少する。Ciscoの解決策は、リスク受け止めた上で、全従業員向けに教育と「ソーシャルメディア認定プログラム」を提供することによって最少限のリスクにしようというものだ。
3.自社のビジネス目標に集中せよ
これはOwyangの第1の(奇妙に表現された)法則「ハンマーを溺愛するな」に関係する。幹部たちは、企業が特定のプラットホームやいい加減な指標に捉れてはならないことを警告されている。何をするにも、まず自社ビジネスの基本方針と広範な戦略に合わせる必要がある。例えば、投資のリターンに関して「この分野での真のROIへのアプローチは、広報、マーケティング、人事、IT等全グループが一体となり、それぞれにとって何が重要であるかを徹底的に話すことだ。つまり、そこに耳を傾け、その結果行動したり修正したりできた時、われわれは膨大な利益を得ることになる。30分間のイベントで、私のチーム1年分を優に上回る効果を上げられる」とEliasonは語る。一方、Virgin AmericaのPaysonは、柔軟なモデルが目標達成と反応の良さに役立つと言い、3ヵ月のサイクルによって柔軟性と組織とのバランスを取っている。ではチーム開発と戦略を3ヵ月の時間軸で計画するが、口コミの様子やユーザーからのフィードバックに応じて定期的に修正する。
4.Facebook、それは複雑である
最後にFacebookについて質問せずに彼らを帰すわけにはいかない。結論(大した驚きではない):それは複雑である。各社ともこのプラットホームに感謝の意を表していたが、同時に深刻な懸念がいくつかあることも明言した。BrillはFacebookが最近スタートしたコミュニティーページに立腹していた。Facebookコミュニティーによって規制された疑似Wikiページである。彼女によると、Ciscoに関するページは同社の公式プロフィールとしょっちゅう間違われるという。「私は、彼らがブランドに相談もなくこういうことをすること自体に驚いている・・・当社の公式ファンページとよく似ていて、ユーザーにとって何が公式で何がFacebookが作ったものかを区別するのは困難だと思う」。VirginのPaysonは、彼が言うところの透明性の欠如についてさらに不満を募らせており、Facebookに対して、Twitterの例にならって分析ツールやデータを企業にもっと公開するよう求めた。
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(翻訳:Nob Takahashi)
