
iPadが向こう何年間もタブレット・コンピュータのキングとして市場に君臨することになりそうだが、ライバルも多数存在している。われわれは過去数カ月の間に2回(1回目、2回目)にわたってトップ14機種を紹介した。その後、一部は実際に市場に売り出されたが、多くは開発が遅延したり、プロジェクトそのものが完全に放棄されたりしてしまった。
残念なことだ。iPadが閉鎖的なiOSにもかかわらず一般消費者に大量に売れている一方で、より優れたユーザー体験を提供するはずだった多くのプロジェクトが停滞したままだ。以下にその現状をまとめてみた。
紹介の順序は過去記事と同じ。それぞれの現状をアップデートしてある。
ModBook
市場で入手可能。価格は$1849。OS Xのタブレット版。Axiotronは前の世代のMacbookをベースに改造を加えてこのタブレットを作っている。WacomPenabledデジタイザーが組み込まれている。唯一にしてほぼ完璧なMacタブレットだ。USBポート装備で2007年から市場に出ている。
Viliv X70
Viliv X70は1年以上前から市場に出ている。優秀なWindows XPベースのタブレット。7インチ・ディスプレイ、Atom CPU、GPS、3Gモデム、32GB SSDを装備。しかしOSがタッチインタフェースと相性の悪いWindows XPであるのが問題だ。もっともタッチインタフェースの完成度ではWindows 7もさほどの出来ではないが。私は毎日この製品を使っている。実はスタンドを使ってテーブルに立てて置き、ワイヤレス・マウスを使って操作しているのだが。Vilivがマルチタッチ機能とハードウェアを強化したアップデートを早く行ってくれるといいのだが。個人的には大いに気に入っているタブレットだ。
Archos 9 PC tablet
Archos 9は紙上のスペックでは大したものに思える。しかし各種のレビューによるととんでもない製品のようだ。ハードウェアはWindows 7を走らせるには非力すぎ、ユーザー体験は最悪という。CNET、Wiredの評価参照。.
Viliv S10 Blade

これはネットブックとしてもタブレットとしても使えるコンバーチブル・モデルで、数カ月前に市場に登場した。 10インチ・マルチタッチ画面、3Gモデム、Windows7装備。残念ながら私がテストしたところでは製造は雑でパフォーマンスは水準以下だった。パスだ。
Notion Ink Adam

Adamはなかなか魅力的な製品だ。Pixel Qi装備、デザインはiPadそっくり。しかしNotion Inkは6月の出荷を予告していたが遅延している。11月のデッドラインにも間に合わないのではないかという記事も出ている。Notion Ink自身はこの報道を否定している。いずれにせよ、Adamが市場に出ていないことだけは確かだ。残念。
HP Slate
ちなみに、Slateは当初、最初の本格的Windowsタブレットたるべく開発されていた。その後HPはプロジェクトを中止し、フル機能のデスクトップOSを搭載した非力なタブレットがどんな製品になるのか好奇心をわかせていた関係者をがっかりさせた。HPはその後、Palmを買収したので、Slateの開発はWebOSをベースにすることになったものと思われる。WebOSは最良のタブレットOSの一つだが、Palmの非力なハードウェアが性能の発揮を妨げていた。HP Slateの現状は不明だが、最終的に市場に投入された際にはiPadに次いで人気のあるタブレットになる可能性が十分にある。
Dell Streak
私が最初にiPadのライバルのリストを作った時点ではDellのStreakがどういう製品になるかはっきりしていなかった。その後、Streakには少なくとも3種類の異なったサイズが用意されるという情報がリークされた。ただし現在市場に出ているのは5インチモデルのみで、しかもイギリスでしか売っていない。アメリカで発売されるのはこの夏の後半になるもよう。EVO 4Gでもポケットに入れるには大きすぎるという意見があるが、こちらはさらにその上をいくサイズだ。.
Spring Design Alex eブックリーダー

一見したところAlexには大きな可能性が秘められていそうに思える。デザインはNookに似ており、上部に大型のeインクのスクリーン、下部に3.5インチの液晶スクリーンを備えている。OSがAndroidであるのも期待を盛り上げた。しかし実際に使ってみると、Androidはこの種のデバイスのOSとしては十分な能力がないことが判明する。すくなくともAlexの場合はそうだ。作動が遅く反応が鈍い。サイズは大きすぎる。しかも価格は$399とKindleやNookにくらべて$200も高いのだからどうしようもない。
enTourage eDGe デュアルブック

これも時代を先取りしすぎたデザインの一つ。非力なハードウェアとAndroidの組み合わせは最悪。MicrosoftもCourierで試みた蝶番で二つ折りなるデザインは優れてものだが、製品としては落第。
WeTab(以前のWePad)

メーカーはWeTabを今月中にリリースすると発表している。すでに13日になったがまだリリースされる兆候がない。報道によれば、ヨーロッパで小手調べのリリースをしてから、市場の反応を見た上でアメリカでの発売に臨む戦略だという。WeTabはiPadのライバルとして有力視される製品ではある。
Lenovo Skylight Smartbook

数カ月前にプロジェクトは中止されたが、当然だろう。基本的には非力なタブレットにキーボードを装備したノートパソコン。つまりネットブックの変り種といえばよいだろうか。CESのブースでこそ物珍しさで人目を引いたが、現実の市場では受け入れられそうになかった。
Lenovo IdeaPad U1 Hybrid

前回のCESで人気を集めた製品ひとつ。これもノートパソコンとタブレットの合体型デザイン。Lenovoはプロジェクトを中止したといったんは報道されたのだが、Androidデバイスとして再浮上するというニュースも入ってきた。やれやれ。
ExoPC
われわれが最後に聞いたニュースではExoPCはアメリカ、カナダ市場に9月7日に投入されるとのこと。フル機能のWindowsタブレットとなるはず。Windowsを指で操作するというのは物珍しい体験ではあるだろう。それに加えてExoPC’には独自開発の派手なデザインのユーザーインタフェースが組み込まれている。
2010はタブレット・デバイス登場の年として記憶されることになりそうだが、ここまでのところ主役はずっとiPadだった。これは良いことだ。iPadは少なくとも「タブレットの機能はこれ以上でなければならない」という標準を確立したといえる。ハードウェアの能力には不満が残るものの、iPadのユーザー体験は文句なしに素晴らしい。サブのコンピュータとして、ユーザー体験の質はもっとも重要な要素だ。iPod同様、iPadも長い間にわたってタブレットのトップ・ベストセラーとなっていきそうだが、だからといってライバルの参入の余地がないなどということはない。NotionInk Adam、WeTab、ExoPCといった製品が一日も早く市場にリリースされることを願う。こうした製品が今年の後半から来年にかけて出揃えば、いよいよタブレット戦争が本格的に始まることになる。
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(翻訳:滑川海彦/namekawa01)






