先日私は、マレーシアのクアラルンプールで行われたOpenWebAsia – South East Asiaに参加した。テクノロジーとウェブ業界の2日間のイベントで、世界各国から350人以上が集まった。そこでは未だに見落とされることの多い一つの市場に焦点が当てられた。東南アジアには6億人以上の人々が住み、ウェブおよびモバイル人口は急速に増加している。
本稿では、OpenWebAsiaで私が目撃したいくつかのプレゼンテーションやパネルディスカッション、スタートアップによるデモなどの概要を簡単にお知らせする(アジアが対象のもののみ)。詳しい資料が手に入り次第、更新する予定だ(両日のアジェンダは、それぞれこことここにある)。
アジアにおけるデジタルの成長 ― 概観(パネルディスカッション)
最初のパネルディスカッションの参加者は、Mohan Belani (モバイルゲーム会社、Mobretの共同ファウンダーで、スタートアップコミュニティー、e27の元ディレクター)、Michael F. Smith Jr.(Yahoo!のグローバルイニシャティブ担当ディレクター)、Google社員でOpenWebAsiaの共同ファウンダー、Chang Kim、および私。
モデレーターのPreetam Raiの進行によって、パネリストたちは60分の間に多くの話題を取り上げた。トピックの例を以下に示す。
- 日本ではモバイルウェブが深く浸透している(メール、ソーシャルネットワーク、モバイルゲーム等)
- 日本のモバイルウェブは未だに伸び続けている。
- 韓国はウェブサービスを海外から取り入れ始めている
- 韓国人はグループによるコミュニケーションが大好き
- 韓国ではスマートフォンが支配的だが、インドネシアでは未だに多機能携帯電話(SIMカードスロットが2つある)が多数派
- 東南アジアのグローバルなウェブ市場での位置
- この地域では携帯電話の利用が爆発的に増えている
- 東南アジアのスタートアップの殆どが、自国の市場に閉じ込もっている
- それらのスタートアップは「グローバル進出」によってチャンスを大きく拡大できる(英語化、UI/UXの同化、収益化への注力等)
ディスカッションのビデオはここをクリック(提供:Satoo.tv(埋め込みがうまくいかなくてごめん))
中国で何が起きているか(プレゼンテーション)
上海拠点の起業家兼ブロガー、Dr. Gang Luが、現在世界で「最もホットな」市場、中国(ウェブユーザー4億2000万人、モバイルユーザー7億8600万人)で、今何が起きているかについて、考察した。
Luのプレゼンテーションは、中国のウェブおよびモバイル市場の現トレンドにおける、種々の特異な点に触れた。以下に貼り付けてある。
今週のアジア(パネルディスカッション)
Podcastの「This Week In Asia」(iTunesリンク)シリーズの第58話として、Open Web Asiaのステージをライブ収録した。パネリストは、再びMichael F. Smith Jr.、Dr. Bernhard Leong(モバイルスタートアップChlkboardの共同ファウンダーで、This Week In Asiaのプロデューサー)、Brian Wong (元Diggの事業開発マネージャーでモバイル広告スタートアップ、Kiipの共同ファウンダー)、Daniel Cerventus(ウェブプロデューサーで本イベントのオーガナイザー)および再び私(モデレーターはKay Chew Lin)。
主な話題は以下の通り。
- インド拠点のモバイル広告ネットワーク、Inmobiの世界進出
- 日本でのモバイルウェブの利用
- Open Web Asiaはこの地域のウェブ業界イベントとしてきわめて早い
- 東南アジアの起業家は、未だに売り込みやプレゼンのスキルが低い
ディスカッションのビデオはSatoo.tvのサイトで見て欲しい(This Week In AsiaのホームページからPodcast形式でダウンロードすることもできる)。
東南アジアテク業界での現在の課題
東南アジアのウェブおよびモバイル業界はまだ始まったばかりだが、すでに市場規模は巨大であり、今後まだ大きく成長する余地がある。しかし、そこには乗り越えなければならない大きなハードルがいくつもある。東南アジア全体を一地域として考えると、特にそうである。
私見による、東南アジアのウェブおよびモバイル市場(そして両者統合への道)におけるハードルは以下の通り。
- テクノロジーのエコシステムが未だに比較的整備されておらず「ニワトリと卵」状態:(国によって内容は異なる。大量の模倣、スタートアップの数が比較的少ない、VC会社やエンジェル投資家が殆どいない、技術者の給与が低い、優れた人材がスタートアップで働きたがらない、起業家精神の持ち主が少ない、等)。
- 歴史的、文化的、経済的に多様化した市場
- 北米、ヨーロッパに比べてオンライン支出がはるかに少ない
- 出口環境(IPT、買収)が弱い
- 一部東南アジア諸国での政治的、法的問題(IP保護、スタートアップに対する官僚的規制、政治不安全般)
- 大量の「頭脳流出」
- インターネット普及率が未だに低い国々(インドネシアのインターネット普及率は12.5%、ベトナムが25.7%、フィリピンが24.5%)
- モバイル市場の断片化
- オンライン、モバイル支払い方法が未発達(あるいは皆無)
インターネット普及率をはじめとする上記の問題の多くは、将来自然に解決されるだろう。また、現地のスタートアップの中は、一部の資金を地元のベンチャーキャピタル(存在はしている)から調達するなどして、立ち上がり始めている。
マレーシア拠点のウェブおよびモバイルスタートアップの紹介
マレーシアの主としてクアラルンプールに拠点を置くスタートアップをいくつか紹介する。
- Cravecastオンライン音楽スタートアップ(最初の製品、Cravechartsは音楽ストリーミングのサービス)
- MobileApps.com,は、今年の秋、「グローバル・クロスプラットホーム・モバイルアプリストア」になることを目指している
- Cikgu2Uは、学生がグループでオンライン学習できるEラーニングサイト(マレー拠点)
- Guppersは、モバイルビジネスソリューションを提供する会社で、クアラルンプールおよび米国に事務所を持つ
- Offgamersは、ゲーム用支払いサービスプロバイダーで、世界中に30万以上のユーザーがいる
- Terato Techは、iPhoneおよびAndroid用アプリを開発するモバイルスタートアップ
- LTT Globalは、モバイルラーニングおよびエデュテイメント分野に焦点を合わせている
マレーシアのウェブ状況についてもっと知りたい人は、ブログ、Entrepreneurs.myを見るか、クアラルンプールの実力者、Daniel CerventusのTwitterアカウントをフォローされたい。東南アジア関係の詳細情報については、e27やSGEntrepreneursブログを見るか、This Week In AsiaのテクノロジーPodcastを聴いてほしい。
見出し写真提供:Ben Israel
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi)


