iPad用として非常に多くのゲームがリリースされている。ただiPhone版を大きくしただけというゲームが多いのも事実だ。タッチスクリーンに対応して、画面をカラフルな物体が動きまわり、確かに面白くはある。しかし多くの場合iPad独自の魅力を活かしきれていないように感じる。
iPad独自の魅力とは2人以上で1台のiPadを囲み、それをみんなで楽しむことができるということだ。昔、大勢で楽しんだゲームの雰囲気を味わうことができる。そこに着目したのがY Combinatorが出資しているKoducoだ。Koducoは昔ながらのマルチプレイヤーゲームのiPad上での実装をニッチと捉え、この分野での成功を目指す。この観点からする最初のゲームがKoducoの今後を占うのだとすると、確かに独自の面白い道を歩み始めているように見える。
Koducoは既にいくつもの懐かしいボードゲームをアプリケーション化しているが、共同体験という側面からすると、最近発表したPongVadersというものが最初のゲームということになる(iTunes Link)。このゲームはおもしろすぎる。本記事のためにと言い訳しつつ、ずいぶんゲームで遊んでしまったことを告白しておく。画面を分割してそれぞれに仮想十字キーで操作するというようなものではなく(Koducoの創業者はそうしたやり方を嫌悪しているそうだ)、2人で向きあって直接に指を使ってPongとインベーダーゲームを合体させたようなゲームをプレイする。これは本当に新しい楽しみを感じさせてくれる。
Koducoが複数人ゲームの世界に導入したのはフィジカルインタラクションとでも言うべきものだ。iPadを机の上に置いて楽しむのではなく、2人でiPadを手に持って遊ぶというスタイルを導入している。PongVadersの場合、各ステージのラスボスをやっつけるにはこの方法でレーザーミサイルを操作しなくてはならないようになっている。iPadを手に持って操作して、画面に現れる障害物を避けていかなければならない(これは宇宙時代のmetal-ball labyrinthゲームという感じもする)。画面上に表示されるボタンを操作するのではなく、実際に体を動かしてある種のチームワークを発揮しなければならないというのが新しくて面白い。また、従来のマルチプレイヤーゲームは、遠く離れた人がウェブ経由で操作するというものだった。PongVadersの場合、従来のボードゲームやテーブルサッカーを楽しむのに似た面白さを感じる。
初めて会う人や、歴史学の授業でとなりに座った美人と打ち解けるためにもこうしたゲームはとても役立つことだろう。またKoducoの創立者は親子で遊ぶのも楽しいだろうと話している。16歳の少年が父親とゲームに興じる姿というのは想像しにくいが(まあ16歳の少年がオヤジとボードゲームを楽しむ姿というのも想像できない)、それでもいろいろな可能性があることはわかる。
Koducoは他にもさまざまなゲームを開発中だ。たとえばRocket Squidというゲームもそのひとつで、これは6本の腕を同時に操作するゲームだ(操作するには2、3名で取り組まないといけないということだ)。退屈な仕掛け倒れになってしまうことに気をつければ、このマルチプレイヤーゲームというのは新たな地平を切り開くことになるかもしれない。将来は大いに有望だと感じている。
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(翻訳:Maeda, H)
