メッセージ・ツールの将来像はFacebookのメッセージのようなものになるのだろう。特に2週間前に発表されたFacebook Messagesの新バージョンのようなものに。 しかしFacebook Messagesそのものが本当に 未来なのかといわれると答えに躊躇する。私はFacebookをそういう目的で使ってこなかったし、今さら使い方を変えるには遅すぎる。だからむしろGmailにこそ大きな未来があると思う。つまりわれわれはGmailの軽量版、Gmailライトを必要としている。
私は当初Facebook Messagesを見てもあまり感銘を受けなかった。それはもともとFacebook Messagesのユーザーではなかったからだ。なるほどそこに時折メッセージが現れていたが、だいたいにおいてそこは無視エリアだった。しかし、新Messagesの機能が順次一般ユーザーに公開されていくにつれて、このチャンネルに現れるメッセージの数は増えてきた。そうなるとこのシステムの美点がみえてきた。特にそのスピードが素晴らしい。
といっても処理速度その他の技術的な速度のことではなく、機能のシンプルさを言っている。Facebook Messagesで返事をするには着信したメッセージの下の小さなボックスに入力するだけでよい。あとはリターン・キーを押せば返信完了だ。もっともリターン・キーを改行に使いたいユーザーには不評だ。しかし返信ボックスの横のオプションにチェックすればリターン・キーを送信に使うかどうかは切り替えられる。しかしこの簡単な返信方法はすばらしい。実に、実に、すばらしいと思う。
「一秒を大切にしろ」とよく言われる―事実だからだ。送信ボタンでなくリターン・キーで送信ができるだけでそんなに喜ぶのはおかしいだろうか? しかし何年もの間に送信ボタンを何万回、いや何十万回押すことになるやら。
もし10万回について1秒ずつ節約できたら、28時間になる。あんなボタンを押すだけのために丸一日も時間を無駄にすることになるのだ。
ショートカットキーもあるが、いちいち覚えて使うユーザーはごく少ない。 それにGmailでは送信のショートカットはタブ、プラス、エンターだ。タブを省略できれば、やはりわずかでも時間の節約になる。
しかしそんなことはごく一部の話だ。このあたりでもっと本質的なGmailの改造計画を考えてみよう。
私が希望しているプロダクトは、われわれが皆、よく知っており愛用している(最近、ときおり非常に遅くなることがあるが)Gmailに代えて、オプトインで利用できる軽量版だ。この新バージョンは全体としてFacebook Messagesに似ており、メッセージはスレッド化されて表示され、着信メッセージの下には返信ボックスがある。返信には単にテキストを入力してリターン・キーを押すだけでよい。

フォントの変更なし、件名なし。CC、BCCなし。右揃え、左揃え、引用、ブレットマークなし。こうした機能は普段99%使わない。テキストを入力し、URLをペーストできるボックスがあれば十分だ。理想をいえば、写真や文書ファイルをドラグ&ドロップでエンベッドできるとよい(最近Gmailでこれができるようになって便利だ)。あとはただリターンキーで送信するだけ。
もしユーザーが上記の機能を必要とするなら、選択して追加することができる。ただしデフォールトでは全部オフだ。Facebook Messagesと同様にシンプルな入力ボックスさえあればよい。
もう一つ、私が考えるGmailライトに必要な機能は、文字数の制限だ。
現在、われわれはメールを礼儀正しい形式にするためにバカバカしい手間をかけている。
XX様
XXXXいただきましてありがとうございます。喜んでXXXX …XXXXと希望しております。
ところでXXXX…ちなみに…
とりいそぎご連絡まで。
送信者名
P.S. こんな余計なことを書くのにさらに20秒も時間を無駄にいたしました。
格式張りたいのなら郵便で封書を出せばよい。オンラインでは99%の場合、簡潔を旨とすべきだ。
メッセージ:今晩飲み会どう?
Response: オーケー。
これでたくさんだ。ぼったくり的料金にもかかわらず、なぜSMSがこれほど広く利用されているのかという理由もここにある。それならメールでも同じことができてよいではないか?
メールの形式は次第にカジュアルになってきているようだが、メールの長さは減っていないと思う。だから文字数制限を付加した新Gmailが欲しいのだ。9月にTechCrunchの同僚、Jon Orlinはメールは3文以内にする運動を提案していた。これもいい考えだが、問題の解決に不十分だ。
システムにビルトインされた機能でなければ成功しない。
Gmailライトは、Twitterにならって、140文字制限を導入すべきだ。いや、SMSと同様の160文字でいいかもしれない。Twitterが140文字に制限したのは受信側で送信者名の表示が必要だったからだが、Gmailライトの場合はテキスト中に送信者名を表示する必要がない。こうしておけば、SMSを通じて(Facebook Messagesと同様)メッセージが送受信できる。さらに重要なことは、いやでもメッセージを簡潔にまとめねばならなくなる。3文よりはるかに簡潔になるはずだ。これは非常な美点だ。.

メールが来るとわれわれは無意識のうちに、大いに言葉数を費やして丁寧な返事を書かねばならないと思ってしまう。そこでつい面倒になって後回しにする。もし160文字しか入力できない小さな返信ボックスしか表示されなければ、即刻返事を書くユーザーは劇的に増えるだろう。全体としての返信率はアップするはずだ。
これは新しいFacebook MessagesやTwitterのDMを利用した個人的な経験からもそうなると予測できる。
「とんでもない話だ」と抗議するユーザーもいるだろう。しかし、Gmailライトはオプトインだ。それに、実際長いメールを送信する必要があればいつでも標準のGmail―Gmailクラシック―を使える。
しかし私は非常に多くのGmailユーザーがメインのメールとしてGmailライトを使うだろうと思う。Gmailライトにはメッセージが短い理由を相手に知らせるために、メタデータ内なり本文の末尾なりにGmailライトから送信していることを示す何らかの通知機能が必要だろう。最初はちょっと異様にみえるかもしれないが、すぐに慣れるはずだ。
しかしそれなら、どこかのスタートアップでもすぐにこういうコミュニケーション・ツールを作れるのではないか? どうしてFacebookやGoogleでなければならないのか? なぜなら、残念だが、こうしたメッセージ・システムというのはすで何億というユーザーが使っている環境でないとうまくいかない(その中でGmailは間違いなくベストのサービスだ)。Twitterがその次に位置する。しかしTwitterはメールとはまったく異なったメッセージ・システムだ。Twitterはメッセージを広く一般に公開するのが本質だ。プライベートなメッセージのやりとりのためにDM機能がlあるが、これはフォロー制度のために厳しく制限される(相手が自分をフォローしていないとDMが送れない)。
最近Gmailに導入された優先トレイもすばらしい。しかし受信トレイがパンクする問題の本質的な解決策にはなっていない。優先トレイは無視してもかまわないメールを選択するには役立つが、すなわち現在のメールが古臭い形式に縛られているという本質的な問題は解決されていない。送信ボタンや件名といった時代遅れの機能を満載したままでは解決にならないのだ。
こうした無用な機能はすべて排除されなければならない。今のメールが自己改革してこうした新しいシステムに脱皮することが強く望まれる。Facebook Messageは若い世代にはいいかもしれないが、 Gmailライトなら、Facebook Messagesのよさを取り入れたうえで、世代を問わず全員がすぐに使いこなせるサービスになるだろう。
映画「フィールド・オブ・ドリームズ」のキャッチコピーではないが、Gmailライト―それを作ればわれわれが来る。

Update:Oauthの開発者、Chris Messina(彼は現在Googleにいる)が似たようなアイディアを先週、ブログに掲載していた。彼のGmail messageのダミーはよくできているので読んでみるとよい。
[画像: Universal Pictures]
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(翻訳:滑川海彦/namekawa01)
