NFCが重要な理由(日本の地下鉄に乗ったことがあれば分かる)
by Jason Kincaid on 2011年1月26日

そのあたりの普通の相手に「NFCをどう思うか?」尋ねれば「ナショナル・プロフットボール・カンファレンスがどうしたのか?」と怪訝そうに答えるに違いない。しかしGoogleとAppleの現在の動きを観察すれば、近距離無線通信(Near Field Communication)が近く普及することになるのは間違いないと分かる。われわれは早ければ2年後には、さまざまな場面でNFCデバイスを使うようになっているはずだ。

しかしまず最初にこのNFCとはどんなものなのかおさらいしておこう。これは小電力の近距離無線データ通信装置の規格だ。有効距離は10センチ程度で、動作にはいくつかのモードがあるが、もっとも重要なのは受動モードだ。この場合、デバイスはプログラマブルなスマートカードのように振舞う。たとえばNFC通信デバイスはいくつでもRFID(Radio Frequency IDentification = 電波による個体識別)情報を保持し、セキュリティーシステムや支払い端末と情報を瞬間的にやりとりできる。NFCを組み込んだデバイスは個人識別用のIDカードと財布の役割を果たす。

NFCを携帯電話に組み込むと、どんないいことがあるのか? まず最初にNFCの大規模な利用が考えられるのは公共交通機関の効率改善だ(たとえばワシントンDCが検討しているし、バンクーバーもそうだ)。日本で地下鉄に乗ったことがある読者なら、ペンギンのロゴをあしらったSuicaカードがいかに普遍的に利用されているか覚えているに違いない。

ところがアメリカ人の多くは公共交通機関というものに根深い敵意を抱いている。オハイオ州ではコロンバスとクリーブランドを結ぶ鉄道の建設への連邦補助金を拒否したほどだ。AppleもGoogleもこの面には高い優先順位を与えないだろう。しかしiPhone 5その他のNFCを装備したスマートフォンはアジアやヨーロッパでは大いに活用されることだろう。またアメリカでもワシントンDCやニューヨーク、サンフランシスコのように地下鉄の発達した大都市で改札にNFCが導入されれば通勤者には大いに喜ばれるだろう。こうした地区のユーザーだけでも相当の規模になる。しかし、これだけだはまだモバイルデバイスの全エコシステムを変えるほどのインパクとはなりにくい。

TechCrunchのMGが書いているように、NFCはモバイルデバイス同士で簡単に情報を交換するのにも使える。が、ここでもNFCよりも便利なデータ通信手段は数多く存在し、わざわざそれに新しい規格を付け加えるほどのメリットは見出しがたい。

しかし一般的な支払い手段としてはどうか? これは本格的に検討する価値のある分野だ。たとえば、こうだ。

「一般商品とサービスの購入にアメリカは年間$6.2T(6.2兆ドル)を費やしている。Appleの最終的な目標はこの分野でのシェアを確立することだ」とCroneは述べた。現在、AppleはユーザーがiTunesで何かを購入するごとにクレジットカード会社に決済手数料を支払っている。もし消費者によりコストの低い支払手段を利用させることに成功するなら(たとえばPayPalですでに利用されているような銀行口座からのオンライン直接引き落とし)、AppleやApple製品を販売している小売業者は大きな利益を得る。

すでにQualcommはこの動きで先頭を走っている。やがて消費者の主要な支払い手段はクレジットカードからPaypal的なNFCデバイスによる銀行口座から直接決済に移行するだろう。技術的には準備は整っている。ではなぜまだ実現していないのか? 最大のボトルネックは、店舗に据え付けられているクレジットカード端末の数が膨大なことだ。全米のクレジットカード・ネットワークをNFCに一斉にアップデートするとなれば巨額の費用がかかる。しかし、現在でも、CitibankのBlinkデビットカードをサポートするシステムは将来NFCもサポートできる仕様となっているとされる。これは注目すべき動きだ。

だから最後に、読者にはこれに注目しておくことを強くお勧めする。NFCは一般に考えてられているより早く普及すると私は考えている。来年にはNFCは一般に取り上げられる話題となり。2015年までにはアメリカで広く利用されるようになると思う。ただのプラスチックのクレジットカードは歴史のゴミ捨て場行きだ。その嬉しい転換の日が来るのに備えて、AppleとGoogleはそこから利益を上げる準備を着々と整えている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦/namekawa01

  • http://twitter.com/jjng_ngd ちカ@信者

    まじかー。おサイフケータイですら怖くて利用したことないわ。充電切れたらアウトじゃん。スマフォなんて無線テザリングしてたら4時間も電池持たないのにどーすんの?リチウムイオン二次電池に代わるバッテリーが開発されない限りわたしはアナログなカードを持ち歩くぜ!

  • http://twitter.com/jjng_ngd ちカ@信者

    まじかー。おサイフケータイですら怖くて利用したことないわ。充電切れたらアウトじゃん。スマフォなんて無線テザリングしてたら4時間も電池持たないのにどーすんの?リチウムイオン二次電池に代わるバッテリーが開発されない限りわたしはアナログなカードを持ち歩くぜ!

  • http://topsy.com/jp.techcrunch.com/archives/20110125so-why-should-you-care-about-nfc/?utm_source=pingback&utm_campaign=L2 Tweets that mention NFCが重要な理由(日本の地下鉄に乗ったことがあれば分かる) — Topsy.com

    [...] This post was mentioned on Twitter by appbank, TechCrunch JAPAN, Toshihiro Igi, なかざん, MOVEMENT_RSS and others. MOVEMENT_RSS said: NFCが重要な理由(日本の地下鉄に乗ったことがあれば分かる): そのあたりの普通の相手に「NFCをどう思うか?」尋ねれば「ナショナル・プロフットボール・カンファレンスがどうしたのか?」と怪訝そうに答えるに違いない。しかしGo… http://bit.ly/fm3iCK [...]

  • http://twitter.com/htomine とみね ひろゆき

    充電切れたらサイフ出せばいいと思うよ?
    個人的にはでっかいカードだらけのサイフをかばんにしまっとけるだけでも楽だけどなー

  • http://twitter.com/AtsushiKawahara 川原 淳

    日本では当たり前のおサイフ携帯。この便利さに慣れると手放せないんだよね。はやくスマフォにiDやSuicaが乗って欲しい。(なんだかんだ言って、日本はモバイル先進国。先進過ぎてガラパゴス。)

  • http://twitter.com/AtsushiKawahara 川原 淳

    日本では当たり前のおサイフ携帯。この便利さに慣れると手放せないんだよね。はやくスマフォにiDやSuicaが乗って欲しい。(なんだかんだ言って、日本はモバイル先進国。先進過ぎてガラパゴス。)

  • http://twitter.com/AtsushiKawahara 川原 淳

    日本では当たり前のおサイフ携帯。この便利さに慣れると手放せないんだよね。はやくスマフォにiDやSuicaが乗って欲しい。(なんだかんだ言って、日本はモバイル先進国。先進過ぎてガラパゴス。)

  • http://twitter.com/AtsushiKawahara 川原 淳

    日本では当たり前のおサイフ携帯。この便利さに慣れると手放せないんだよね。はやくスマフォにiDやSuicaが乗って欲しい。(なんだかんだ言って、日本はモバイル先進国。先進過ぎてガラパゴス。)

  • http://twitter.com/morugu もるぐ

    ようやく名古屋でも非接触型ICカード乗車券が導入されます。NFCとFelicaの互換性はあるようなので、
    乗車券・買い物・施設の入り口等々、、すべてiPhoneをかざすだけで利用可能になればかなり便利になるかと。

  • http://twitter.com/morugu もるぐ

    ようやく名古屋でも非接触型ICカード乗車券が導入されます。NFCとFelicaの互換性はあるようなので、
    乗車券・買い物・施設の入り口等々、、すべてiPhoneをかざすだけで利用可能になればかなり便利になるかと。

  • http://twitter.com/ajapoo2 ajapoo

    っつーかおサイフの利用率たしか25%くらいだろ、首都圏はもう少し上だろうけど
    日本は現金主義だからカード社会のアメリカの方が後発でも広まるのは早いと思う

  • http://twitter.com/sugibuchi Tsuyoshi Sugibuchi

    日本では少額のキャッシュレス決済需要に対するデビットカードの普及が諸外国に比べて遅れた分、代わりの手段としておサイフケータイが上手くはまって普及したのかなという印象があります。

    なので既にデビットカードが普及している地域では携帯電話版のデビットカードとしてNFCの利用は案外早く普及する気がします(電子マネーの方はどうだろう)。ただ現在決済インフラや与信はVisaやMasterといった会社によって提供されているわけですが、ここにAppleやGoogleがどの程度割り込んでくるのかは大変興味があります。

  • http://twitter.com/sugibuchi Tsuyoshi Sugibuchi

    日本では少額のキャッシュレス決済需要に対するデビットカードの普及が諸外国に比べて遅れた分、代わりの手段としておサイフケータイが上手くはまって普及したのかなという印象があります。

    なので既にデビットカードが普及している地域では携帯電話版のデビットカードとしてNFCの利用は案外早く普及する気がします(電子マネーの方はどうだろう)。ただ現在決済インフラや与信はVisaやMasterといった会社によって提供されているわけですが、ここにAppleやGoogleがどの程度割り込んでくるのかは大変興味があります。

  • http://twitter.com/kentyaku 山手LOVE

    Felicaって携帯本体の充電切れても使えた気が。
    スイカもカード自体には電池は入って無くて,
    端末から受電した電力でチップを動かしてますよ。

  • http://twitter.com/1q8 ys2

    ドコモがiDを決済手段として用意したのと同様に、AppleがiPhone&NFCとで新しい決済手段を用意する可能性があるのか?

  • http://twitter.com/inashiro しろうさぎヒッチハイク・ガイド

    最近のおサイフケータイは充電が切れても(電池パック未挿入|電池が完全に放電していないかぎり)使用できるようです。
    ちなみに、おサイフケータイ入りのスマートフォンIS03の取扱説明書には
    “電池残量がなくなった場合、おサイフケータイがご利用いただけない場合があります。”
    と記載されています。電源は入ってなくても利用できるようですが、電池が切れたときの挙動は実際に使ってみないとわからないですね。

  • http://www.facebook.com/masashi.hirai Hirai Masashi

    この市場は間違いないですね!
    何が起こるかすごく楽しみです。

  • http://www.facebook.com/masashi.hirai Hirai Masashi

    この市場は間違いないですね!
    何が起こるかすごく楽しみです。

  • http://twitter.com/mooootj mooootj

    確か NYCTAは磁気ストライプで、BARTも磁気ストライプで、DCはSmartrip…これだけ非接触か。日本にオレンジカード全盛期があったように、一旦世代交代が始まればアメリカでもNFCの普及は一気に進みそうです。

  • Hogehoge

    the ubiquitous Suica penguin cards used to get into the Japanese metro.
    を普遍的~と訳すのはどうかと