“われわれは近々、われわれ自身より優れた知能を創りだすことに成功するだろう。その暁には、人類の歴史はねじれて絡み合い到達不可能な時空を形成する到達不可能なブラックホールの内部に似たある種の特異点(singularity)に遭遇することになろう。世界はその瞬間から人類の理解を超えるものへと変貌する。“
Jeopardy!を見てこんなに興奮したことはない。この2日間、IBMのスーパーコンピュータWatsonが、人気トリビアクイズ番組のチャンピオンたちを相手に一歩も引かずに戦い、最後には堂々たる勝利を収めた。
昨夜(米国時間2/16)、Brad Rutterの獲得賞金は$10,400、KenJenningsが$4,800だったのに対し、Watsonはなんと$35,734を獲得して1位となった。最後にWatsonが正解に失敗したトロントという答え〔訳注〕さえ、わざと仕組まれたジョークではないかという声が出たほど圧倒的な勝利だった。
台湾のNMAのアーティストの友達がこの特異点達成の模様をアニメーションにしたビデオを作ってくれた。ここでは1997年にIBMのDeep Blueがロシア人のチェスチャンピン、Gary Kasparovを接戦の末に破ったのを始め、過去に人工知能が一歩一歩人間に勝利した歴史がフルカラーのCGでふり返られている。
ビデオはオマケとしてコンピュータが勝手に自分に有利な条件を創りだしてゲームに勝つありさまがユーモラスに描かれている。Trivial Pursuitでは対戦相手に毒を撒くし、AmericanIdolやSurvivorでは異常な運動神経を見せる。しかし、Watsonが75%の勝率で人間のチャンピオンを破った、最大の要因は〔人間も正解を知っていたが〕Watsonがボタンを押すスピードが早かったからだというのも、考えてみれば恐ろしい話だ。
人工知能の意図や能力を人間が想像できなくなることが人工知能が特異点に到達した兆候だというのがSFの定番だ。「トロント」という間違いが、もしWatsonのジョークだったら?(Jeopardy!のカナダ出身のホスト、AlexTrebekの生まれ故郷だったり?)。くわばらくわばら。
〔訳注:Watsonが失敗した問題は「アメリカの都市」というカテゴリーで「その都市の最大の空港は第二次大戦の英雄の名前を付けられている。2番目に大きい空港は第二次大戦の戦いの名前を付けられている」というもの。正解はオヘア空港(エース・パイロット、エドワード・オヘアにちなんで)とミッドウェー空港(ミッドウェー海戦にちなんで)のある「シカゴ」だった。ところがWatsonは「トロント????」と答えた。トロントはもちろんカナダの都市なので、なぜこんな初歩的な間違いをしたのかが注目された。解説はこちらなど〕
Watson
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(翻訳:滑川海彦/namekawa01)
