タブレットが出荷されない理由
by John Biggs on 2011年2月18日

家電メーカーは恐れている。競争を、独自のデザインを、そして何よりも出荷することを恐れている。例えばRIMのPlaybookである。Jim Dalrympleが指摘するように、RIMが最初にPlaybookを発表したのは2010年9月だった。そして1月には4G版を、続いて4G LTE、HSPA+そしてモバイルWiMAXモデルを今月発表した。結局RIMは、現存しない製品を三つ発表した。JimはこのPlaybookをベーパーウェアと呼ぶが、われわれが見る限り、これは本物の製品であり、RIMの正面玄関から出ていないだけだ。

というわけで、RIMが製品発表してから6ヶ月、MotorolaがXoomを発表してから2ヶ月が過ぎた。HPのTouchPadもまだ出荷されていない。今年のMWC[Mobile World Congress]で見たタブレットの出荷はすべて「年内」で、確実なのはおそらくiPad 2だけだが、こちらはまだ存在すらしていない。

家電メーカーがそこまで慎重になる理由はいくつかある。第一に、Appleがタブレット部品の市場を独占していること。私が中国で会った起業家は〈今でも〉まともなタッチスクリーンを買うのが困難だと言っていた。今殆どのタブレットが7インチである理由。それは10インチの静電容量タッチスクリーンをAppleが買い占めてしまったか、そうでなければ少量注文では高すぎるほど価格を釣り上げたからだ。プレミア価格を払う以外に市場に参入する方法はない。

そして、出荷<できた>としても、ユーザーに受け入れられる保証はない。Dell Streak 7の悲惨なレビューを見てほしい(もっとも私はまずまずのデバイスだと思っているが)。何故か。それはこのデバイスが、未来の製品ではなく現在のiPadを目標に設計されていて、しかも[Android 3.0] Honeycombを考慮にいれていないからだ。Googleも自分のペースで走っていることは明らかであり、家電メーカーは何が得意でないかといえば将来を予測することだ。だから彼らは発売8ヶ月前に<完成品>を発表しながら、CEOが報道陣の前で実際の発売を発表するまで製品が出てこない。しかもこうした製品は、そもそも設計にまるまる1年かかっている。だから発表の時点ですでにその製品は1年半前のものだ。出荷までにかかる時間を足せば、実質的に2年前の商品を買わされることになる。

それでは、PlaybookとTouchPadはどうなのか。まあこういう会社は、売れる保証のない製品を作って出荷するために、リソースをかき集めるようなことは当然やらない。彼らが待っているのは、次のiPadであり、奇跡がおきることである。ひたすら待ち続ける。彼らは不思議の再来を待っているようにみえる。そして、だんだん疲れてくる。

みんないつになったら出荷するんだ。人々は間違いなくこれに関心を持っていて、早く店頭に並べば並ぶほどいい。次々と役立たずのデバイスをだすことになったとしても。そもそも出荷すべきでない製品もある。しかし今や状況は、Samsung、HTC、RIM、HPなどのメーカーが出すそぶりをしているだけで、待つ価値はないという段階にきており、遅かれ早かれ消費者もそのことに気づく。店頭に商品ががなければ、Dalrympleの言うとおり、すべてがベーパーウェアだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

  • http://twitter.com/nis_ にしかわとしゆき

    10inchパネルがiPad分しか生産されていないもしくはバカ高い。

  • http://twitter.com/TENTO_TWIT TENTO

    そうか、Googleと家電メーカーの間にズレがあるのか。ハードもソフトも一社の強みはそこか。でも弱点だってそこなんだけど、目標が既存製品じゃダメなんだよなあ。