
音楽やビデオの大型プロジェクトに一度でも参加したことのある人なら、Gobblerをすぐ気に入るだろう。ただし喜ぶのはまだ早い ― 未だに早期ベータの段階で、公開されたのはオーディオ用の製品だけだ。この会社は先月のLaunchカンファレンスで初めて公式デビューしたが、これまでメディアの注目度はほぼゼロだった。
しかし、ユーザーは間違いなくGobblerに気付いていた。最初のプロジェクトに対する反響はきわめてポジティブだったと、CEOのChris Kantrowitz(彼は妹でMySpaceの元幹部Jamie Kantrowitzと共にGobblerを設立した)は語り、同社はビデオのサポートを急いでいる。夏には公開されるはずだ。
では、Gobblerとは一体何なのか。第一に、これはメディアプロジェクトを管理するためのデスクトップソフトウェアである。Gobblerは、内蔵、外付けさまざまなハードディスク上のプロジェクトの状態を追跡する。外付けドライブを外した時も、Gobblerはそこにプロジェクトがあることを知っていて、ファイルシステム上に表示し続ける。何テラバイトもの写真やビデオ、オーディオなどのプロジェクトを保存するために、始終新しいハードディスクを繋いでいる人たちにとっては、これだけでもGobblerは驚くほど有用だろう。みなさんは自分の写真がどこにあるか知っているだろうか? 私は知らない。その多くはFlickrにあるのだが、プロアカウントが期限切れになって以来、料金を払うまでYahooの人質に取られている。しかしそれは別の話。
第2に、Gobblerはプロジェクトをクラウドにバックアップする。そこにはAmazon Web Serviceが使われている。しかもこれが超高知能だ。例えばプロジェクトの新バージョンが作られた時、Gobblerはアップロード/ダウンロードすべきなのは変更されたわずかなファイルだけだと知っている。数ギガバイト単位のプロジェクト(TechCrunchのビデオプロジェクトは大ていそうだ)において、これは非常に重要だ。
最後に、Gobblerを使うとプロジェクトの協同作業がこれまでよりずっと簡単になる。FTPは、5ギガバイトのファイルをやりとりするために良い解とは言えない。あれやこれやのオンラインサービスはあまりに面倒なので、ハードディスク自体を宅配便で送ることもしょっちゅうだ。その方が簡単で速い。
しかし、Gobblerのデータ管理・保管方法の方が、少なくとも最初のアップロード/ダウンロード以後はずっと簡単だ。実際、協同作業者間でのファイルのやりとりが増えるほど、Gobblerは速くなる、なぜならファイルのほとんどがすでにユーザーのパソコンやクラウド上に存在しているからだ。Chrisがこう説明する。
協同作業するメンバー間でプロジェクト全体をやりとりする場合、送る必要があるのは新規または変更されたファイルだけだ。しくみはこうだ。あなたと私が一緒に仕事をしていて、私がプロジェクトをあなたと共有したとする。あなたはダウンロードして、山ほどデータを作り、私に送り返そうと思う。変更部分以外のデータは元のプロジェクトにある可能性が高い。プロジェクトを私に送り返す時は、変更されたデータだけアップロードすればよい。間に入るクラウドはどのプロジェクトに何が入っているかを知っていて、かつ、Gobblerはローカルに保存されているのが何かを知っている。こうして、クラウドとローカルにあるデータに基づいてプロジェクトを再構築するため効率が良い。そして本当に有難いのがこれ。例えば、以前のプロジェクトから引き継いだファイルが大量にあり、新しいプロジェクトでこの古いファイルを利用するとともに大量の新しいファイルを追加する・・・このプロジェクトを送る時、実際に送信されるのは新しいファイルだけで、Gobblerは古いファイルがすでにシステムに存在することを知り、それらが新しいプロジェクトでも使われることを記録する。
もちろん、こんなことは常識だと思うだろう。DropBoxなどのスタートアップはずっと前からオンラインストレージで再アップロードや無駄なファイルを避けてきた。しかし、私が知る限り、アップロードとダウンロード両方のファイル管理に関して、ここまで高度な機能を実現したものはない。Gobblerがデスクトップアプリであるために、これが可能になっている。
Gobblerは、帯域幅問題を緩和すべく、オーディオファイルの圧縮も(慎重に)行っている。圧縮に使っているのはオープンソースのFLACで、そこに同社独自のメタデータ・レイヤーを追加しGobblerエコシステムのプロジェクトやファイルと整合性を持させている。同社は長期アーカイブのために、メタデータの種類を拡張して、METSスキーマなどの標準を使ってプロジェクトの詳細情報を保存する計画であると言っている。
総合的に実に有用でよく整理された製品であり、世界中600万の音楽クリエーター、1200万のプロおよびプロシューマー写真家、そして300万のビデオクリエーターたちにとって必須のツールになるだろう。われわれはGobblerがビデオに対応したらまず間違いなくすぐに利用するだろうし、個人的には写真整理に使うことも考えている。
同社は秘かにどこにも発表せず、$1.3M(130万ドル)をDave Goldberg、Sky DaytonおよびTim Wyattから去る1月に調達した。彼らはユーザーからの要求に答えビデオ版の開発を加速するべく、すぐに次のラウンドを行うつもりだと言っている。
ところでこれは、Amazon Web Serviceのようなプラットフォームがいかに驚くほど効率を上げるかを示す一例である。いったんサービスを立ち上げれば、ユーザーの増加と共に難なくスケーリングしてくれる。かつて運用者は、すばやいスケーリングのために何千万ドルもの費用を強いられていた。果たしてFriendsterが、殺倒するユーザーに対応できずに崩壊することなければどうなっていただろうかと考えずにいられない。
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(翻訳:Nob Takahashi)
