
シリコンバレーでは、スター社員に並の社員の10倍から100倍の価値があることは自明の理だ。この算法は特にソフトウェアエンジニアによくあてはまるが、プロダクトマネージャーや営業幹部その他の重要ポストにも適用できる。もしあなたがスター選手なら、テクノロジー企業はあなたを引き止めるために、どんなことでもする。
これは何度も繰り返し見てきたことだ。FacebookがFriendfeedを5000万ドルで買ったのは、ただこの会社の有能なエンジニアが欲しかったからだ(共同ファウンダーのBrett Taylorは現在FacebookのCTO)。昨年Googleは、Facebookに行こうとするエンジニアを引き止めるために、350万ドルの対抗オファーを出した。そして今年、同社はプロダクトマネーシャー2名に、Twitterに行くのをやめされるために1億5000万ドル払ったといわれる。
スターを雇えば、彼らは誰よりもよく働くだけでなく、会社全体のパフォーマンスを引き上げる。私はそれが起きるところを、テクノロジー会社、メディア会社両方で目撃してきた。スターが入ることで水準が上がり、その結果全員の志気が高まる(プライドのため、恐怖のため、恐らくその両方)。
しかし、誰もがスターになれるわけではない。そして、時としてスターは、自分がスターになった環境を離れると、色あせることがある。ハーバード・ビジネス・スクールで行われた研究で、ウォール街のスター・アナリストたちを分析した結果、職場を変わった後は以前ほど成果を上げていないという結論に達した。別の調査では、移籍したスターが活躍する条件として、新しい会社のカルチャーや人材が元の会社と似ていて、新しいチームを組みやすいことを挙げている。
いずれの研究も、テクノロジー系スタートアップの力学を考慮していない。対象はウォール街や大企業であり、スターの定義が異なっている。しかし、Fast Companyの共同ファウンダー、Bill Taylorは、最近のブログ記事でこの議論をシリコンバレーに適用し、優秀な人たちは過大評価されていると言っている。Taylorはボストン・ブルーインズ[アイスホッケー]とダラス・マーベリックス[バスケットボール]を例に、優れたチームは、スタープレーヤーを抱えるライバルたちよりも良い成績を残していることを示している。
数週間前にこの記事をリツイートした時、SquareのCOO Keith Raboisがほぼ瞬時にこう反応した、「彼は間違っている」と。そこで私はブルーインズはどうなのかと聞いた。Raboisの答はこうだ。
Keith Rabois
@erickshonfeld スポーツには年俸の上限や他の社会的制約(ドラフト等)がある。何人でも雇えると想像してみてほしい。
好きなだけ採用して株を青空天井にオファーできると想像してほしい、これは元気のいいスタートアップが今やっていることだ。Raboisのような人たちは、誰かを雇うたびに夢を売っている。かつてそんな夢を実現したことがあるか、最高の人材が断われないほどの魅力を提示できればうまくいくだろう。無限の長所を欲しがらない人などいない。
つまるところ問題は、採用する会社自体がスターであるかどうかだ。スタープレーヤーはスター企業で働きたがる。そして、スタートアップが雇えるスターの人数に上限はない。主として株で支払う場合は特に。
しかし、これはスターがチームプレーヤーである必要はない、という意味ではない。最高のスターは周囲の人間を引っぱる。やる気を起こさせ、刺激を与え、身をもって模範を示す。そしていつでもチームメートを助ける。一人で全部はできないことを知っているからだ。
スターを雇うか、優れたチームを雇うか、というのは誤った選択肢だ。常に最高の人材を雇う努力をすべきである ― スター、あるいはスターになる素質のある人たちだ。テク系スタートアップでは特に、スターがスターを呼ぶ。優秀な人は優秀な人と一緒に働きたいからだ。そこそこのプレーヤーを雇うことは、そこそこの会社を作る最も確実な方法だ。
最高のスターは、人と一緒に仕事ができて、組織全体を持ち上げられる。スターで一杯の会社は、スターがスターを育て、団結した最高のチームを作り上げる。彼らは互いの不足を補い弱点を隠す。優れたバスケットボールのチームが、常にパスを回してその時最高のポジションにいるプレーヤーにボールを渡すように。
一つの会社にスターが多すぎると、ライバル意識のために会社がダメになることもある。しかし、彼らはその時スターであることを終える。会社はチームスポーツだ。チームが弱ければスターにはなれない。
写真提供:Flickr/cliff1066
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(翻訳:Nob Takahashi)
