2006年にGoogleはPlatypus〔カモノハシ〕というコードネームのオンライン・ストレージ・サービスのプロジェクトを進めていた。これがアナリストとのミーティングの席上でうっかり公開されてしまい、たちまちGDriveとして広く評判になった。Googleはこのサービスを実用化する寸前まで行ったもようだ。当時(現在もだが)、この分野には数多くのスタートアップが参入していた。しかしGoogleならどんなスケールに拡大するのも容易だし、無料あるいはごく安い料金でサービスが提供できるだろうと想像されていた。Googleはコメントを避けたが、次から次に関連するニュースが流れた。
ところが、そこで奇妙なことが起きた。GDriveは結局公開されなかった。
最近になってスティーブン・レビーのIn The Plexの中で真相が明かされた。2008年にGDriveはBradley Horowitz(現在Google+の責任者)の下でローンチ寸前まで来ていたのに(Chrome担当上級副社長)がGoogleのトップに働きかけて中止させたのだという。その理由は、Pichaiは「Googleが将来築こうとしているクラウドの世界ではファイルという概念はもう古い(スティーブ・ジョブズも同じようなことを言っているが)」と考えたからだった。議論の末、GoogleのトップはGDriveをお蔵入りさせ、開発チームは Chromeに移った。
話はそれで終わりかと思えた。しかし続きがあった。
今晩(米国時間8/31)のChromium Codeレビューのリストに妙なものが発見された。最初に気づいたNick Semenkovichがツイートした。それによると、 Chromiumのソースコード中のリストにdrive.google.comというURLを追加するチケットが存在した。このURL自体はまだ有効になっていなかったが、Hacker Newsのスレッドは“Google Driveが復活?という話題で盛り上がった。
〔略〕
私は、Sundar Pichaiに(前述のとおりChrome担当上級副社長になっている)に連絡してみたが、彼はコメントを避けた。Googleの広報担当も同様だった。
しかし、何かが起きていることは確かだと思う。少なくともGoogleはdrive.google.comドメインで何かをやっている。私の推測では(もちろん確実な根拠は何もないが)、Googleは多様なデバイス―Windows、Mac、Chromeブック、Android、iOS等々―の間でファイルの同期を取るアプリを準備しているのではないか? つまりDropboxのGoogle版だ。
もちろんGoogleはすでに初歩的なクラウド・ストレージ機能をGoogleドキュメントの一部として提供している。しかし、この機能はすでにリリース後2年もたっているのに、Dropboxのように使っているユーザーはほとんどいない。だからこそDropboxの会社評価額が40億ドルになり、Box.netの評価額が5億5000万ドルにもなるのだ。.
GoogleはChrome OSとそれを搭載したChromebookの普及に大いに力を入れている。しかし実際の売れ行きを見ると、まだブームを起こしているとはいえない。しかしGoogleは急速に機能強化を図っている。その重要な分野が(「ファイルシステムを必要としない世界」を待望するPichaiのビジョンとは裏腹に)、ファイルシステムだ。OSに基本的なレベルで組み込まれたクラウド・ストレージの存在は伝統的なパソコンからクラウド・コンピューティングへの移行を助けるうえで非常に有効なはずだ。GoogleがついにGmail、カレンダー、ドキュメントなどの主要アプリのオフライン化を実現したことを考えると、その重要性はますます高まるだろう。
この問題は今後とも注視していくつもりだ。

[image via Google Blogoscoped from way back in 2006]
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(翻訳:滑川海彦 @namekawa01 Google+)
