Kindle FireをひっさげたAmazonは、これまでAppleがiPadによって支配を続け、誰一人として痕跡すら残せなかったタブレット市場に、初めて進出しようとしている。AndroidベースのKindle Fireは、 魅力的なメディア・タブレットであるが、ジェフ・ベゾスの理解によれば、デバイス自身はストーリーの一部にすぎないという。それは、Amazonサーバー上のデジタルメディアを人々の手に送り出す、一連の端から端へのサービスにとってのフロントエンドにすぎないのである。
しかし、Kindle FireはiPadではない。ベゾスもそれを知っている。そこで彼は、違う何かを使ってFireをiPadと差別化した。価格だ。Fireの199ドルという価格には誰もが驚かされた。これは、iPad 2の最低価格を300ドル下回る。だから、たとえ機能満載でなくても、スムーズに動かなくても、そして使えるアプリの数が滑稽なほど少なくても(アプリの数は、現在10万本を越えるiPadの1%以下)、何も問題ではない。なぜなら、それで十分間に合うなら、何百万という人々がこれを199ドルで買う決断を下すからだ。499ドルのiPadではなく。
大規模な小売業者としてのAmazonにとって、優位性の一つは常に価格だった。それはKindle Fireでも有効に活かされていて、すでにAmazonで2番目に売れているKindleになっている(1番は、新しい79ドルのKindle)。Kindle FireにWiFiだけで3Gが付いいないのには理由がある。Amazonは199ドルの価格を死守するために、あらゆることをする必要があったのだ。
ベゾスは、Appleと正面から戦えないことを知っている。だから彼は、タブレット市場でAmazonのために新しいスペースを切り拓くためにはどんなことでもする。中でも大きな部分を占めるのが価格だ。現在Amazonのホームページに掲載されているユーザー宛のレターで彼は、投資家のJohn Borthwick曰く「Appleにキツイ一発」を放っている。
世の中には二種類の会社がある。お客の払う金額を多くするのに精を出す会社と、払う金額を少なくするのに精を出す会社だ。どちらのアプローチも機能する。われわれは、断固として後者に属する。
ベゾスは、先週の新Kindle群の新製品発表でも、同じことを指摘した。「われわれはプレミアム製品を、非プレミアム価格で作っている」と彼は言った。もちろんAppleは、プレミアム製品を、プレミアム価格で作っている。果たしてiPadの価格をさらに下げる必要があるのか、それとも、このまま王道を進み続けることができるのだろうか。
John Borthwick

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(翻訳:Nob Takahashi)
