
高名な評論家たちの多くが、このところKindle Fireを激しくこき下ろしている。遅い、UXがお粗末、返品がとても多い、などなどと。なんと、あの温和なMarco Armentでさえ、”Instapaperを試すために必要だったが、それさえなければ返品していただろう”、と書いている。
世間は非情だね。
でも、別の文脈では、Kindle Fireは’鳴り物なしの’大成功だ。アナリストたちの推計では、今四半期の売上が500万台で、2011Q4におけるiPadの売上の半分近くに達する(Fireはこれまでの販売期間が短い)。クリスマス商戦が終わった時点ではiPadと肩を並べている、と予感するが、しかしいずれにせよ、Amazonは数字を発表しない。Marco Armentらが何をどう言おうと、Fireは店頭で驀進する。
Kindle FireはAmazonのトロイの木馬だ。タブレットの人気を見て、これいいなぁ、と思っていた大量の男たちや女たちの城門内に、まんまと入り込むための。しかもそれは基本的にリーダーだから、Angry Birdsが遊べないとか、Netflixの映りが悪いとか言ったところで、それらの批判はすべて見当外れだ。Amazonの目的はあくまでも、Amazonのコンテンツをダウンロードして見る、という経験と習慣を、ネット上のビデオやオーディオやeブックに慣れてきた一般大衆に植え付けることだ。
Kindle Fireは、だから、Marco Armentのような人を対象にしていない。Xyboardの529ドルは高い、iPadの499ドルは高い、ちょっと手が出ない、と感じていた一般大衆がメインのターゲットだ。これまでは、タブレットに関し、ほとんどのメーカーが低価格製品を無視してきた(VizioやViewsonicが例外として思い浮かぶが)。Amazonが、パワーユーザが馬鹿にするような製品を出したときこそ、ご用心、一般大衆がそれに殺到するのだ。言い換えると、Kindle Fireは、その前のNook Colorもそうだが、ぼくが(こんなのが出れば)母親に買ってあげたい、と待望していたタブレットだ。
Kindle Fireには、問題もある。たとえば、電源ボタンがひどい。でも、Amazonという敷地の中で本やその他のコンテンツを楽しみ、ときどきゲームやアプリをダウンロードする、という使い方なら、現状で十分だ。AndroidやiPadのパワーユーザは、Fireに’お呼びでない’高望みをしている。でもそれは無意味だ。Amazonは、Kindle Fireのパワーユーザバージョンを決して作らないだろう。Kindle FireはあくまでもAmazonの化身であり、その外部にあるもの、Tegraチップ、Ice Cream Sandwich、Honeycombなどなどは、Amazonの関心の外にある。
Amazonはこのクリスマス商戦でFireの在庫を売り切り、大儲けするだろう。来年はもうちょっと速くて薄いハードウェアになるかもしれない。しかし、ハードウェアマニアがよだれを垂らすような仕様には、絶対にならない。The Girl Who Kicked The Hornet’s Nest(邦訳)が読めればそれでいい、という製品なのだから。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))
