「Facebook戦略をグラフにする7つのステップ」(全8回)
第6回「5. アプリ・トゥー・ザ・フューチャー: プラットホーム、API、アプリケーション」
Facebookを語るうえでFacebookプラットホームとそれをまとめ上げるAPIとアプリの話をしないわけにはいかない。去る5月にプラットホーム公開したことによって、Facebookが今日のウェブで最もエキサイティングで革命的なアプリケーション開発環境を提供したことは間違いない。過去の回でも書いたように、すでに数百のスタートアップがFacebookアプリを作り、近いうちに大物企業を含む数千のアプリが出荷されるだろう。どのアプリも大成功しているというわけではないが、早期参入組の成功例は、Slide.com、RockYou、SocialMedia、iLike、Flixster、HotOrNot、Renkooなど多数ある。こうした会社はFacebookのユーザーコミュニティーで招待や通知、プロフィール、フィードなどを介してバイラルに広まるFacebookアプリを開発、販売することによって何百万というユーザーを獲得した。サクセスストーリーの中には、スタート時にアプリへの招待やインストールリクエストの基準が甘かったことに乗じたものもあるが、後にFacebookが規制を強化したあとでも、引き続き新しいアプリケーションが追加され、爆発的な伸びをみせてユーザに受け入れられている。

Facebookプラットホーム解剖図(提供:Yee Lee) しかし、こうして多くのアプリが暮らすこの環境も、急速な成長と変化をとげている。Facebookはすでに、アプリを評価する基準を大きく変更し、当初はアプリのユーザー数に注目していたものを、最近では日毎のアクティブユーザー数に重点を移し、総リーチ数よりもユーザーの取り込みを重視したものとなっている(すばらしいやり方だと思う)。評価基準の変更の他に、Facebook APIにも大きな変更が加えられ、必死に書いたコードがあっという間に無駄になったデベロッパーからは若干の不満が寄せられた。変更のほとんどは、大量のアプリ招待状や通知、メッセージを送ったり、ユーザーをハメて意向に反したことをやらせるスパム度の高いアプリを減らすこのが目的で、ユーザーを守るためだった。変更のおかげで、以前よりも安全で活気のあるエコシステムになり、新しい機能も増えたが、週替りのルール変更によって、時に予想外なことが起きたりシステムが不安定になるといった弊害もあった。
それでもデベロッパーのほとんどが、この機会をリスクに勝るものと考えているようで、GoogleやLinkedIn、MySpaceなどからソーシャルプラットホームやソーシャルAPIが間もなく出てくると言われながらも、デベロッパーたちの関心も話題も行動も、あい変わらずFacebookが他を圧倒している。現時点ではFacebookのひとり勝ちだ。GoogleやMicrosoft、Yahooらのインターネット巨人たちもみな、大量の支持者やプラットホームを持っていることを考えると、比較的新参者のFacebookとして驚異的な偉業といえる。これまでのところ、リッチなウェブ環境とソーシャルネットワークプラットホームを組み合わせて、ソーシャルのわかるアプリやオブジェクトを作り出したところはFacebook以外に誰もいない。とはいえ、ウェブ業界全体がソーシャルアプリケーションとソーシャルグラフの可能性を認識すれば、一日も早く戦えるプラットホームとAPIをひっさげ、総出でFacebookを射ち落としにかかることは間違いない。
第7回 「お金を払って参加する: 広告ネットワーク、スポンサー付記事、有料配信」へ続く
第1回 「Facebook戦略をグラフにする7つのステップ」
第2回 「1. ソーシャルグラフを作る: プロフィールとプライバシー」
第3回 「2. コネクションを作る: ネットワーク、グループ、イベント」
第4回 「3. フィードの必要性: ソーシャルな活動のストリーム」
第5回 「4. コンテンツの共有: 共有と人 – ストーリーやメデイアのタグ付け」




