1年後に振り返って―「(まだ存在しないが)私がプロフィールしてみたいサービス」
by Michael Arrington on 2006年12月26日

今日(米国時間12/25)はクリスマスなので、スタートアップやテクノロジー関連のニュースはほとんどない。そこで1年前に書いた(まだ存在しないが)私がプロフィールしてみたいサービスという記事を振り返って、そのうちのいくつがスタートアップなりサービスなりとして実現したかチェックしてみることにした。結論として、かなりの項目がユーザーのテストに合格して現実化している―が、そうでないのもある。

チェックの結果は、こんな具合だった。

1. もっと優秀でもっと安いオンラインファイルストレージ

1年前、Xdriveの料金は5GBについて月10ドル、GoDaddy は1GBについて年10ドルだった。この料金ではマスマーケットを狙うには高すぎる。私は500GBについて年20ドルを要求した。

私の要求した料金は安すぎたかもしれないが、オンラインストレージの価格はこの1年で劇的に低下した。大きな変化は3月にやってきた。アプリケーションのサービス業者向けにAmazonがS3というバックエンドストレージサービスを開始したからだ。料金は1GB1月あたり0.15ドル、つまり100GB1月あたり15ドルに下がった。あと、転送料金として1GBあたり0.20ドルが請求される。このサービスの開始はオンラインストレージの料金革命だった。

Xdriveは料金を引き下げたうえに、5GBを無料提供している。さまざまな特色あるサービスがやはり大幅に低い料金でスタートした。たとえば、Carbonite はどんなサイズハードディスクでも月5ドルでバックアップしてくれる。

2007年には新しいジャンルのストレージサービス業者が生まれそうだ。MicrosoftGoogle がサービスを開発中だ。

まだ道のりは遠い。容量はもっと必要だし、利用法はもっと簡単でなければならない。それにもっと安くならないといけない。

スコア: 実現の途上。しかし道のりは遠い。

2. ブログ/ウェブサイトのeメールリスト

1年前、私はRSSからeメールを配信するサービスについて、月20ドルくらいまでなら払うと書いた。その当時利用できたサービスはFeedblitzしかなくて、しかも統計情報やカスタム化がほとんど利用できなかった。

現在はいくつものすぐれたサービスが存在する。Feedblitzは当時よりはるかに良いサービスになって、8万件ものフィードを扱っている。そして4月にはFeedburnerが無料サービスをローンチした。これは同社の他のRSSサービスとうまく連携している。TechCrunchでは現在700人のメール購読者がいる。

スコア: 実現済み

3. ポータブルな個人評価システム

1年前、私はeBayのFeedbackシステムを、彼らの最大の財産だろうと評した。「一度も会ったことがなく、これからも会うことはない2人の人間が モノを売り買いする気になるには、このFeedbackシステムによる信頼性の情報が、いろいろと欠陥はあるものの、もっとも大きな力のひとつになっている」と私は書いた。ただし問題はこのシステムが閉鎖的でeBayの内部から、eBayでの取り引きのためにしか使えないことだ。

われわれはインターネット全体で利用でき、個人識別とフィードバックのシステムが必要だ。そこには評価を行うあらゆるサービスが参加できて、情報を加えたり、引き出したりできなくてはいけない。
この記事を書いた当時、われわれはiKarmaに注目していた。しかしこのサービスは評価情報のポータビリティーという側面を無視して、いわばバスに乗り遅れている。

Rapleaf は4月にローンチした。まだ早い段階ではあるが、これはちょうどわれわれが必要だと主張していたサービス―eBayの外での評価フィードバックシステムを提供している。eBayは5月にRapleafの利用を禁止した(eBayはどうやらPayPal問題で教訓を得たらしい)が、Rapleafは順調に運営を続けている。

スコア: 実現済み

4. カスタマイズ可能な地域割引セール提供サービス (RSS経由)

ユーザーがサインアップして住所や個人情報を提供すると、引き換えにその地域の商店や企業がバーゲンセール情報や割引きクーポンをRSSフィード経由で送ってくれるようなサービスがあっていいと私は思っている。

Zixxoは クーポンをRSSで送るサービスを4月に開始したが、どうもその後なりを静めている。今でも私はこれは良いアイディアだと思うのだが、サービスとして成立する臨界量のユーザーを集めるのが難しいようだ。既存のイエローページ会社やCitysearchがこのようなサービスを成功させるには好適な地位にある だろう。

スコア:
実現途中

5. 他国でのFacebookの展開

実現済みあちらでも こちらでも。他にも多くのサービスが実現しているし、これからさらに出てくるだろう。

スコア:実現済み

6. フリー音楽

AllOfMP3はまだ辛うじて存続しているが、合法的とはいい難い。それに完全に無料ではない―無料にかなり近いが。BitToreentはもちろんフリーだ。しかしこちらはまるきり非合法である。現在も将来も難問でありつづけるだろうが、良い兆候も見受けられる。少なくともDRMは無くなっていくかもしれない。

もうひとつの良いサインは、Amie Streetのような、当初からDRMなしの音楽販売システムが登場してきたことだ。価格は当初は無料で、ダウンロード数が増えるにつれて上がっていく。サイト内で一番高い価格がついている曲が、当然、一番人気のある曲ということになる。

スコア: 中途までも行っていない

7. オープンソースのイエローページ

私はタグづけができて、オープンAPIを持つオープンソースのイエローページが必要だと主張してきた。GoogleとYahooがこの分野にちょっと手を出しているが、本当にオープンソースなイェローページを成功させることができるのは印刷物のイェローページ電話帳を作成している既存の会社のはず。しかし彼らが一向にこのサービスに参入してこないので、GoogleとYahooにおいしいところを食われてしまっている。

スコア: まるでダメ

8. ポッドキャストの文字起こし

AmazonのMechanical Turkサービスを利用すれば、スタートアップは文字起こしをしてくれる人を探す手間なしにこの仕事をやってもらうことができる。またPodtranscriptという専門のスタートアップがローンチされたが、その後閉鎖されたらしく、トップページはドメインが無効になっている。CastingWordsという別のサービスは順調に運営されているようだ。料金は1分あたり42セントだ。

スコア: 実現済み

9. 分散的なレビューのアグレゲーション

ブログではいつもいろいな対象がレビューされている。こういうレビューを専門に集約する検索エンジンがあっていい。Kritx は このためのサイトとしてローンチされたが、現在ほとんど活動していいない。ブログ運営者がデータ構造を適切に構築するならMicroformatもこの目的のために役に立つだろう。それからもちろん、Yelp、Judy’s Book、Insider Pages、RiffsはユーザーのブログやRSSを通じて、それぞれ独自の分散的なレビューサイトを作りあげている。

スコア: 独自のいろいろなサイトが健闘中

10. SSEを利用したクールなサービス

SSEだって? 何だそりゃ?

スコア: まるっきりゼロ

要約

私のスコアを全体として眺めると、やはり私はベンチャーキャピタリストでなくてライターをやっていてよかったかなと思う。いくつかのヒットはあったが、ミスも多かった。というわけで、皆さん、メリークリスマス!

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