
AOLが最近見せている目まぐるしい動きの背後にあるのは何か?新CEO Randy Falcoは、本社をバージニア州Dullesからニューヨークに移転、ダイアルアップビジネス部門におけるさらなる解雇のうわさ、そして広告ビジネスは、不吉な雰囲気のする「Platform A」という名称の下に全て統合されつつある。Falcoは、過去数年間に渡り買収してきたAdvertising.com、Tacoda、Third Screen Media、Lightningcast、AdTechなどの広告関連ビジネスを全てPlatform Aにまとめつつある。Platform Aを率いるのはTacoda前CEOであるCurtis Viebranz。
事情に詳しいある人物がTechCrunchに話した情報によれば、これらはTime WarnerがPlatform Aを来年はじめにIPOを通じてスピンオフしようとする試みに際し、内部決定されたものだという(AOLはコメントを拒否)。このプランを実現するには多大な事前準備が必要だ。しかし、その兆候は見られる。ウェブ広告は依然ホットな分野だ。しかし、AOLのポータルサイトではすでにそれほどの熱気は見られない(事実、AOLにおける広告の伸び悩みはAOL Media NetworksのpresidentであったMike Kellyがその職務から去るという結果をまねいた)。しかし、Platform AはAOLをひっくり返すようなもので、AOL外のウェブ全体を対象に広告提供する。AOLのスポークスパーソンから次のように確認を得た。「Platform Aをスタートするのは、我々のビジネス運営に重要な変化をもたらすもの。AOL全体のネットワークを広告販売戦略の前面に置くことになる」。
IPOの可能性に備えて、AOLは、現在AOL.comの在庫販売にあたるセールス人員(Mike Kellyが率いていたグループ)を、Advertising.comを主な収入源とするPlatform Aに、間もなく統轄するだろう。言い換えれば、AOLは収入確保源を自社の各ウェブサイトにおける広告販売から、その他ウェブサイトでの広告販売にシフトする、ということだ。AOLの広告収入トータルは、年間およそ$2B(20億ドル)(6月期では$522Mつまり5.22億ドル)、そして、購読収入(6月期は$691M、つまり6.91億ドル)は間もなく消えるはずだ。これらの広告ネットワークは一般市場に提供するのに適したものだというのがFalcoの賭けだ。しかし、これもまた、虹を追いかけるような(実を結ばない)AOLの動きの一つに終わるかもしれない。
昨年における広告分野のディール(Google/Doubleclick、Yahoo/Right MediaYahoo/BlueLithium、Microsoft/aQuantive)から、Platform Aが18倍から20倍の償却前利益のバリュエーションを受けるもの、とTime Warnerは予測してもよいだろう。私は、AOLの広告ビジネスの償却前利益の未公表の数字についてこれ以上述べるつもりはない。しかし、他の見方としては、GoogleはDoubleClickに対して収入の10倍にあたる金額を支払うことに合意した、というのもある。もちろん、ワシントンですんなりと受け入れられていない点、それにGoogleであるからこそ支払い額が多すぎるのだ、という議論の余地はある。しかし、これらのことから考えてPlatform Aだけでも、バリュエーションの上限として$20B(200億ドル)あたりと考えられる。ちなみに、これはGoogleがAOLの株式5%を取得した際のAOL全体のバリュエーションだった。
「AOL全体を株式公開企業として別個にスピンアウトすべきだ」という話題が、過去数年にわたり何度も取り上げられたことを思い出すかもしれない。このアイディアで問題点となるのは、ダイアルアップやポータル・ビジネスを誰も欲しがらないことだ。資金が枯渇するまで現状を維持するかもしれない。一方、Platform Aは、今日、世間一般の人たちがAOLについて考えるものとは全く異なる純粋なウェブ広告ビジネス。そして、それは良いことだ。Time Warner社はもう少し趣味の良い名前、ええと、例えばAdvertising.comのような名前を考え付く必要が有るだろうが。
(ディスクロージャー:私はTime Warner前社員であることからTime Warner社の株式を所有している)
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