AT&T、新聞でYahooバッシング
by Michael Arrington on 2007年3月10日

AT&Tが今日(米国時間3/9)、Wall Street Journalに有料記事*を掲載、経済紙をマーケティング材料に利用するという手段に出た。

記事では、同社がYahooと長年続けてきたDSLの業務提携が危機に直面している、というニュースを報じている。CEOのTerry Semel自身、このところの即刻退陣を要求する株主からの働きかけで足元が危うくなっている時期だけに、今のYahooにとっては頭に弾丸をぶち込まれるような嫌な記事だろう。

争点はAT&TとSBCが共同運営するDSLサービス購読利用者から月極め利用料として徴収する、年間2億5千万ドル($250M)もの高マージン収入の行方。AT&Tはその全額、少なくとも今以上の収入の確保を求めている。今日の脅迫で両社が交渉で火花を散らしていることが初めて外部の知るところとなったわけだが、現契約の有効期限は2008年という。

記事ではこんな風に書いている。:

情報筋の話によると、AT&TはYahooとの契約を再検証したい意向。Yahooにブロードバンド事業収入を歩合で払うのではなく、音楽や写真など各サービス売上収入から部分的にYahooに分配したいと考えているようだと、この情報筋は語っている。

この人物が言うには、電話会社(AT&T)が抱えるブロードバンド利用客に金を出してでもリーチしたいネット事業者が他にあり、そちらからアプローチがかかっていることも、AT&Tがブロードバンド利用料収入の共有が得策でないと判断するに至った理由のひとつ、という。自社オンラインサービスおよび広告事業の拡大のためキャッシュを積んでアプローチを図る企業といえば、昨年からGoogleの動きが活発だ。Googleはネット広告事業の成功で得た潤沢な収入を追い風にYahoo-AT&Tのような計画的契約にむけ各社にオファーの打診を図って、大いに市場をかき回している。Googleの場合、提携の相手先に課金するのではなく払ってくれるからだ。

AT&T幹部がお膳立てした記事であることは明白だ。それにしても両社の交渉については「業界でもっとも成功した提携関係」というのがAT&Tの公式的立場のはず。ならば何故AT&Tは「自社のカラフルなバンを黙って塗装し直してYahooのロゴを潰し、AT&Tのブルーの新社章だけ残すようなマネ」をするのだろう?

Yahoo株は本日5%以上下落、時価総額は22億ドル($2.2B)が泡と消えた。ここで争われているのはもはやSemelのクビごときレベルの話ではない。Yahooが独立企業として存続していきたいなら今どうしても好材料となるニュースが欲しいところだ。

シリコンバレーでは噂の口に戸が立たない。巷ではYahoo株が今より下がって回復できないとなれば、いずれMicrosoftか他企業から買収の餌食になるだろうというような話も囁かれている。

*訂正:初稿「広告スポンサーつきの記事」とあるのは「閲覧が有料の記事(behind paywall)」の間違いでした。 謹んでお詫び申し上げます。
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