ビデオの制作者に酬いる方法については昨今ずいぶん議論されている。しばらく前からRevverが実行しているし、Metacafeもそうだ。しかしBlinkxはビデオを掲載するサイト運営者に収入をもたらすサービスを提供する。ただしこれはYouTubeの最近のサービスとは異なり、収入はBlinkxとサイト運営者の間のみで折半される。
このサービスはサイト運営者がエンベッドしたビデオに対して内容連動広告を提供する広告ネットワークだ。サイト運営者はBlinkxに登録して広告用コードを発行してもらい、その中にエンベッドコードを埋め込むだけでよい。(下にエンベッドしたビデオに詳しい手順が説明されている)。サイト運営者は掲載された広告によるすべての収入の半分をPayPal経由で分配される。このサービスはビデオをDiggに紹介する常連などに人気が出そうだ。
広告とビデオをマッチングさせる技術は既存の BlinkxのAdHoc広告提供システムを利用している。AdHocサーバーは内容連動広告を自社およびパートナーのサイト (Ask、Real、Lycos、Infospace、Looksmart)に提供している。AdHocはビデオのメタデータの他にビデオの音声を解析して適切な内容の広告と結びつける。Blinkxの共同ファウンダーでCTOのSurangaChandratillakeは、「このシステムでビデオの種類によって、広告の効果を10-150%アップさせる成果をあげている」と述べている。短い娯楽用ビデオはさほど大きな効果をあげていないが、情報提供的な長いビデオの場合、その情報内容にマッチした広告を選択して提供することで非常に高い効果があがっている。
Blinkxは広告の挿入に当たってオリジナルのプレイヤーの表示をできるだけ邪魔しないように配慮している。広告はビデオの上部のドロップダウン・テキスト・リンクないしプレイヤー上部の固定したボックス領域として表示される。この点ではAdBriteのBritePicサービスにたいへんよく似ている。
他人のビデオを勝手に使って広告で儲けようとするとはけしからんという声が上がりそうだが、実はこれは多数のサイト運営者が現在ビデオで金を儲けている方法と本質的には変わらない。エンベッドビデオの横にGoogleAdsenseを貼るのは普通に行なわれていることだ。一部のスタートアップはサイトのビデオプレイヤーを実質的に改変するような機能を実装してトラブルになっている。(たとえば、 SearchlesがGrouperのビデオプレイヤーからビデオを抜き出している問題など)。Blinkxはエンベッドされたビデオプレイヤーの機能を改変せず、その上にビデオをかぶせる手法を取っている。しかし考えてみれば、オンラインビデオの世界に限っては、他のメディアの場合と違って、他人のビデオをエンベッドして金儲けするのが当然の慣例になっているというのも奇妙な話ではある。ビデオ制作者の側では、エンベッドさせないようにするという選択肢はあるのだが。
しかし最大の課題は、はたしてBlinkxの広告ネットワークが、ビデオ自体に広告をバンドルするYouTubeに対抗できるかという点にある。Blinkxはたくさんのソーシャルビデオサイトを対象にサービスを提供できるという強みがあるものの、コンテンツのシェアではYouTubeの優位が動かない。現在YouTubeのAdSense広告は一部の希望するユーザーだけに提供されているが、すぐに範囲は拡大されるはず。Blinkxが生き残るためには、ソーシャルビデオサイトから反感を買うことなく、かつビデオを掲載するサイト運営者にいっそうのインセンティブを提供していかなくてはなるまい。
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