公共TV放送局の「C-SPAN」(訳注:米国のケーブル会社各社から資金援助を受けている非営利の政治専門ケーブルテレビ・チャンネル)とオンライン・メディア・ストレージ・プロバイダーの 「StreamLoad」は、両社の提携によるユーザー投稿ビデオサイト、「ViewFinder」を今月末にローンチすると発表した。ViewFinderのサイトはすでに見ることができるが、まだ準備中であることは明らか(プレスリリースを見てカンで入れたURLが当たっただけ)。
ユーザー投稿ビデオは誰もが入りたがるゲーム。いまや収益を増やしたい、というだけでなく生き残り戦略のひとつかもしれない。旧メディアがビデオ市場を支配することなど、もはや当然のこととは思われていない。はたしてアマチュアの短編ビデオ作者たちは、いつまでも大勢の視聴者や、メインストリーム向けの旧メディアのおスミつきを求めているのか。それとも他の新しい魅 力的なオプションが多すぎて、そんなことに構わなくなっているのか。 
C-SPANが参入したとあっては、7月にローンチした CNNのユーザー投稿ビデオサイトの「Exchange」と比較しなければならないだろう。Exchangeは、“iReports”というコーナーの街頭速報レポートをウリにしているが、ほかに「ホリディーシーズンに出かけた時、どうやって正気でいられますか」などと俗っぽい質問を出して、ユーザーがそれに答えてビデオをアップロードする、ということもやっている。CNNのExchangeのエンジンはBlip.tv (Vloggies賞 の最高ビデオホスティング賞受賞)で、Windows Media Playerがないとビデオを見られない。これはメディア巨大企業[がもつ権力ゆえ]のアイデアに違いない、だってBlip.tvではビデオはFlashで見られるのだから(本来ならWMPを起動して閲覧する必要はないということ)。 Exchangeがローンチしてからの4ヶ月、どれほどの人を呼びこめたのか全く想像できないが、プロゴスフィアで語られているのは、先週の時点でこのサイト を参照しているインバウンドリンクは20件程度ということだ。
一方、C-SPANでは、[ユーザーに]2つの質問に答えて2分以内のビデオを作って送ってもらっている。たった今(米国時間11/13)出されている質問は、Washington Journalの「今週の質問」と、“刻々とせまる”米国中間選挙に対する考え。リンクもおかしいし、ちゃんと読み込れまないページもある。というわけで、このサービス今月末までスタートしないと言ったら、きっとそれは本当のことだろう。
C-SPANのViewfinderのエンジン StreamloadはSan Diego拠点の多目的メディアストレージサービスで、超低価格、大容量、広範囲のホワイトレーベルのサービスを提供している。われわれの以前のStreamLoadの記事はここ。C-SPANはこの春、Google Video との提携を検討していた。実際、あの時PaidContentは、C-SPANがあのコルベアのブッシュ「ホメ殺し」ビデオをYouTubeから削除するように要求したのは、Google Videoと提携するとどんなことになるかを試す実験のひとつだったのだろう、と書いていた。(訳注:コルベア氏のブッシュ大統領「ホメ殺し」に関する詳細はこちら)。StreamLoadはViewFinderの提携相手に選ばれたことをとても誇りに思っているだろう。
C-SPANに面白いユーザービデオが投稿されるだろうか。投稿する人はたくさんいるのだろうか。面白いギャンブルだ。これこそは、旧メディア(つまり、公共TV放送局の「C-SPAN」)が防御を固めてうだうだと「客観性」とか言うのをやめて、ニューメディア(つまり、オンライン・メディア・ストレージ・プロバイダーの 「StreamLoad」)を取り込もうという表れなのじゃないか。ぼくとしては、こうしたメジャーなニュース媒体による投稿ビデオの実験がうまくいって、われわれは旧メディア、ニューメディア両方の良いところを得られればいいと願っている。共有したり、おすすめしたり するビデオを選ぶ責任者には、幅広く、フェアーな編集判断をしてくれることを期待したい。みんながが政治の分野を超えてビデオを送ってきてくれるのならば、[掲載する]ビデオを選ぶのは楽しいことのはず。ただ、他の多くのサイトにはすでにユーザーがたくさんいて、どのビデオを公開・非公開にするかという編集権を行使していない、ということを考えると、果してそれが[C-SPANで]実行されるかどうかは疑問だ。C-SPANの利用規約が非独占ライセンスになっているのはいいことだ。
ビデオ作者たちはいつまで視聴者や旧メディアに認められることにひかれ続けるのだろう。ベンチャーのビデオ統合サイトThe Daily Reelを見てみれば、将来の別の見方がわかるかもしれない。参入の障壁は、(控え目に言っても)とにかく以前とは違う。急速にビデオが広まる中、巨大な旧メディアに誰かがとってかわるというのはあり得ることだ。どちらに転んでも、見ていて面白そうな戦いだ。




