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2007年12月25日

デジタル化の恐怖を煽るハリウッド流どんぶり勘定

Erick Schonfeld

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celluloid.jpg映画のデジタル化に伴い、映画業界では新たに保管方法問題が持ちあがっている。フィルムを缶に入れて倉庫にしまっていた方が、ハードディスクやDVDよりもはるかに持ちがよかった。このデジタル時代の映像保存、たしかに厄介な問題ではあるが、最近、映画芸術科学協会が公表した「デジタルジレンマ」という報告書に出てくるオーバーな数字ばかりはどうにも受け入れがたい。この件についてのNYTimesの記事はこうだ。

映画のデジタルマスターの保管には年間$12,514かかるのに対して、通常のフィルムマスターの保管は$1,059だ。

さらに、映画を「全デジタル」、つまりフィルムを全く使わずにすべてデジタルで作った場合に生じる膨大なデータを維持するとなるとコストは$208,569(20万8569ドル)へと跳ねあがる。同じ映画をフィルムだけで作った場合のネガ、録音、スチル写真などを低温保存庫で保管するのにかかる費用が$486なのに対して飛び抜けて高くつく。

大きな数を持ち出せば「ジレンマ」の説得力は上がるかもしれないが、これもまたハリウッド流のどんぶり勘定のようだ。映画を高品質のデジタルデータで保管する場合のデータ量の目安は、およそ1テラバイト/時間。つまりほとんどの映画のデジタルマスターには2TBもあれば十分だ。amazon.comの消費者向け1TBドライブの値段は$250~$300。企業向けのストレージネットワークのテラバイト当たりの料金はさらに安い。もちろん、これはハードウェアだけの話で、さらに設備や保守、ライセンスなどのコストが加わるが、こうした費用は映画のライブラリ全体で分担される。

映画を1万本保管するには1000本よりもたしかに費用はかかるが、10倍になるわけてはない。ある段階を過ぎると映画1本追加するたびにかかる費用は増分原価になる。つまり、デジタルアーカイブ設備を作って映画1000本保管するのに$12,514,000(1251万4000ドル)かかったとしても、1万本保管するのに$125M(1億2500万ドル)かかるわけではない。

もっともこれは最終版のマスターだけの話。製作会社としてはカットされた部分や映画製作の過程で作られるあらゆる映像の断片も保存しておきたい。そうすれば映画1本につき何十何百テラバイトにもなるだろう。が、それでも私の疑問は晴れない。ストレージのコストはテラバイト当たりについて固定ではない。規模が大きくなればスケール効果がでる。管理の行き届いたストレージサービス(バックアップは冗長性を持って2ヵ所以上に保管され、ストレージ技術の進歩につれて、高容量の技術を使ったものにアップグレードされていく)の実際のコストは、もっとずっと安いはずだ。(ストレージの専門家がいたら、経験に基づいた予測をコメントしてほしい)。

仮に年間$208,569(20万8569ドル)、実際にかかるとしても、まだ手はある。映画1本につき1人か2人雇って、未使用映像をチェックして手頃な分量に減らせばいい。ここまでの計算はすべて高品質のデジタルデータで保管する場合の話。マスター以外はMPEG-2かMPEG-4で圧縮して保存することも考えられる。とはいえ、こうして大げさな数字を並べておけば、デジタルアーカイブプロジェクトへの出資に二の足を踏む人も多くなるだろうし、デジタル化自体への移行を遅くする言い訳にもなるのだろう。

(写真提供 Catherine Trigg

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)



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