イベントの中古チケット販売は汚いが儲かる商売だ。その仕組みはクライナーが出資しているLAのチケット専用市場「RazorGator」でCOOをやっていた頃、実地で勉強した。
中古チケット販売の食物連鎖はこうだ。まず、ダフ屋。試合やコンサートが始まる前にスタジアムの周りでぶらぶらしてチケットを売る連中がいて、その先に商売の持ち場を抱えるチケットブローカーがあり、そして最後に来るのがチケットを売り買いする市場で、この市場を提供するのがeBayやStubHubである。
食物連鎖の中ではみんながみんな緊密に繋がっている。チケットブローカーは市場の大半を一手にコントロールしており、精密なコンピュータシステムで売れ筋のコンサートチケットは発売開始と同時にTicketmasterから入手する。劇場チケットはボックスオフィス内部の人間に頼んで人気のショーの一番いいチケットをブローカー用に寄せておいてもらう。そして面倒をかけたお礼にチケットと引き換えに手数料を現金でキックバックするのだ。
人気トップのスポーツチームのシーズンチケットを押さえるのもブローカーの仕事。上等なシーズンチケットを入手できるくせに他人に渡すのを嫌がり、尚且つ自分では滅多に試合を見に行かないファンとは末永く良好な関係を築いておく。
この商売は人脈で成り立っているようなもので、やり取りは大体キャッシュで行われる。稼ぎ頭のチケットブローカーともなれば年間数百万ドルの人もザラ。しかも彼らが収入をIRS(日本の税務局)に申告することはまずない。
スーパーボールやマーチ・マッドネスといった超大型イベントでもチケットの大部分は一握りの人間がコントロールしている。その実数を知ったらあまりにも少なくて、みんな腰を抜かすだろう。
チケットはどう売ろうとブローカーの勝手だ。ダフ屋を雇ってイベント会場でぶらぶらさせる時には警察にしょっ引かれて尋問されないよう、あんまり一度にた くさんのチケットや現金を持って歩かないよう指示する。専用のウェブサイトも持っており、eBayやRazorGator、StubHubのような市場に チケットを出品する。通常は複数のサイトに同じチケットを二股も三股もかけて売りに出す。1つの物件に売り注文が複数つくと、似たようなチケットを探してカバーするか、あるいは客にいくらか払って見逃してもらう。
eBayで売り買いされるイベントチケットはすさまじい量だが、eBayは自分たちの手はほとんど汚さないでこれをやっている。チケットを直接所有するこ とは絶対ないので中古チケット再販関連法の規制の網はこれで逃れることができる。 州法にはチケット再販を規制する複雑な法律が各種あるが、eBayはこうした法律にも遵守努力を払っている。eBayでチケットを売るブローカーにして も、その多くはeBayに利用を禁じられたら困るので、そうならないようカスタマーへの対応はとても良い。
eBayがStubHubを買収?
eBayに似た売り買い市場で、ここ数年業績が目覚しいのがStubHubである。噂によると昨年1年間で$400M(4億ドル)を超えるチケット取引を さばき、$10M(1千万ドル)の利益をあげた。eBayがStubHubを$300M(3億ドル)前後で買収交渉の最中らしい、という噂はしばらく前からある。この話はBambi Franciscoが昨年10月に初めて報じ、今日はウォールストリートジャーナルもここ(閲覧は要購読)で追いかけた。それによると買収は早くて今週にも成立の可能性があるという。早速われわれもeBayの情報源に話を聞いてみたが昨年10月の噂は否定した彼らが、どうしたわけか今日はやけに言葉少なだ。
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