中古チケット販売の暗黒社会におけるeBay
by Michael Arrington on 2007年1月11日

イベントの中古チケット販売は汚いが儲かる商売だ。その仕組みはクライナーが出資しているLAのチケット専用市場「RazorGator」でCOOをやっていた頃、実地で勉強した。

中古チケット販売の食物連鎖はこうだ。まず、ダフ屋。試合やコンサートが始まる前にスタジアムの周りでぶらぶらしてチケットを売る連中がいて、その先に商売の持ち場を抱えるチケットブローカーがあり、そして最後に来るのがチケットを売り買いする市場で、この市場を提供するのがeBayStubHubである。

食物連鎖の中ではみんながみんな緊密に繋がっている。チケットブローカーは市場の大半を一手にコントロールしており、精密なコンピュータシステムで売れ筋のコンサートチケットは発売開始と同時にTicketmasterから入手する。劇場チケットはボックスオフィス内部の人間に頼んで人気のショーの一番いいチケットをブローカー用に寄せておいてもらう。そして面倒をかけたお礼にチケットと引き換えに手数料を現金でキックバックするのだ。

人気トップのスポーツチームのシーズンチケットを押さえるのもブローカーの仕事。上等なシーズンチケットを入手できるくせに他人に渡すのを嫌がり、尚且つ自分では滅多に試合を見に行かないファンとは末永く良好な関係を築いておく。

この商売は人脈で成り立っているようなもので、やり取りは大体キャッシュで行われる。稼ぎ頭のチケットブローカーともなれば年間数百万ドルの人もザラ。しかも彼らが収入をIRS(日本の税務局)に申告することはまずない。

スーパーボールやマーチ・マッドネスといった超大型イベントでもチケットの大部分は一握りの人間がコントロールしている。その実数を知ったらあまりにも少なくて、みんな腰を抜かすだろう。

チケットはどう売ろうとブローカーの勝手だ。ダフ屋を雇ってイベント会場でぶらぶらさせる時には警察にしょっ引かれて尋問されないよう、あんまり一度にた くさんのチケットや現金を持って歩かないよう指示する。専用のウェブサイトも持っており、eBayやRazorGator、StubHubのような市場に チケットを出品する。通常は複数のサイトに同じチケットを二股も三股もかけて売りに出す。1つの物件に売り注文が複数つくと、似たようなチケットを探してカバーするか、あるいは客にいくらか払って見逃してもらう。

eBayで売り買いされるイベントチケットはすさまじい量だが、eBayは自分たちの手はほとんど汚さないでこれをやっている。チケットを直接所有するこ とは絶対ないので中古チケット再販関連法の規制の網はこれで逃れることができる。 州法にはチケット再販を規制する複雑な法律が各種あるが、eBayはこうした法律にも遵守努力を払っている。eBayでチケットを売るブローカーにして も、その多くはeBayに利用を禁じられたら困るので、そうならないようカスタマーへの対応はとても良い。


eBayがStubHubを買収?

eBayに似た売り買い市場で、ここ数年業績が目覚しいのがStubHubである。噂によると昨年1年間で$400M(4億ドル)を超えるチケット取引を さばき、$10M(1千万ドル)の利益をあげた。eBayがStubHubを$300M(3億ドル)前後で買収交渉の最中らしい、という噂はしばらく前からある。この話はBambi Franciscoが昨年10月に初めて報じ、今日はウォールストリートジャーナルもここ(閲覧は要購読)で追いかけた。それによると買収は早くて今週にも成立の可能性があるという。早速われわれもeBayの情報源に話を聞いてみたが昨年10月の噂は否定した彼らが、どうしたわけか今日はやけに言葉少なだ。
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  • http://jp.techcrunch.com/archives/its-official-ebay-is-buying-stubhub-for-310-million/ TechCrunch Japanese アーカイブ » 正式発表 – eBayがStubHubを$310Mで買収

    [...] フィード購読 « Previous post [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/super-bowl-tickets-at-a-fraction-of-the-price-super-deal-or-super-swindle/ TechCrunch Japanese アーカイブ » スーパーボウルのチケットを激安で:チケットの先物取引

    [...] スポーツや演劇やコンサートの安売チケットの市場といえば、よく言って怪しげ、ひどければ完全な詐欺だ。この業界について私の実体験を綴った記事を1年前に書いた。チケットブローカーは現金の手渡しが多くて、経理はいい加減、他人を出し抜くためには脱税も辞さない。買い手を見つけてからチケットを探しに行くのも日常的なやり方だ。思うような値段でなければ(よくあること)ブローカーは平気で反故にする。しかもチケットの2次販売は、多くの州で規制されているか全面禁止されているので、市場そのものがグレイになり勝ちで、客は減り価格は高騰する。偽造チケットが横行して混乱に輪をかける。だからといってeBayがこの市場から手を引く気配はない(むしろもっとおとなしいといえるバーチャルグッズは禁止しているのだが)。それどころか去年の1月には。2次流通チケットマーケットプレイスのStubhubを$310M(3億1000万ドル)で買収して、さらに拍車をかけた。一方では新しいタイプのスタートアップが、そんなチケット市場を、株式市場と同じようなやり方で証券化しようとしている。中でも Yoonewというスタートアップがその先頭を走る。Yoonewは現在フットボールのチケットに焦点を絞っていて、Super Bowlが最大のイベントだ。Super Bowlのチケットのためなら$2000でも、それ以上(いくらでも)でも払う人がいる。良い席が欲しくて、評判の良いブローカー(あくまでも相対的な話だが)から買うとなれば、びっくりするような金額を払うことになる。ギリギリまで待てば、特に人気チームが出場しないときなら安く買えることもある。が、もっと高くついたり、買い損うリスクもある。舞台裏にはマーケットメーカーがいる。実際のチケットを持っているほんの一握りの人たちのことで、NFLの選手や関係者や公式スポンサー、それにそこからチケットを買う人たちなどだ。いくら払うかはゲームの経済的価値に基づいて決まり、毎年巨額の資金がリスコをもって投じられる。そして、このチケットが消費者に向けて売りに出される。うまくやれば大儲けをし、失敗すればたった1試合のために仕事を失う。Yoonewはこのリスクを商品化にして、個々のチケットバイヤー、即ち実際にゲームを見に行く人たちが手にすることができるようにした。ひいきのチームが出られるかどうかもわからないうちにチケットを買うのではなく、チームが出場することに賭けるコントラクトを買う。実際にそのチームが出場すれば、追加費用なしでチケットが手に入る。チームが出場できなければ、コントラクトに払った金は返ってこない。価格は市場が決める。コントラクトは安ければ数百ドル程度から買える(残っているチームが出場できる確率が急上昇するのにつれて、価格は上り続ける)。これは、ふつうならSuper Bowlに手の届かないファンにとって大きな魅力だ。早いうちに買って、あとは幸運を祈るだけだ。Yoonewによると、コントラクトは保証されていて、これまでに詐欺やチケットが届かなかった例はないという。ただし、サイトのどこを見てもその保証内容について書かれたリンクは見つからない。Forbesの記事によると、払った金の3倍が保証されるということだが、それを示す証拠はサイトに見あたらない。3倍の金をもらったとしても、ひいきチームが出場したのに見に行けないという損失を埋め合わせてはくれない。よって、昔から言われるとおり「買い主をして警戒せしめよ」ということだ。この会社とファウンダーらについての詳しい経歴はここにある。会社は2004年に設立されたが、ビジネスモデル実現するまでには縮小を繰り返し、倒産寸前まで追い込まれたこともあるようだ。[原文へ](翻訳:Nob Takahashi) yoonew [...]