2008年2月19日

初見:Klusterの市場アプローチによるクラウドソーシング

Erick Schonfeld

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kluster-logo.pngクラウドソーシングはWikipediaではうまくいくかもしれないが、これを使いこなしている企業はほとんどない。基本的な考え方は、外部の人間できれば顧客を集めてきて、製品や何らかのプロジェクトの設計をさせるということ。クラウドソーシングは急速に混みあった分野になってきていて、ほんの一部を挙げただけでも、InnocentiveCambrian House、まもなくスタート予定のCrowdSpiritIdeablobなどがある。バーモント州Burlingtonのスタートアップ、KlusterのCEO Ben Kaufmanは、参加者がやる気を出して、一番良いアイディアを推進するために必要なのは、市場原理に似たインセンティブだと考えている。

Klusterは今日(米国時間2/18)の午後、パブリックベータを開始し、来週のTEDカンファレンスでは来場者に公開する予定だ。このシステムには企業がプロジェクトのフェーズごとに、報奨金を払う仕組みが組み込まれている。選ばれたアイディアを後押しした参加者にも報奨金が与えられる。プロジェクトは、ロゴ作成や市場キャンペーンから製品の設計まで多岐にわたる。

kluster-stats-small.png参加者には、Wattと呼ばれるポイントが与えられ、これをいろいろなプロジェクトに投じることができる。Kaufmanが次のように説明している。

われわれのWattシステムは通貨に似ています。まず、一定額のWattをもらいます。何かをするごとにWattが増えていきます。アイディアに投票するかわりに、気に入ったアイディアにはWattを投資するのです。

例えば、企業がKlusterから生まれた新ロゴに$5000を出すと決めたら、グラフィックに覚えのあるメンバーが案をいくつかアップロードする。他のメンバーは、その企業にいちばん合っていると思うデザインにWattを投資したり、改善の提案をしたり、自分が修正したロゴをアップロードすることができる。最終的に企業が選んだロゴに$5000が与えられ、そのロゴを推したメンバーの間で、寄与した程度や、どれほど早いうちから推していたか、投資した全Watt額の占める割合などに基づいて、報奨金が分配される。個々のプロジェクト内での自分の投資比率はKlusterが計算してくれる。

Wattが直接ドルに換算されることはないが、各メンバーが手にする現金の額には影響を与える。フェーズ終了ごとに、敗れたアイディアに投資されたWattは、採用されたアイディアの出資者の間で均等に分配かれる。Wattをたくさん集めた人は、コミュニティー内での地位があがり、その後のプロジェクトに投資できる額が増える。

mophiebevy.jpegKaufmanは、Klusterのアイディアを前のスタートアップMophieで思い付いた。MophieはiPodアクセサリーを販売していた会社で、最近mStationに買収された(金額は不明)。Mophieのヒット作のひとつがBevyという、iPod Shuffleのケースと、栓抜き、コード巻き取り、キーチェーンがひとつになったオールインワン製品だ。Mophieは昨年のMac Worldカンファレンスで、72時間のうちに3万人の顧客を声を聞いてデザインしたのだが、その時に使ったのがKlusterの前身になるソフトウェアだった。Kaufmanによると、Mophieはその$15のケースを数十万個販売したという。

KaufmanはMophieの売上にVillage Venturesからの$1M(100万ドル)の資金を加えてKlusterを設立した。ビジネスモデルは、参加する企業から料金を徴収する。メンバーに支払われる報奨金の15%が、別途Klusterに支払われる。企業がクラウドソーシングのセッションをプライベートで開きたい場合は、参加人数に応じて別料金がかかる(公開プロジェクトは無料でホストされる)。Kaufmanはほかにも収益の道を探っている。特定のスキルを持つ参加者を集めたり(グラフィックデザイナー経験者なら$5、など)、トップページにスポンサー付の「特集」を書いてプロジェクトを宣伝したり、ユーザー調査、分析、ターゲット広告などをすることを考えている。

Klusterの成否は、サイトに集まる人たちの才能の質と、アクティブメンバーがプロジェクトにどの程度参加してくれるかにかかっている。メンバーは、いろいろなアイディアについて議論したり、写真やビデオやCADファイルまでアップロードできる。ひとりひとりにプロフィールページがあり、今何Watt持っているかがわかる。残念ながら、このサイトにはウェブベースで製品デザインをするためのソフトウェアが用意されていないが、これこそがクラウドソーシングサイトが本当に必要としているものだろう。

それでもKlusterは、戦いの半分である経済的インセンティブについてはうまくやっている。残りの半分は、企業にとっての価値を認めさせることだ。Kaufmanによれば、企業は今のところこれを、熱心な顧客を繋ぎ止めて、うまくいけばバイラルな口コミを生んでくれるかもしれないマーケティング活動のひとつと位置づけているようだ。これが実際にイノベーションの源であると見てもらうためには、このプロセスからヒット商品が生まれる必要がある。

Kaufmanは当初、先に報奨金を出すのではなく、いずれ採用商品が売れたときに、1ユニットに付き$1のロイヤリティを出すような経済のしくみを作りたいと考えていた。結局それには無理があったのだが、このすべてが目指している方向はそこにある。クラウドソーシングが本物になるためには、どの製品が一番なのかは市場が決める必要がある。どこかのブランドマネージャーではない。

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kluster-1.pngklusterskate-logos.png

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

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