Fred Wilsonの言うことは筋が通らず、偽善的な上に、利害が衝突している
by Michael Arrington on 2008年2月18日

今日、Fred Wilsonは「一部のブロガーは記事の質をもう一段レベルアップしてメインストリームのジャーナリストに近づく必要がある」 という記事を公表して騒ぎに火をつけた

「記事の質を高める」のは一般的に言えばけっこうなことだろう。ただし、現在多くのブロガーの記事、ことにテクノロジー関係のブログ記事の水準はメインストリームメディアに比べて劣らないどころか、たいていのメインストリームメディアより優れていると思う。企業側から提供される解禁日があるニュースリリースの類ではなく、内部の情報源や業界の事情通のネットワークがなければ手に入らないような本当の特ダネの場合、いくら編集やリサーチの技術が高くてもどうにもならないので、一層ブログの優位性は高いと言える。Fred Wilsonの主張は、そうなると、あらゆるニュース記事の執筆者は質を高めなければならないという話になってしまうが、それでは何も具体的なことを言っていないに等しい。

通常私はこういった記事はいちいち問題にしない。ただし、それが部分的にせよ、われわれに向けられている場合は別だ。Wilsonは特にTechCrunchのErick Schonfeldがソーシャル・ゲーム・プラットフォームについて書いた記事とVentureBeatのMatt MarshallがLikeについて書いた記事を取り上げている。

Wilsonの不平はMattに対する場合、 Likeについて書いた記事でライバルのThisNextを適切に紹介していないというのだ。それから2番目がZyngaSGNについてのErickの記事についてで、Wilsonは「この2社はヒラリーとオバマよろしく首の差で激しく競走している〔ように書かれている〕が、Zyngaの方がケタ違いに大きい」と主張している。

ところがWilsonは記事中でこの問題に関して利害関係があることを表明している。ThisNextのファウンダーとは友人で、Zyngaに投資しているというのだ。この時点でWilsonの意見の信頼性には大きな疑問符がつくことになるのは避けられない。Wilsonが攻撃している2人のブロガーはこれらのスタートアップに関して何の利害関係ももっていない。

そもそもWilsonは2人のブロガーが共に、Matt(San Jose Mercury News)も Erick(Fortune、Business 2.0)も年季の入ったメインストリームメディアのジャーナリストで、最近ブロガーに転じたことを知らないようだ。これではWilsonのブログ対メインストリームという議論の説得力はますます失われる。

私の印象では、MattはLikeの最近の躍進に焦点を当てながら、ライバルの紹介にも気を配ったすぐれた記事を書いていると思う。Erickの記事については、もちろん私はより詳しく事情を知っているわけだが、文句のつけようがないものだ。Erickは両プラットフォームの長所と弱点を公平に論じたうえで、どちらに(あるいは双方に)参加するかは最終的にはデベロッパー自身の判断による他ないと論じている。ErickはさらにWilsonにインタビューして記事中で発言を引用している。

というわけで要するにこういうことだろう。Wilsonは記事の内容が気に入らなかった。しかし単に記事の内容に同意できないとして、個々の論点に反論するかわりに記者の評判を攻撃しにかかったわけだ。このような態度は、仮にWilsonの論点自体が正しかろうと許されるものではない。ところが事実は彼の議論は間違っている上に利害関係があるのだから、とうてい弁解できない誤った主張というしかない。

そもそもWilson自身で他人に要求した職業的誠実さの基準を自ら破っている。彼は記事を執筆する前にErickとMattと話をすることを怠っているし、自分の主張を裏付ける事実を収集することも気にとめていないようだ。私はWilsonとtwitterでやりとりをしたが、その中でWilsonは自分の怠慢の事実を「自分はブロガーだから」という理由で弁解している。「ブロガーなら思ったことを書いてもよいが、いったんジャーナリストになったら別の基準に従わねばならない」というのだ。

はっきり言って意味が分からない。ブロガーは思ったことを書いてよいが、ジャーナリストは書いてはいけない、だって? Wilsonが言いたいのはおそらくErickとMattはブロガーではなくジャーナリストなのだから、より高い基準に従わねばならないとというのだろう。その高い基準とやらにWilson自身は従わないと明言しているのだが。これが偽善でなかったら何が偽善だ、と私には思える。

さらにWilsonは最初の記事へのコメントの中で「Erickは誤解しているわけではない…しかし正しい理解をする機会を逃している」と書いている。

いったい全体どうやったら同時に間違っている同時に正しい、などということが可能なのか?

Wilsonはフォローアップの中で、部分的に最初の記事中の主張を引っ込めて、ErickとMattに向けて石を投げたことを遺憾として「特にこの2人を非難するつもりではなかった」と言っている。しかしWilsonはそれに続けて「全体としてこの問題に関して活発な議論を呼び起こすことができたのだから結局は良かった」などと書いている。

Fred、言っておくがそれでは謝罪になっていない。両者の記事はともに良く調査され、良く書かれていたことを認めなければ、 謝罪にはならない。記事の結論が自分の意見と違うからといって記者の評判に個人攻撃を加えるのは間違っている。

最後にひとこと。コメントの中でFredはSGNが「本物の会社でないのは議論の余地がない」と主張している。しかしわれわれが街で聞いたところでは、きわめて著名なベンチャーキャピタリストが巨額の資金をFredの意見とは逆の方向に投じようとしているということだ。

アップデート:Mathew Ingramは、私が上でFredに厳しく当たりすぎているのではないかと書いた。私は必ずしもそうは思わない。だいたいFredは人に厳しく当たる傾向があので、こちらも厳しくやり返したまでだ。しかし読者の多くが知らないことだと思うので、そういう事情があることを一言付け加えておく。

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(翻訳:Namekawa, U)