Google News、メディアにライセンス料を支払って現状が維持できるか?
by Duncan Riley 2007 年 5 月 22 日 append.gif この記事をBuzzurlにブックマークする

googlenews.pngスコットランドの新聞Sunday Heraldは、Googleが英国の有力ニュースグループ数社との間でGoogle Newsへのコンテンツ利用のためのライセンス契約を密かに結んだという記事を掲載している。

記事によるとこの契約が秘密にされているのは、他のメディア企業が同様の契約を結ぶようGoogleに要求してくるのを防ぐためだという。

GoogleがGoogle Newsに他のニュースサイトの記事の見出しとリードの一部を引用し、リンクを張る行為は、そのサイトへトラフィックを誘導するものであって、正当な引用であるという議論を私は認めてきた。しかしGoogleのこの主張はベルギーの法廷で退けられており、Googleはどうやら英国でも―あるは全世界で―この主張が維持できないかもしれないと判断したようだ。

GoogleはGoogle Newsに広告を掲載せず、収益を上げていないことを倫理的な優位性の論拠のひとつとしてきた。しかしGoogleが今やニュースメディアサイトにトラフィックを誘導するリンクを張るためにライセンス料を支払う契約を結ぶよう強いられたとなると、果たしてGoogleNewsは現状のまま維持できるのだろうか?

これは典型的な「キャッチ22(*1)」的状況だ。もしGoogleがGoogle Newsに広告の掲載を始めれば、メディア企業側の「Googleは著作権を侵害している」という主張にいっそうの根拠を与えることになるだろう。しかしメディア企業にライセンス料を支払うことはGoogleNewsの制作コストを押し上げる。Googleは他の何千というメディアに対してもコンテンツ利用料を支払うような破目に陥らずになんとかこのコストを穴埋めする方法を見出したいところだ。

それにこれはGoogleだけの問題ではない。理屈からいえば、大手メディアのコンテンツの一部を引用しているあらゆるサイトはすぐに同じ問題に直面することになる。TopixとDiggはすぐに思いつく例だが、多数の小規模なスタートアップから無数の個人サイトまで、メインストリームメディアを検索、引用しているサイトもすべて同様だ。

ヨーロッパに比べて、米国著作権法のもとでは「公正な使用 fair use」という強力な条項が存在するので、現状ではこれは主にヨーロッパでの問題かもしれない。しかしYouTube問題でGoogleを著作権法違反で訴えるメディア企業の数が増している現状では、次に標的になるのがGoogleNewsであってもおかしくない。しかもこれには前例が存在する。Googleはすでに米国へのコンテンツの配信に関してAP通信とライセンス契約を結んでいる。これは他のメディア企業にとって、Googleに同様の契約を要求し、あるいはGoogleNewsが記事の検索、一部を引用しているのを著作権侵害だと主張する根拠に完璧になりうる。

(*1)キャッチ22:逃れようなく、どうしようもない状況のこと

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