Facebookが失敗したものをGoogleならうまくやれるのか。Googleはソーシャルネットワークアプリケーション用の自前のプラットフォーム、OpenSocialでFacebookを追いかけている(まだ先は長い)。こんどは、Facebookの物議をかもしたBeaconプログラムの一部をOpenSocialに組み入れようとしているらしいという。当初のやり方で巻き起こったプライバシー問題のために、FacebookのCEO Mark Zuckerbergが謝罪するはめになったあれだ。
Epicurious、Yelp、ChaseなどBeaconのパートナーになった他のウェブサイトでは、やってきたFacebookメンバーがある決められた行動をとると、その情報をFacebookに送り込み、メンバーのニュースフィードの一部として友人から見えるようになる。どんなメッセージになるかといえば、例えば、「MaryがEpicurous.comでレモンパイのレシピに評価をつけた」とか「SamがYelpでPalace Hotelのレビューを書いた」とか「DannyがChaseでクレジットカードを申し込んだ」など。しかし、プライバシーポリスの反対運動にあい、それ以来Facebookはメンバーがオプトアウトしやすいように変更した。
こうした議論があるなかで、すこしでもBeaconライクなものにGoogleが近づこうとするとは誰も思わないだろう。しかし、この件に詳しい筋によると、GoogleはFacebook Beaconのパートナーの少なくとも1社、おそらくもっと多くと接触して、Googleが「ユニバーサルアクティビティーストリーム」と呼ぶこのOpenSocialでの取り組みの支援者を集めようとしているという。この「ユニバーサルアクティビティーストリーム」は、ユーザーがオンライン上で行ったあらゆる行為を「FacebookのBeaconと同じく」取りまとめてテキストにしたものを、GoogleやMySpaceやBeboなどのOpenSocialパートナーサイトからパーソナルアクティビティのフィードとして送り出そうというもの。Googleでいえば、こうしたフィードはGmailやiGoogle、Google Readerなどに表示されることになる。ユニバーサルアクティビティストリームは来年の2月か3月にローンチする予定。
以上の話はどれもまだかなり初期段階にあるので、Googleがユニバーサルアクティビティストリームの公開をやめる、という可能性もある。Beaconパートナーとの接触をはじめたばかり、というところだろう。YelpのCEOでBeaconパートナーのJeremy Stopplemanはこう語っている、「Googleからはこの件について何も聞いていない。Beaconでの騒ぎのほとんどは、オプトインかオプトアウトかという部分なので、Googleはみんなが安心するようにもっと安全な方法をとるだろう」。別のBeaconパートナーで、やはりGoogleからの接触はないというある人によると「この話は人づてには聞いた。そりゃあGoogleがやらない手はないでしょう」。Googleからのコメントはない。
Googleにとって「アクティビティストリーム」はいつでも計画に含まれていた。じっさい、デベロッパーは同じような「アクティビティストリーム」を今でも自分のアプリケーション用に作ることもできる。OpenSocialの開始以来、ドキュメント(こちらで読める)には必ず、デベロッパーが選んだホスト上でのユーザー行動をレポートするアクティビティストリーム、のサポートについて書かれている。このストリームは、OpenSocialのアクティブストリームAPIに基づいて作られたウイジェットを通じて利用できる。しかしながら現在Googleは、こうしたストリームは本来営利目的のものではないとしている。
メッセージというものは、自分のアプリケーションやサービスのユーザーがとった行動に関するものであるべきだ。ユーザーが実際に行った行為に基づかない広告などのメッセージは公開するべきではない。Googleでは、広告を送ったりフィードを乱用するクライアントを見つけたら、そのクライアントからのアクティビティサービスへの書き込みをブロックするつもりだ。
新しい取り組みでは、アクティビティストリームの機能が拡張されてBeaconと似たものになるかもしれない。ただし、Googleが[広告禁止の]ルールを変えるつもりなのか、非商用メッセージを使うBeaconパートナーとだけ接触しているのかはわからない。Beaconの場合でも、パートナーサイトが共有するのは、そこのサイトで「ユーザーがとった行動」だけだ。わかりにくいのは、行動自体に商用価値がある場合だ。
私のレストランやホテルの評価を共有することは、一種の宣伝ではないのか。それとも、単に役に立つおススメだろうか。ウェブでの個人のソーシャル行動を集めて、フィードで共有するという発想は、必ずしも広告に結びついているわけではない。Googleが出資して実験的に支援しているCarnegie Mellon大学のSocialstreamプロジェクトがその一例だ。ウェブでの自分のソーシャル行動を友人や知人と共有できることには意味がある。企業が問題を起こすのは、こうしたソーシャルな交流に、まずいやり方でマーケターを相乗りさせてしまったときだ。
Googleには、FacebookのBeacon騒動を見て学習したことを重く受け止めてくれていることを願いたい。同じような反発を避けたいのであれば、Googleではプログラムをオプトアウトではなくオプトイン方式にする必要がある(Beaconは未だにオプトアウト)。スタート時は完全に非商用にすることも考えるべきだろう。パートナーサイトは、当時者から暗黙の了解が得られるようになるまでは、「いかなる」情報もGoogleサーバーに送るべきではない。そして消費者には、共有したい情報としたくない情報をサイトごとに細かく制御できるようにするべきだ。しかし、このユニバーサルアクティビティストリームが、私のBeboのフィードやGmailに流れてきて、そのテキストがAdSense広告になるとしたら…タチが悪すぎる。
(同僚のNick Gonzalezには、この記事のために重要な情報を提供してもらった)。
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(翻訳:Nob Takahashi)




