ハリウッドの脚本家のストライキが続行中だが、TV局は脚本のいらない「リアリティー・ショー」のような番組の企画に多数青信号を出すようだ。オハイオ州コロンバスの連続起業家、Wil Schroterはこういった番組の企画の助けになるGotCast をスタートさせている。(SchroterはまたGoBig Networkというスタートアップと投資家のためのCraigslistのようなサービスのCEOでもある)。10月1日にひっそりとベータ版が公開されたGotCastは、オンラインでのキャスティング専用のサービスだ。
Schroterの推定によれば、400の映画スタジオとテレビ局が常時1万5千の役に出演者を求めており、そのうち85%が脚本を必要としない役だという。Schroterは「現在のキャスティング・ビジネスは伝統的な脚本のある役の出演者を求めるためのシステムで、リアリティー・ショー系のテレビ番組が本当らしく見えるのに必要な一般人男女をキャスティングするにはまったく不向きだ。キャスティング・ディレクターはやむなくYouTubeやMySpaceでタレントを発掘しているが、組織だったやり方はまだない」と述べている。これが、TV番組や現在盛んになりつつあるウェブや携帯で配信されるビデオショー向けにタレントを発見し、スカウトすることを目的としてGotCastが設立された理由だ。キャスティング・ディレクターやタレントのエージェントは、このサイトに役の募集を告知する。一方、役を求めている俳優、タレント志望者は経歴や年齢、身長、体重といった重要事項に加えて写真やビデオをプロフィールページにアップロードする。このサイトの訪問者は誰でもその役に対して誰が似つかわしいか、Digg方式で応募者を評価することができる。その役についてトップ10位までの投票を受けた候補者は、次に本物のタレント・エージェントやキャスティング・ディレクターが審査員を務めるパネルに送られる。最終候補者は役のテストのためにハリウッドに飛ぶことになる。
このサイトは要するに自己宣伝の舞台だ。そこで役の志望者は自分への投票を増やすために、友達にメールで総動員をかけたり、GotCastのウィジェットをMySpaceやFacebookのページに貼り付けたり、自分のビデオをYouTubeにアップロードしたりしてクチコミの輪を広げるよう勧められている。Schroterのビジネスプランでは、最初の1年で250の役のキャスティングを扱うことで、500万の登録ユーザーを集めたい(125万の志望者と375万の投票者)ともくろんでいる。彼はまた2010年までには年間750の役を処理し、 3千万の登録ユーザーを集めたい(750万の志望者と2250万の投票者)としている。彼の目には希望の星が映っているに違いない。しかしこういうのはまったく机上の数字で、別に意味はない。しかし、どういうビジネスモデルを考えているのかを理解する助けにはなる―まずまず実際の数字は上に挙げたよりずっと低いものになるだろうが。
現在「Young Hollywood」から2つの役が募集されている。有名人を赤絨毯の上で〔セレモニー会場などで〕インタビューするフレッシュなタレント、もうひとつはHDNetから放映予定のアドベンチャー旅行ショー「Get Out」中の役だ。Schroterは将来 G4 (ビデオゲーム・ネットワーク)、SiTV (ヒスパニック向けTV)Ripe TV (Skinemaxを強化したようなオンデマンド・チャンネル)、GoTV (モバイル向けTV)などと提携してキャスティング・サービスを提供したいとしている。みんなニッチ・マーケット狙いのチャンネルではあるが、出来るところから始めるほかない。
現在までこのサイトはSchroterの自己資金、約$500,000(50万ドル)でまかなわれてきたが、向う数週間で$3M(300万ドル)のエンジェル投資を募りたいということだ。収入モデルについては、基本的に通常の広告をメインに予定しているが、加えて、スポンサー付キャスティングやHotorNot方式で他のメンバーとコンタクトを取りたいメンバーから月額$10の会費を取ることも考えている。スポンサー付キャスティングというのは要するに映画、番組のプロモーションだ。たとえば、「Transformers2」が端役を募集するというような例が考えられる。オンライン・オーディションにファンの少年たちが殺到してくれれば映画のバイラルな宣伝になる。(こういった企画のスポンサー料は$50,000から$250,000だという)。しかし、会費を取ってデートサービスを始めるというのは、GotCastには未来のセレブを夢見ている目指しているユーザーが多いとすると、いささか場違いのようにも思える。
いずれにせよ、このサービスが成功するか否かはひとつの点にかかっている。どれだけ質の高いタレントの卵を集められるかだ。現在のところこのサイトのプロフィールはいささか安っぽく見える。しかもオンラインへのビデオのアップロードによってタレントのスカウトを行おうとするサイトが、Crackle (これはSonyが運営している。ご注意)を始め、すでにいくつもある。しかし、インターネットはタレント志望者であれ何であれ、検索のコストを事実上消滅させた。その上、American Idolが人気番組で、だれもかれもがスターになりたがっている。少なくともGotCastはそういった時代の流れを象徴してはいる。
Crunchbase GotCast
Crunchbase Crackle
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(翻訳:Namekawa, U)




