報道番組『60 Minutes』のインタビューでRedfin CEOのGlenn Kelmanがこう言った。「アメリカで不動産ほどダメな業界はこれまでない」。その通りかもしれないし違うかもしれないが、ひとつだけ確かに言えるのはこうだ。:大勢の人が不動産仲介業者では嫌な目に遭っており、みんなもっと他に家の売り買いができる良い方法があればいいと思っている。
で、不動産業界が腐りきってると書くと必ず不動産業者の連中が現れてコメントを荒らしまくるのだ。職業柄かなり積極的なグループ…自分の声に聞き惚れるようなタイプの人々を引き寄せているようで、そう考えると不動産プロフェッショナルのブログ専用プラットフォームActive Rainの成功も納得がいく。2006年6月開設のこのサイトは翌2007年3月までにブロガー2万人を集め、うち1万2000人が不動産業者だった。
そのサービスが今、Move.comというサイト・コレクションの会社と係争中なのだ(Move.comの収集サイトには全米不動産協会の公式サイトもある)。2006年後半ActiveRainは資金を調達できなければMove.comに身売りすることで話し合いのテーブルにのった。2007年1月、両社は守秘義務契約書の署名を取り交わした。そして2ヵ月後、Move.comはActive Rainに$30M(3000万ドル)で買収する意思のあることを示す予備的合意(LOI)を送った。このとき実際どちらか1社でも署名・締結したかどうかは、はっきりとは分からない。
ここから俄然、話は面白くなる。
Active Rainの訴状によると、Move.comはActive Rainに買収合併は予定通り進んでいると言い続け、事業に関する大量の情報を求め続けた。Active Rainは言われた通りオーナーと担当オフィサーたちが何週間もの時間をかけて情報をコンパイルした。Move.comはActive Rainに対し、買収提案はMove.comの取締役会議で満場一致で承認され、細かい点さえ修正すれば買収成立に持ち込めるだろう、と語ったようだ。
やがて、とどめの一撃がきた。Move.comがActive Rainに”会員およびネットワークに関する機密性の高い情報”を含むデータベースのダウンロードを要請したのだ。2007年5月3日、Active Rainはそのデータをコンパイルして送った。
するとなんと”数時間”も経たぬうちにMove.comからActive Rainに「買収から撤退する」旨、告知が届いたのだ。そして数日後、Move.comは「不動産業者のための無料ブログ」を一斉展開すると発表、Active Rainに対抗するサービスを始めた。新サービス開始のプレスリリースは8月に発行されている。
$33M(3300万ドル)の裁判は現在も係争中。Move.comは起訴事実の一部を否定する回答を提出、陪審裁判の開廷を求めている。
現時点ではこれ以上付け足すことはない。Active RainもMove.comを頭から信用して買収手続き完了前に肝心要の顧客情報を手渡すなんて、とんだお人好しだし、Move.comは相当の悪人だ。 この件はどう決着がつくか、ちょっと見ものという気がする。そうこうしている間にも気のいい奴らがこのいかがわしい不動産のビジネスモデルを丸ごと破壊しかけているわけで、結局最後に勝つのは彼ら…と願いたいんだが。
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