共同購入からメディア連携までソーシャルなECサイトはその名もVIVA JAPAN
by Ryuichi Nishida on 2011年8月18日

メーカーで作られる商品はだいたい生産数が決められていて、リアルな店舗も含めて各店舗が仕入れられる商品の個数は予め決まっているのだそうだ。特にシーズン性の高いファッション商品は、たとえヒットとしたとしても、追加生産するころには商機を逸しているから、改めて生産するなんてことをしないことが多い。一方で、インターネットでは商品の人気に火がつくと、どの店舗を検索してもその商品がなくなっているなんてことはよくある、リアルな店舗には在庫があるのにも関わらずだ。だからといって、メーカーは全体の在庫調整をするってことはないし、売れない商品を大量に仕入れても仕方がないので、結局は店舗側の仕入れ担当にはいろんな裁量が求められる。

一方でインターネットでは商品の価格はむき出しになるので、ECとなると安いところに競争優位性が働いて、結局は粗利の低いビジネスになる。そういう話を聞くと、EC運営はなかなか難しい商売だと痛感させられる。だからカフェグルーヴがやろうとしているVIVA JAPANについてはなんとなく理解することができた。

さまざまなビジネスを手がける東京のカフェグルーヴはすでに創業10年を超えてもうスタートアップ企業とは呼べないのかもしれない。最近ではEC事業に進出していて、各ブランドとそのブランドのECのショップを立ち上げるといったことを行っている。ブランド直営のECショップを始めたのは価格競争に陥らないからだそうだが、そうであっても在庫のコントロールは難しい。また、獲得した顧客に限定商品のようなアップセルを可能にしても、他のブランドの商品を販売するようなクロスセルはできなかった。

彼らが立ち上げるVIVA JAPANはそういったことを解決する要素がいくつか入っている。ソーシャルECと銘打ったVIVA JAPANのショップには、TwitterやFacebookとの連携により、自分が買った商品情報をソーシャルメディアに流したり、自分が買った商品に対するコメントが流れてきたり、あるいはQuoraよろしく商品や会員をフォローすることで、それらに付けられた他人からのコメントが流れてくるのだそうだ。友人が「いいね!」と言ってくれたり、誰かに買ったものを自慢したり、友人が買ったものを眺めたりといったことで、買い物を楽しもうということだ。

各ブランドごとにサイトは運営されるようになるのだが、こういったソーシャル性を活用することによって、うまく商流をつくっていくことで、買い物をエンターテインメントしていきたいとカフェグルーヴ代表取締役の浜田寿人氏は言う。

究極的には、ブランドのプロダクト開発者(ファッションデザイナーとか)が「こういったものを作りたい」というのを提示して、商品を買ってくれる人が揃った時点で生産を開始するといった、共同購買のような、あるいはもっといえば、最近のKickstarterのようなスタイルなどもECとして導入していきたいということだ。本来はすべてこの方法、つまりオーダーによって販売がすべて完結すれば在庫リスクもなくなる。ただ、多くの消費者にはオーダー生産の買い方は慣れていなくて、実際には完成品を求めるケースが多い。だから、既存の完成品をソーシャルメディアとの連携を図りながら販売する方法と、Kickstarterのようなプロダクト開発者のファンサイト的なバイオーダーの要素を組み合わせたECサイトに仕立てあげていくのだそうだ。

最近はこういったソーシャル×◯◯◯といった話題にこと欠かない(たとえばECならこれ)。ただ、果たして、こういったアプローチが既存のビジネスを劇的に変化させるのかについては、まだ疑問点もある。というのも、そもそも必ずしもソーシャルグラフ内の人たちと、自分が買いたいものが一致していない可能性もあるし、だいたいにおいて商流の規模感が小さいので、ソーシャルメディア上で商品が話題になることも少ないのではないという疑念点もある。したがってある程度のサイズのメガブランドなどとの提携も必要になってくるのだろう。

ソーシャル性をのぞけば、VIVA JAPANが面白いのは、その笑ってしまうほどストレートなネーミングと日本の製品や日本で培われた製品を東南アジア向けにフルフィルメントで販売するサービスを展開するところなのかもしれない。海外向けに販路を見出そうとしているブランドにとってはそれも魅力に感じるだろう。来年には海外での売上比率を20パーセントまで高めたいと浜田氏は僕に語ってくれた。

VIVA JAPANが掲げるソーシャルECのプラットフォームはまだすべてが完成しているわけではないが、今後のECサイトの方向性を占うものかもしれない。

  • http://www.facebook.com/kent.omichi Kent Omichi

    いい加減ソーシャルってのに疲れてきた自分がいるが、個人的には他人が買ったものを買いたいと少しも思わないので使わないかな〜。。。そういう意味ではオーダーメイド的な売り方は「ふむ」と思ったが、結局人が集まってきて「これ欲しいよね?」「うん!欲しいよね」っていう流れは依然として気持ち悪い印象を受ける。実際そういう光景は結構見るけど。

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  • http://twitter.com/bousaishop 防災グッズランキングツイッター店

    IT業界では「たのみこむ」さんが先駆け。ソーシャルが皆無の時にスタート。
    しかし、広げすぎて低迷したような感じだ。

    たのみこむの失敗を分析すると、単純にオタク系に入り込みすぎたように思う。
    どの業界でも、自分の得意とする分野があり、それ以外は素人レベル。
    そのため、ワイワイ・ガヤガヤはするが、決まる率は低い。

    こういう手法は「合法のさくら」を上手く使うかである。
    見込み数量を超えなくてもよい。
    極端な場合、0人でも感触がよければつくり、あまったらバーゲンし、宣伝費として処理するしかない。
    こういうノウハウが優れている所が、どんどん「決まっている」ように感じる。

    お客様の買いたいものと、売れるものは同一化しない。
    商売の鉄則であり、売主が「売りたいもの」だけを売る。
    その流れが出来る商売人が非常に強い感じがする。