4月に開催されたTeclosionにも出演したインサイト・プラスが同社の最初となるプロダクトをリリースした。iOS向けアプリのShopping+がそのプロダクトなのだが、リアルな街の店舗で売られている商品の情報を友人同士でシェアしようというものだ。ここで重要になる情報は、商品の価格である。オンラインでは商品の価格は価格比較サイト――たとえば、今回Shopping+でも提携しているconeco.netだとか――によってむき出しになり誰もが参照できるようになっている。だが、リアルな店舗では、その価格情報は実際に店舗に足を運んでみないとわからなかった。
Shopping+ではユーザーは自分が興味を持っている商品にチェックインすることで、その商品がオンラインもオフラインも含めどこの店舗いくらで販売されているかを知ったり、その商品についてのクチコミを見られるようになっている。ユーザーはチェックインする際にリアルな店舗に訪れているのならば、その店舗でのその商品の価格を入力するように促される。オンラインの店舗の価格情報はconeco.netによって提供されるが、リアルな店舗での価格情報はこのようにユーザーの力によって集められるようになっている。扱う商品は現在のところは主に家電カテゴリーをサービスのターゲットしている。

商品へのチェックインは商品のパッケージなどにあるバーコードを読み取って行う。
もちろん商品を買うための決定事項は価格だけがすべてではないだろう。もし、すでに買うものが決まっているのであれば、実際にリアルな店舗に出向くよりも、オンライン上で価格を比較してオンラインショッピングで済ませたほうがラクである。
リアルな店舗に出向くのには理由があって、いますぐ必要だから買うということや、実際の商品を手にとって見比べたり、あるいは店員の説明にしたがって買う商品を決めたりするといったときに足を運ぶ。そういうときには、価格は商品を買う際に参考になるだろうが、それだけが商品を買う決定要因ではないかもしれない。価格以外に付随する情報なども含めてShopping+で情報をシェアすることで、友人からなんらかのフィードバックを得ることができるかもしれない。また、同じ商品を買おうと思っている人にも参考になるだろう。こういった場面を意図してこのプロダクトは設計されているのだろう。
店舗でのタイムセールだとか、人気商品の在庫状況だとか、その店舗でしか提供されない特別なサービス(オマケの提供だとか)などは店舗に行って初めてわかる情報だ。そういった情報が流通することで、店舗に足を運ぼうという人もいるかもしれない。そもそもは買い物中のユーザーをサポートするために作られているアプリだが、価格を始めとした商品の情報をフックにしたO2O(OnlineからOffline)の新しい動きを提供できるサービスとなるのかもしれない。
インサイト・プラスのファウンダーで代表取締役の八木岳郎氏によれば、今後は店舗と連動して、たとえばその店舗が持つ独自のポイントのユーザーIDとShopping+のユーザーIDを結びつけることで、実際に購入した商品とユーザーが比較して買わなかった商品などをマーケティングデータとして活用するといったことも考えているようだ。ユーザーに対しても、店舗内でチェックインすることで店舗で使えるクーポンやポイントの提供も行っていきたいとしている。
八木氏はアフィリエイトプロバイダーのトラフィックゲートの創業者の一人であり、オンライン上のマーケティング活動については熟知しているはずだ。そう意味で、新しいオフラインとオンラインをつなぐマーケティングのビジネスに次のスタートを漕ぎ出しているのだろう。
インサイト・プラスは現在、創業者とサイバーエージェントから2,000万円の資金を調達している。
