バーチャル経済とリアル経済の奇妙な融合を実現したインディーのネットラジオ局「WOXY」が、オンラインのCDスワッピング(交換)サービス「Lala」の登場で三途の川からリバイバルしている。オンラインの楽曲がCD産業に衰退をもたらすのではない、ということを目に見えるかたちで示してくれたのが、この Lalaだ。最初はどうかなと思っていたが、サイトを時間をかけていじってみたら、このラジオ戦略がとてもスマートなものであることが分かった。この会社 のことは以前にココでも書いている。
Lalaユーザーは郵送してもらいたいCDを選んで$1+送料75セントを支払う。すると、そのCDをスワップしていい他ユーザーたちに連絡が回って、彼らはそのCDを郵送する。Lala は1ドルをキープし、その一部(これまでのところ月5万ドル程度)をアーティスト助成基金に寄附。ユーザーは購入したいCDを選べば、その場ですぐに発送してもらえる。
今この会社がやろうとしているのがWOXY乗っ取りだ。これでユーザーたちがストリーミング配信のラジオ局を制作できるような環境を整え、その見返りとしてCDの交換や購入をインスパイアしてもらおう、というわけ。局のリスナーは番組で流れる楽曲トラックを収蔵したCDが欲しいと思えば、クリック数回で購入・交換のリクエストが可能。ラジオ局制作で使用できる楽曲は、第三者団体から使用許可を得ている。Lalaの予定では、$5M (500万ドル)~$10M(1,000万ドル)を局への投資に回すという。昨年同社は既にIgnition PartnersとBain Capital Partnersから$9M(900万ドル)のファンドを調達している。
Lala のユーザー牽引力は最近目覚ましスピードで向上している。同社発表によると、同社が取り扱うCDスワッピング数は月約10,000件。サイトにはサイト発 行者なら誰でもうらやむほどたくさんのコメントがついている。同社の話では、CD売上げは毎月倍増しており、先月は粗利が黒字に転じた。CDスワッピングのうち客からクレームの報告がつく取扱物件は全体の2%。ユーザー対象の評価システムも採用しているので、滅茶苦茶なクレームはできないようになっている。
たぶんLalaで一番普通と違うのは、参加者がスワッピングでCDを発送する際、CDからコピーしたデジタル楽曲は削除しなくてはならないことだ。これは大袈裟なようだが法的にはどうしても必要なこと。どれだけの頻度で起こるのか、ちょっと気になる。
ネットラジオ放送のライセンスでは、このように法的な落とし穴が沢山ある。それはFaces.comを見ても分かるだろう(関連エントリ) 。これはオーストラリアが拠点のソーシャルネットワーク。ユーザーのプレイリスト、オンライン楽曲販売、ネットラジオ放送のライセンス業務など扱ってい る。(ディスクロージャー: FacesはTechCrunchのスポンサー)。かたちある物体の取引きに関心のある人は、Swaptreeのエントリも一読されたい。
CDスワッピングと楽曲購入、ネットラジオ放送、DRMコンプライアンスの統合。僕の頭で理解するには少し時間がかかるが個人的にLalaは気に入っている。 これはLalaのユーザーベースが順調に成長していることとは別問題。ちょっと目が離せない会社、ということは間違いないだろう。
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