News Corp.のCOO、Peter Cherninが今日(米国時間9/12)出資者に対して、こんなことを言ったそうだ。「どのWeb 2.0アプリケーションも、YouTubeであろうと、Flickrであろうと、Photobucketであろうと、次世代Webアプリケーションのどれもそのほとんどは、MySpaceからお客を持っていっているようなものだ」。MultiChannel NewsはCherninが「News Corp.に競合ビジネスができない理由はない。特に、YouTube対抗は」と話したことを伝えている。Cherninはさらに「競合サービスのトラ フィックのほとんどが、ウチから行っていることを考えれば、すばらしいサービスとまでいかなくても競合に足りるサービスをウチが始めれば、勝てるかもしれないし、少なくともいい勝負はできると思っている」とも言っている。
Cherninが今日のMerrill Lynch Media & Entertainment Conferenceで話さなかったことがある。MySpaceの中で他社が存在を示す活動をやりにくくするためにFlash widgetからの外部リンクをブロックしたりしていること。これからこういう妨害が増えるのだろうか。競合のひとつであるFacebookは外部デベロッパーにAPIを公開して喝采を欲びたけれどもMySpaceがこのようにオープンになる可能性はゼロに等しい。
MySpaceがYouTubeと機能だけで戦おうというなら、これ以上できることがあるのかどうかわからない。MySpaceビデオプレーヤーに は、埋め込み、関連ビデオ、視聴者のコメントなどの機能がある。Cherninは、MySpaceはまだビデオにあまり力を入れていないから YouTubeのトラフィックのうち60~70%はMySpaceから来ているはず、と言っている。しかし、YouTubeのコミュニティで自前のスター が育ってくると、彼らはMySpaceはせいぜいリンクくらいにしか使わないから、だんだんそうはならなくなってくるはずだ。
Cherninは、News Corp.がMySpaceのビデオ・コマーシャルを増やすつもりだとも言っている。MySpaceがエンターテイメントをもっと積極的にやるところを見てほしいとのこと。YouTubeではビデオ・コマーシャルは大きなギャンブルと言われ続けていて、好評なものもある一方、ユーザーの大きな反感を買っているものもある。
まとめると: News Corp.のCOOは、Web 2.0はMySpaceからトラフィックをかすめ取っていて、自分たちはどのサービスとも競合することができて、サイト上のコマーシャルにも積極的である、と言っている。これはおそろしく傲慢なようであると同時に、外部のデベロッパーがMySpaceに依存することが、あまりにも危険であるという怖れを 立証しているようなものだ。
Om Malickはきのう(米国時間9/11)のBusiness Weekに突然、何もかもがWidgetsになった(Suddenly Everything’s Coming Up Widgets)という記事で、そこでは誰もが勝者だ、と書いている。 MySpaceのスティッキネス(利用時間)はさらに高まり、YouTubeとSlideのトラフィックは増えて、ユーザーはひとつのページで全部できるようになるのだから。どうやらMySpaceのオーナーは、みんなが勝つようなゲームはやりたくないらしい。
Newscorpの誰かが何か違うことを言ってくれるか、Cherninの言ったことが訂正されることを期待したい。いろいろな組織がデータを交換したりユーザーがプラットホーム間で情報を移行したりするところから生まれるイノベーションこそがWeb 2.0というものの本質だ。Cherninの発言はビジネス的には通用するのかもしれないが、イノベーションにとっては良い前兆ではない。サイト間で動作するウィジェットのすばらしさを知りたかったらTypepadのやり方や、ウィジェットのまとめサイトのWidgetboxを見てほしい。
驚く人はいないだろうと思っている。MySpaceのおぞましいコードを嫌っている外部デベロッパーたちは全員、「新感覚の自由」というものを感じることだろう。
