「群衆をリソース」とするニュースネットワーク「NowPublic.com」が$10.6M(1060万ドル)のシリーズA投資ラウンドを完了した。今回のラウンドはRho Venturesがリード、シード段階での投資家Brightspark 、The Working Opportunity Fundも参加している。
クラウドソーシングは、急速に浸透しつつある「市民ジャーナリズム」カテゴリーの一部。報道のプロではない人たちがニュース報道の過程に参加できるようにする全く新しいネットワークを張り巡らせる方法だ。その例には、コメント投稿から、ストーリーへの投票、それにブログを書くことなどまで。ニュースコメンテーターのJeff Jarvis はこの件についてかなり詳しく書いている 。NowPublicは、これらのツールを一般の人々に提供することで、一般市民が身の回りで起こりつつあることがらをレポート可能にするサイトだ。同様のツールを異なる方法で提供するサイトは他にも多数ある。例えば、NewsVine、OutsideIn、Digg、CitizenBay、最近ではTopix、それに、今ではデッドプール入りとなったBackfenceなど。
市民ジャーナリズムの中で、NowPublicは「群衆を人材として起用した」ニュースネットワークと見なされる。少数のユーザーからなるグループがコンテンツを制作する代わりに、あちこちにばらばらに存在するユーザーが多数のコンテンツを制作するというスタイルにストーリーの入手源を依存しているからだ。
NowPublicでは、誰でもサインアップして、ストーリーを投稿することができる。投稿対象となるカテゴリーは定番のもの(政治、カルチャー、エンターテイメント)から地方ニュースまで。また、ユーザーは自ら執筆したストーリー、それに自分で撮影した写真を(モバイルから)アップロード可能。あるいは、ウェブからでも同様にストーリーを投稿できる。投稿記事はカテゴリー別にユーザーから得た投票数によってランク付けされる。速報ニュースやスパムなどは、エディターが参加することでランキングを調整。
コミュニティ要素を基盤とするスタートアップ企業にとって、もっとも困難なことがらに一定数のユーザー獲得があるだろう。市民ジャーナリズムのスタートアップ企業Bayosphereは、充分な寄稿者を獲得できずに閉鎖となった。しかし、NowPublicは、ユーザー数118,000超、ユーザー居住国は140ヶ国以上、3,800を越す都市にまたがるという。同サイトの月間ユニークビジター数は100万以上。15,000 - 20,000人ほどの際立ってアクティブな寄稿者が参加しており、これら寄稿者は2〜5程度のストーリーを毎月投稿するという。
NowPublicが本領発揮するのは、現場にいる人びとからのレポートが入ってくるハブとしての機能を果たす場合。ハリケーン・カトリーナの被害が及んだ間、同サイトは2,000以上の人からの投稿を受け取り、事態の進行状況について投稿記事を掲載した。また、NowPublicは、Virginia Techの銃乱射事件、Alaskaでのフェリー座礁、ニュージャージーでの爆発物対応訓練の事故、それにバンクーバーの殺人事件の第一報を伝えたとされる。
ニュース機関がレポーターを常時派遣していない場所で発生したニュースを報道できるという強みがAssociated Pressとのパートナーシップ提携につながった。APは写真やストーリーを投稿者の提案する売値に基づいて購入を開始。NowPublicサイトはAPの4,000人にのぼるスタッフメンバーがカバーできないエリアでの取材、報道が可能だ。特に、ハリケーンの季節が近づく中、ハリケーンの多発地帯での報道を重視しているという。現在では、投稿者によるコンテンツ売買について手数料などは一切課していないが、将来的には、売り上げの25%をNowPublicとして課金する予定だ。NowPublicと提携を検討している主要メディアの数は7から10に上る。
バンクーバー拠点の同社は、2005年にスタートした。
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