Google Docs、Spreadsheetsを筆頭とする多数のウェブベースのオフィス生産性ソフトウェアが脅威となりつつあるのに、マイクロソフトがのんびりと気付きつつあるのは見ていてつらいものがある。10月に、マイクロソフトはOffice Live で、オンラインファイル共有を可能にする意図を発表(従来はウェブサイトホスティングとメールサービスだった)。その結果として、Office Liveは今、Office Live Small Business、Office Live Workspaceという二つのサービスとなった。
マイクロソフトが本件について発表したのは2ヶ月前だが、Office Live Workspaceの(まだプライベート段階の)ベータ版が公開されたのは今日(米国時間12/10)のことだ。つまり、ベータユーザーは、やっとサービス・テスト開始できるということ。(テスト参加への)招待状の順番待ちリストは、ここからサインアップできる(Windows Live IDが必要)。私は、マイクロソフトから同サービスについて説明を受け、デモ用アカウントへのアクセスを得た。
最初の発表の際、われわれは、「がっかりした」ということを述べておくべきだろう。例えば、「新Office Live Workspace利用により、オンラインでドキュメントを新たに作成する」あるいは、「既存ドキュメントをウェブにアップロード後、編集可能かどうか」などの説明も無かったからだ。さて、このどちらも実行可能だ。まあ、ある意味で、だが。
Office Live Workspaceでの大きなサブライズは、他のウェブベースサービスと、大方匹敵し得るようなきちんとしたオンラインワープロ「Web Notes」が含まれていることだ。スピーディだし、少数ながら様々なフォント、フォントサイズ、それにフォーマット形式に対応。華々しいものではないが、メモを書いたり、ちょっとしたことを書き留めたり、文章の下書き程度のものには充分だ。スペルチェック機能は無し。そして、アキレス腱とも言えるのは、Web Notesドキュメントはデスクトップにエクスポートできない。Web Notesで作成したものは、Office Liveに閉じ込められてしまうようなものだ。
Web Notesが、後から思いついたもののように思えるなら、それは、まさにその通りだからだ。Office Liveでのドキュメント作成は、Microsoft Wordによるはず。ワード文書を一旦Office Liveにアップロードしたら、ユーザーがデスクトップで文書を変更する都度、変更点は全て自動的に同期。だから、ワードで編集した内容は、全てOffice Liveのバージョンにも反映される(グッドバイ、 Live Documents)。Office LiveはSharepointのホスト付きバージョン。あいにく、XPかVistaを搭載、Office XPかそれ以降のバージョンを走らせているウィンドウズマシンのみで動作する。マックでは同期は全く機能しない。
ユーザーが、Officeの最近のバージョンを走らせているPCを利用している場合(大半のケースに当てはまると思ってよいだろう)、同期機能はかなりシームレスだ。1クリックのみで、デスクトップにドキュメントを保存でき、ワードで該当文書を開いて編集可能。文書を閉じた場合、新バージョンはOffice Liveに自動的に保存される。Office Liveでは、文書を他者と共有可能。共有者たちはOffice Liveからコメントしたり、同じようにダウンロードしてワードから編集したりもできる。Office Liveで全てのバージョンを追跡する、といった具合だ。
ある意味、理に適っている。一つには、マイクロソフトの大きな収入源であるデスクトップOfficeを保護することにつながるだろう。なぜなら、Office Liveの利点を利用するにはOfficeが必須となるからだ。しかし、馴染みのあるデスクトップアプリ利用のほうが快適だと大方の人たちが思うであろうことから、必ずしも悪いことではない。ワードを継続的に利用しながら、Office Liveで自動同期できるのはマイクロソフトの強みを見せることにつながり、オンラインドキュメント共有を簡単に可能にする。ユーザーはこれまでと(利用形態を)変更する必要は殆ど無いに等しい。問題は、マイクロソフトがこれ以外の利用方法を提供していない点だ。
現時点では、Office Liveはまだまだ初期段階で、単にオンライン閲覧機能とファイル共有機能を提供するサービスであるに過ぎない。マイクロソフトはストレージ容量を500 MBにまでアップ。ドキュメント数にして1000以上に相当する。Word文書、Excel、画像、PDFなど多様なファイルタイプのアップロードに対応。唯一の例外はWeb Notesで作成された文書はカット&ペースト以外にエキスポートする方法がない点で、これはユーザーをうんざりさせるに充分だろう。
確かに、これはベータ1.0バージョンだ。今後改良されていくのは確かだろう。来訪したマイクロソフトのあるエグゼクティブは、同社のゴールは「オンラインとオフラインのギャップを埋めることで、ドキュメントの所在場所を人々が気にする必要を無くすことだ」と話してくれた。また、オンライン編集機能は「おそらく来年」公開されるだろうともほのめかした。
それにしても、だ。ブラウザーから編集可能なオンライン・プロダクティビティ・アプリをGoogleや多数のスタートアップ企業が制作できるなら、マイクロソフトも出来るはずだ。そして、これらのライバル各社は、(事態を)じっと静観してはいない。マイクロソフトがウェブベースサービスに全面的に飛び込むのを毎月遅らせるていくことは、Google、Zoho、Adobe、Glide、その他企業がデスクトップOfficeとのギャップを縮める時間へとつながる。そして、先のことは分からないが、もしかしたら、これらの各企業が(マイクロソフトの)顧客を奪い始めることもあるかもしれない。
CrunchBase:Zoho、transmedia、Live Documents
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(翻訳:Nobuko Fujieda)





