Universal MusicグループのZune税に思う
by Marshall Kirkpatrick on 2006年11月10日 append.gif この記事をBuzzurlにブックマークする

Universal Music GroupとMicrosoftがZuneで 提携合意に達した。New York Times が昨晩(米国時間11/8)遅く、プレスリリース発表として報じた。MicrosoftはUniversalに$250ドル分のZuneが売れるごとに $1(あるいは$251だろうか?)支払う。 Universalは収益の半分をUniversal所属アーティストに支払う。

別に騒ぐような話じゃないと思うけど。当然の動きではないだろうか。この調子でところてん式にズルズル進めば、いずれ大手ミュージック出版はどこも端末1台ごとに$20 ドル要求してくるようになる、という人もいるけれど、この“Zune税”に限って言えば、どっちにしても消費者の許容範囲にとどまるか、そうでないかの2通りしか道はないわけで。それは市場が許さないだろう。

海外では、iPodで無償で流れた楽曲の元を取ろうと“iPod税”を徴収する動きが多くの国々で見られる。カナダでは“半海賊版”税の導入で一部iPod価格が$25も跳ね上がった。このときはカナダの裁判所が、かかる課税 は法的に無効である、との判断を下し、音楽業界に徴税分をアップルに返還するよう命じ、アップルはそれまで納税した分を消費者に補償した。今回はでも MicrosoftとUniversalの自発的な取り決めだろう。だとしたら、良いことではないかな。Universalが楽曲をZuneにライセンス するのと引き換えに見返りを要求したという噂もあったが、Universalには楽曲を何が何でも誰かにライセンスしなくてはならないという義務はない。 ハードウェアの売り上げの一部を要求するのは、僕にはとてもフェアに思える。もしかして自分に見えてないウラがあるかもしれないが、今すぐみんなで武装蜂起しなきゃならないような話ではないだろう。

Appleも同じようなことしなかったら音楽出版業界からの風当たりが悪くなるのではないか、と書いている人もいた。理論的にはそれが市場の働き、ではなかったか? iPodsで再生される曲のうちiTunesから購入した楽曲の割合というのは本当に小さいという調査報告もあった。この結果を信じるなら (信じない人もいないだろうけど) 、今回の提携がiTMSに与える影響はさほど重要ではない。

音楽分野では新しいビジネスモデルを打ち出してくれるような人の出現が望まれる。UniversalがスタートアップのSpiralFrog(日本語)と提携したことは、僕らも紹介した。このSpiralFrogは自社ウェブに定期的にチェックインして広告を見てくれるユーザーには音楽のダウンロードを無料で提供する、Napster風のサブスクリプション・サービスだ。Amie Street(日本語)のことも紹介した。ここは需要に応じて楽曲の値段が決まるクールなビジネスモデルである。業界とアーティスト、この両方にちゃんと報酬が回るようなビジネス モデルを誰かが考えなくてはならない。音楽は無料で、グッズとサービスにお金を払う、という発想は僕好みだ。かなりの部分がアーティストに回って、海賊版のはったりに終止符を打てるハードウェアがあったら、喜んで今よりお金を払うだろう。

このケースでは“顧客に罪がある”と認めたようなものだ、という人もいるけれど、お金を回収するならハードウェアを買う時にしてくれた方が僕はうれしい。それじゃなきゃ全然取らないかだ。

残念ながら音楽業界から十分信頼を得られる新モデルはまだ現れていない。世の中の多くの人は大手音楽業者と聞くと、企業の格付けで言えば、電話会社や、危険廃棄物を子どもの遊び場の隣に埋められるような企業のすぐ次にランクすると思い込んでいる。いわゆる著作権侵害に絡む話し合いは、どれも陰 険な空気がつきまとう。音楽業界の大手企業には「これで十分」という解決策の提案なんか存在しないのではないか、とさえ思えてしまう。(この件についてはWeird Al の方が詳しい)。 端末1台$1でファイル共有をめぐる対立に終止符が打たれると考える人はまずいない。でも僕自身は自分の好きな高品質のMP3に無料で、とやかく言われずにアクセスできるなら、こういう健全な負担額は喜んで払うと思うな。

[原文へ]

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