OpenSocialはまだ「企業にオープンではない」
by Erick Schonfeld on 2007年12月7日

opensocial-logo.pngグーグルがソーシャルアプリ開発プラットフォームOpenSocialを発表してまだ1ヶ月かそこらしか経っていないのに、もう開発者たちの間からは生煮えな全体状況に不満の声があがっている。Russ WhitmanはMediaPopsというTechCrunch 40で立ち上がった新会社のファウンダーだが、その彼から編集部にこんなメールが届いた。:

最初はとても興奮したけど、実は本当に限られたリリースであることを思い知ったよ。 うちの開発チームはGoogleのフォーラムでこの問題を取り上げて意見交換しながら、当社のサービスをどうしたらOpenSocialで構築できるのか、その方法を割り出そうとがんばってきた。その経験から言わせてもらうと、OpenSocialはまだベータにも達していないプラットフォームなのだ よ。“一度書いたら広く配信できる”というコンセプトも正確でないし、中核機能のコンポーネントも欠如している。

グーグルは年明け早々にも1.0をローンチしたいと開発者に語ってるわけだし、やはり今の時点ではベータ前の段階であることは明らかだ。Facebookの成長モデルのように、自分の会社でもOpen Socialをレバレッジしてユーザーベースを拡大したいと考えている企業は少なくとも2月まで待つべき。仮にそこで準備万端整っていたら、それから着手しても遅くない。僕個人は最終的にはOpen Socialが空騒ぎのハイプ以上のものになって、Facebookと互角に渡り合っていけたらいいと願っているんだけども。

大本の問題はOpen Socialの中核バリュー、つまりグーグルとコンテナ(ホスト)、デベロッパーの間のあの独特な提携関係にあると思うね。全部おなじ一つの土俵に上げるのは並大抵の仕事ではない。チャンスはハッキリ目の前に見えているのに、そこに至る道のりが容易ならざることもまた確かなわけだ。このビジョンには相変わらず興奮しているわれわれだけども、同盟の現状には失望している。発表を急ぎすぎたことは明らかだ。そしてOpen Socialが企業にオープンでないこともね。(あ~あ)

この評価は、Whitman一人のものではない。グーグルがまだOpenSocialに向け準備している最中から、コードネーム「Maka-Maka」の段階からもうデベロッパーたちからは、グーグルは“もっと時間が必要”だしローンチは“厳しいチャレンジだ”という意見は耳に届いていた。先日Google Groupsでもこちらのデベロッパー専用スレでOpenSocialの「一度書いたら、どこでも走る(write once, run anywhere)」という部分についての問題が議論されたし、金曜にはグーグル社員がGoogle Groupsに“What’s up with OpenSocial?”というタイトルで長いto-doリストを公開、OpenSocialを意味あるかたちで運用できるまでには片付けなければならない問題がまだ山積みであることを無言で示唆した。

to-doリストの投稿はデベロッパーたちの懸念に対応するものだが、出てきた洗濯物リストを眺めているとグーグルのOpenSocialが真剣に取り組んでもらえるまでには長い道のりがあることが分かる。リストに挙がっただけでもセキュリティ、ナビ、プライバシー、基本的なUI機能、全アプリ共通のプロフィの標準化、完成度を高めた1.0ローンチのタイミング、バージョン設定、API仕様、アプリ専用ディレクトリの欠如などの問題がある。「コンテナ(OpenSocialアプリをホストするサイトを指すグーグル用語)がサポートする機能は何か」、プロフィールとカンバスページの間でデータパスの標準をどうするかといった、そんな基礎的な事柄もグーグルはまだ決めていない。それどころかOpenSocialアプリ専用の名前とURLをどうリザーブするかさえ決まっていないのだ。

FacebookのBeaconプロジェクトと、Beaconが有無を言わさずオンラインでメンバーの情報を送るやり方をめぐっては非難轟々だが、グーグルも同じ轍は踏まぬよう念には念を入れなくては。これもリストに加えておくべきだろう。

[原文へ]

(翻訳:satomi)

  • http://jp.techcrunch.com/archives/bebo-warmly-welcomes-facebook-developers-with-new-platform/ TechCrunch Japanese アーカイブ » Bebo、「Open Application Platform」を作ってFacebook アプリを取り込む

    [...] GoogleがOpenSocialを開発した狙いは、ソーシャルネットワーク用のアプリケーションのデベロッパーが、プラットフォームごとにプログラムを書き直さなくてもよくすることだった。Beboをはじめ、独自の開発プラットフォームを持たないいくつかのソーシャルネットワークは、これをFacebookがプラットフォーム先駆者として独占するソーシャルアプリケーションの動きに参加するチャンスと促え、即座にOpenSocialを採用した。しかし、OpenSocialは出遅れていた。Googleのソリューションがアナウンスされる前から、Facebookには何千というアプリケーションが作られていて、OpenSocialがそれなりの数のソーシャルネットワークで実装されるのはまだ先のことだ(まだメジャーデビューは無理)。そういうわけで、手持ちのアプリケーションをFacebook以外にも広めようというデベロッパーにとって、他のソーシャルネットワーク用にアプリケーションを再設計することが避けられなくなってきた。でも本当にそうだろうか。Bebo、このアメリカで(水をあけられた)第3位にいるソーシャルネットワークが力になるなら話は変わってくる。本日(米国時間12/12)Beboは、新プラットフォーム「Open Application Platform」を発表する。ただし、これは本当の意味で「新」ではない。むしろ、Facebookの独自プラットフォームのクローンのようなものだ。つまり、Facebookのプラットフォームと機能も構造もほとんど同等のプラットフォームを作ることによって、Facebook用に作ったアプリケーションを、コードをほとんどあるいは全く修正せずに、Beboにも簡単に展開できるようにするという考えだ。Beboの新プラットフォームにはSNQLとSMNLなるもの(それぞれSocial Networking Query Language、Social Networking Markup Language)があるが、どちらも、わずかな違いはあるもののFacebookのFQLとFBMLに対応している。CEOのMichael Birchによると、同社はこのよく似た言語を、5カ月にわたってFacebook自身と連絡を取りながら開発しているという。Facebookは、Beboがこのプラットフォームを実質的に移植するという作業に協力していることになる。Beboのプラットフォームは、前からFacebookのプラットフォームに通じていたわけではないので、まだFacebookのプラットフォームと完全に同じになったわけではない(今後もFacebookに合わせていくためには継続した努力が必要)。それでもBeboによると、SNQLとSNMLではなく、FQLやFBML自体で書かれたアプリケーションでさえ、Beboで動くはずだという。このエミュレーションがどこまでできるのか見てみるしかない。ローンチパートナー40社(計50アプリケーション)が、今晩「新」プラットフォームでデビューするが、他のデベロッパーにプラットフォームが開放されるのは何週間か後になる。Beboのローンチパートナー選別の基準は多様性、ということで大規模や小規模のいろいろなタイプのアプリケーションを選んだという。一般公開するまでは、各社ともこのプラットフォーム用に開発できるアプリケーションは2つまでに制限されている。参加しているデベロッパーにはAstrology.com、Flixster、iLike、RockYou、Flixster、Mesmo TV、Gap、Slide、Yahooらがいる。アプリケーションの一覧表では、「トップランク」「最新」「アルファベット昇順」「アルファベット降順」のいずれかで並べ替えることができる。トップランクのページでは、ユーザーが付けた5つ星ランク順で表示される。最新アプリのページには、Beboで最新のアプリが表示される。あとの2つは、アルファベット順と逆順で表示される。アプリをキーワード検索することもできるほか、「ビジネス」「ゲーム」「音楽」「旅行」などのカテゴリーで見ることもできる。どのアプリケーションにも、通常のユーザープロフィールと同じ機能のプロフィールを作ることができ、スキンも使える。このアプリケーションプロフィールには、他のアプリケーションのインスタンスをインストールすることもできる。また、スキン(GapとかNBCブランドにすることもできる)はユーザーがコピーして自分のページで使うこともできるので、アプリケーションを通じてブランドのアイデンティティーをバイラルに広める役目を果す。同じアプリケーションをFacebookとBeboの両方に配布できるようになると、両者がリンクする可能性もでてくる。例えば、FacebookでBunchballのNitroゲームのアプリを使っているユーザーが、同じゲームをプレイしているBeboユーザーと対戦することも可能だ。忘れてはならないのが、BeboはOpenSocialを捨てたわけではなく、両方のプラットフォームを並行してサポートするということだ。Beboの賭けは、Facebookのプラットフォームが、Googleの力をもってしても消えることはなく、Facebook用のアプリ開発に多大な労力を割いたきたデベロッパーたちと仲良くするのが得策だということなのだろう。もしBeboがこれをうまくやったとなれば、ある意味でOpenSocialはなくてもいいことになる。そして、他のソーシャルネットワークが同じ戦法をとれば、遍在するFacebookの独自プラットフォームの前に、OpenSocialのミッションも危いものになるもしれない。こうした状勢の中、あまたのソーシャルネットワークが自分のプラットフォームをFacebookに合わせようと格闘することは考えにくい。FacebookがBeboの意向についてかなり前から知っていたことや、押し寄せるOpenSocialの波によって自社の独自路線が取り残される危機に面していることを考えると、Facebookが自社プラットフォームを標準化して、他のネットワークが採用しやすくしようと動くことは十分にあり得る話だ。今日のBeboの発表は、氷山の一角にすぎない。そして、これもまたソーシャルネットワーキングのデベロッパーの世界に大した影響を与えることもない、ただの実験になってしまうというのも、またあり得ることだ。ひと月ほど前に、Beboのプラットフォームに関する最初の取り組みであるOpen Mediaプラットフォームが、メディア企業に対してネットワークを開放したことについてのわらわれの記事も見てほしい。アップデート: Beboは、プロフィールページでFlashアプリケーションを動かせるようにする予定。ただし、ページが開く際に音楽をオートプレイするFlashアプレットは1つしか指定できない。どのFlashアプレットも、ビデオ再生などの音楽以外の方法でオートプレイすることは可能。これは、ユーザーにはできるだけ豊かに自分を表現してほしい一方、行き過ぎないようにしたい、という趣旨だ。CEO Michael BirchはBeboについて、FacebookのMySpaceの中間に位置して、両者の良い部分を合わせ持つものだと説明している。Facebookの利便性とMySpaceの自己表現能力だ。さらにBirchは、いずれはユーザーがページに「タブ」を作れるようにするという。当初はプロフィールの2ページ目に山のようにアプリケーションを突っ込むことになるが、いずれアプリケーションのグループごとに好きな名前のタブをいくつでも作れるようになる(ゲーム関係のアプリケーションは全部「ゲーム」タブに入れる、など)。Facebookのプラットフォームと同じく、デベロッパーは自身のプロフィールページに広告を表示することかできない。アップデート 2:  Facebookは、自社のプラットフォームを他のソーシャルネットワークが使用することについて正式にサポートすることを明らかにし、「われわれは、Facebookのプラットフォームのメソッドやタグを、他のプラットフォープにライセンンスするつもりもある」と述べている。BeboFacebook[原文へ](翻訳:Nob Takahashi) Bebo Facebook [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/google-poaching-beacon-partners-for-universal-activity-stream/ TechCrunch Japanese アーカイブ » Google、「ユニバーサルアクティビティストリーム」でBeaconパートナー引き抜き

    [...] Facebookの失敗したものがGoogleならうまくやれるのか。Googleはソーシャルネットワークアプリケーション用の自前のプラットフォーム、OpenSocialでFacebookを追いかけている(まだ先は長い)。こんどは、Facebookの物議をかもしたBeaconプログラムの一部をOpenSocialに組み入れようとしているらしいという。当初のやり方で巻き起こったプライバシー問題のために、FacebookのCEO Mark Zuckerbergが謝罪するはめになったあれだ。Epicurious、Yelp、ChaseなどBeaconのパートナーになった他のウェブサイトでは、やってきたFacebookメンバーがある決められた行動をとると、その情報をFacebookに送り込み、メンバーのニュースフィードの一部として友人から見えるようになる。どんなメッセージになるかといえば、例えば、「MaryがEpicurous.comでレモンパイのレシピに評価をつけた」とか「SamがYelpでPalace Hotelのレビューを書いた」とか「DannyがChaseでクレジットカードを申し込んだ」など。しかし、プライバシーポリスの反対運動にあい、それ以来Facebookはメンバーがオプトアウトしやすいように変更した。こうした議論があるなかで、すこしでもBeaconライクなものにGoogleが近づこうとするとは誰も思わないだろう。しかし、この件に詳しい筋によると、GoogleはFacebook Beaconのパートナーの少なくとも1社、おそらくもっと多くと接触して、Googleが「ユニバーサルアクティビティーストリーム」と呼ぶこのOpenSocialでの取り組みの支援者を集めようとしているという。この「ユニバーサルアクティビティーストリーム」は、ユーザーがオンライン上で行ったあらゆる行為を「FacebookのBeaconと同じく」取りまとめてテキストにしたものを、GoogleやMySpaceやBeboなどのOpenSocialパートナーサイトからパーソナルアクティビティのフィードとして送り出そうというもの。Googleでいえば、こうしたフィードはGmailやiGoogle、Google Readerなどに表示されることになる。ユニバーサルアクティビティストリームは来年の2月か3月にローンチする予定。以上の話はどれもまだかなり初期段階にあるので、Googleがユニバーサルアクティビティストリームの公開をやめる、という可能性もある。Beaconパートナーとの接触をはじめたばかり、というところだろう。YelpのCEOでBeaconパートナーのJeremy Stopplemanはこう語っている、「Googleからはこの件について何も聞いていない。Beaconでの騒ぎのほとんどは、オプトインかオプトアウトかという部分なので、Googleはみんなが安心するようにもっと安全な方法をとるだろう」。別のBeaconパートナーで、やはりGoogleからの接触はないというある人によると「この話は人づてには聞いた。そりゃあGoogleがやらない手はないでしょう」。Googleからのコメントはない。Googleにとって「アクティビティストリーム」はいつでも計画に含まれていた。じっさい、デベロッパーは同じような「アクティビティストリーム」を今でも自分のアプリケーション用に作ることもできる。OpenSocialの開始以来、ドキュメント(こちらで読める)には必ず、デベロッパーが選んだホスト上でのユーザー行動をレポートするアクティビティストリーム、のサポートについて書かれている。このストリームは、OpenSocialのアクティブストリームAPIに基づいて作られたウイジェットを通じて利用できる。しかしながら現在Googleは、こうしたストリームは本来営利目的のものではないとしている。メッセージというものは、自分のアプリケーションやサービスのユーザーがとった行動に関するものであるべきだ。ユーザーが実際に行った行為に基づかない広告などのメッセージは公開するべきではない。Googleでは、広告を送ったりフィードを乱用するクライアントを見つけたら、そのクライアントからのアクティビティサービスへの書き込みをブロックするつもりだ。新しい取り組みでは、アクティビティストリームの機能が拡張されてBeaconと似たものになるかもしれない。ただし、Googleが[広告禁止の]ルールを変えるつもりなのか、非商用メッセージを使うBeaconパートナーとだけ接触しているのかはわからない。Beaconの場合でも、パートナーサイトが共有するのは、そこのサイトで「ユーザーがとった行動」だけだ。わかりにくいのは、行動自体に商用価値がある場合だ。私のレストランやホテルの評価を共有することは、一種の宣伝ではないのか。それとも、単に役に立つおススメだろうか。ウェブでの個人のソーシャル行動を集めて、フィードで共有するという発想は、必ずしも広告に結びついているわけではない。Googleが出資して実験的に支援しているCarnegie Mellon大学のSocialstreamプロジェクトがその一例だ。ウェブでの自分のソーシャル行動を友人や知人と共有できることには意味がある。企業が問題を起こすのは、こうしたソーシャルな交流に、まずいやり方でマーケターを相乗りさせてしまったときだ。Googleには、FacebookのBeacon騒動を見て学習したことを重く受け止めてくれていることを願いたい。同じような反発を避けたいのであれば、Googleではプログラムをオプトアウトではなくオプトイン方式にする必要がある(Beaconは未だにオプトアウト)。スタート時は完全に非商用にすることも考えるべきだろう。パートナーサイトは、当時者から暗黙の了解が得られるようになるまでは、「いかなる」情報もGoogleサーバーに送るべきではない。そして消費者には、共有したい情報としたくない情報をサイトごとに細かく制御できるようにするべきだ。しかし、このユニバーサルアクティビティストリームが、私のBeboのフィードやGmailに流れてきて、そのテキストがAdSense広告になるとしたら…タチが悪すぎる。(同僚のNick Gonzalezには、この記事のために重要な情報を提供してもらった)。[原文へ](翻訳:Nob Takahashi) Facebook Google [...]